音楽ナタリー Power Push - ART-SCHOOL
B面集で見えた本質
石毛輝(lovefilm)
B SIDES BESTが作れるって本当に素晴らしいことだし、長く作品を作り続けたバンドの特権だと思います。
B面と呼ばれる曲はいわゆるキャッチーじゃなかったり曲調が暗かったり……etcなイメージがあるかもしれませんが、意外と隠れた良曲があるのもB面であり、バンドの本質が見え隠れしたりするので俺はとても好きです。
そんな気持ちでワクワクしながら聴いてみたら好みの曲ばかり!
これA面でいいじゃん!みたいな曲や深く刺さる曲もあり、改めてART-SCHOOLの懐の深さと歴史を感じました。かっけー!
今までART-SCHOOL通ったことない人でもマストバイな1枚だと思います!
伊東真一(HINTO)
バンドって続けるだけでも大変なのにレーベルの垣根まで越えてこういう作品が出せるART-SCHOOLってやっぱりすごいなと思います。
どこか歪だけど美しい曲たちといろんな人のART-SCHOOL愛が詰まって完成した素晴らしいアルバム、発売おめでとう!
エンドウアンリ(PELICAN FANCLUB)
13歳の頃、泣くことはカッコ悪いと思っていたけれど
嫌いな学校から帰ってdisk unionで買った「UNDER MY SKIN」に入っていた「LUCY」を聴いてよく泣いていたことを思い出した。
思春期の独占欲はB SIDEだからこそ教えたくなかったけれどこれを機に。
大喜多崇規(Nothing's Carved In Stone)
当時レコード店で働いていた僕は、
本当に「壊れそうな音」なんてあるわけないと思っていました。
でも彼らは危うかった。
光が透けるガラスみたいに、鋭くて儚くて、
背中と背中を合わせ、必死に守るように、
汚して隠して、底の見えないところに1つ隠し持って。
「Cemetery Gates」全曲聴いたよ。とても美しかった。
冬に聴くと沁みるー!
大木伸夫(ACIDMAN)
ART-SCHOOLはインディーズ時代に、おそらく一番対バンしたバンド。
ひさびさに聴いたあの頃の曲たち。
絶望を歌いながら、希望を願っていたあの頃。
大好きだった曲たちがいっぱい。
まったく色褪せないな。
やっぱりいいバンドだわ。
カネココウタ(カフカ)
青すぎる夜を越えたくて聴いていた。
何度も聴いて、許されて眠る。
人がいけないことだとわかっていることをしたくなるように、俺はアートを聴いていた気がする。そうやって傷を抉るたびに、生の実感を得た。
「Cemetery Gates」に収録されている曲たちが背負った悲しみと、不器用な優しさに感謝を。そしてコメントを寄贈できたこと、光栄に思っています。発売おめでとうございます。
ちなみに俺は「LUCY」が好きです。
クボケンジ(メレンゲ)
出会った頃から常に異彩を放っていたART-SCHOOL、木下理樹はどうやって曲を作っているんだろう。いつも想像してみます。
どうしたこんなすごい曲なんで思い付くのか、
答えは出ていません。
小出祐介(Base Ball Bear)
B面集というから、キャリアも長いことだし相当マニアックな選曲になっているんだろうと思って聴き始めたんですけど、ART-SCHOOLのライブでギュッと心を鷲掴みにされる瞬間をめちゃ思い出しました。
高校生の頃、よく放課後にライブを観に行っていて、なんて美しいんだと。
ぶっ壊したくなるような衝動や、「よし、死のう」みたいな危うさ、それを目の前にまざまざと展開されて「あーーー」と。
ご本人たちもこのクオリティに驚いているようですが、ART-SCHOOLのかっこよさの肝の部分が凝縮されたベストといえるのではないでしょうか。
これからも木下くんには、元祖ほっそりキノコおじさんとして120歳くらいまでパンパンに生きてもらいたいです。
美しい楽曲をたくさん書いてほしいです。
越雲龍馬(polly)
ART-SCHOOLというバンドに出会ったのは7年前の2010年日比谷野音の「KINOSHITA NIGHT」でした。おそらく出会う前から木下理樹は木下理樹で、出会ってからも彼は彼のまま孤独に寄り添う音楽を産んでいるのだとB SIDES BESTを聴いて感じました。
僕の音楽的血液にはART-SCHOOLの遺伝子が入っています。
これからも理樹さんが酔ったときに、家へ連れて帰ったりタクシー乗せるのを手伝ったりさせてください。木下理樹の愛してやまない後輩、polly越雲より。
後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
最近ではリッキーだなんて呼んで、会ったらいろいろな立ち話をして仲良くしてもらっている理樹くんだけど、出会った頃は一緒にいるだけでちょっと緊張するような存在だった。どうしてかはわからない。お互い、20代中盤のヒリヒリとした青春の、真っ只中にいたからかもしれない。あるいは、一方的に理樹くんの才能にある種の畏怖や、嫉妬や、憧憬を俺が抱いていたからかもしれない。腕っぷしだけで考えたら初期メンバーにタコ殴りにされる可能性だってあったと思うけれど、触ったら危ないと感じるような、寄せ付けなさを持っている人だった。
ART-SCHOOLのデビューが決まった頃、俺はサラリーマンをしていた。繁忙期で残業する同僚たちを尻目に向かったお台場、NUMBER GIRLの解散コンサート。ART-SCHOOLのみんなは関係者席にいた。ドラムの櫻井さんにビールを2杯奢ってもらって、理樹くんと立ち話をしたことを覚えている。理樹くんは「最近何してるの?」という俺の質問に「音楽。それしかやることないからね」と答えた。死ぬほどうらやましかった。ムカつきもした。
あれから何年も経って、当時から孤独や孤高みたいな言葉が顔に書いてあるような感じだったけれども、きっちり当初のメンバーがいなくなって、丸裸みたいな華奢で無頼な男の隣には、この界隈の面倒くささを一手に引き受けているトディが寄り添っている。「FADE TO BLACK」を今でも生で聴けるのは、トディのおかげだ。ありがとう、トディ。
そして、まじまじと青春を聞き返すように聴いたB面集。最高だ。涙が出そうだ。お台場のZeppで俺を惨めにしたのは木下理樹ではなくて、何より俺自身だった。当時の、このまま誰にも見つけてもらえずに朽ち果ててゆくのではないかという不安や焦燥、俺が根源的に抱えている所在や遣る瀬のなさに寄り添ってくれたのはART-SCHOOLの音楽だった。あの頃に抱えていたすべての負の感情を、抱きしめるように今日も君の音楽があって、俺はなんだか泣きそうだ。
リッキー、これからも素晴らしい音楽を。ね。
小林祐介(THE NOVEMBERS、Pale im Pelz)
「Cemetery Gates」に寄せて
聴けば聴くほど、知れば知るほど、ART-SCHOOLというバンドや木下理樹という人物が、いかに替えのきかない存在なのかを知る。
誰が歌っても「よい」と感じる曲は、名曲。
何を歌っても「よい」と感じさせる歌手は、名歌手。
ことART-SCHOOLについて言えば
ART-SCHOOLの曲を、木下理樹が歌うことによってのみ、とびきりの化学反応が生まれる。唯一無二。ほかのじゃダメ。
ひさしぶりに聴いた曲がたくさんあったけれど、懐かしさよりも、改めて感じた曲のよさが印象的だった。
新しさは古くなるけれど、美しさは古びない。
B面とは名ばかりの、美しい作品です。
- B SIDES BEST「Cemetery Gates」 / 2017年1月25日発売 / 2700円 / Warszawa-Label / UK.PROJECT / WARS-003
- 「Cemetery Gates」
収録曲
- ニーナの為に
- ステート オブ グレース
- 1965
- プール
- I hate myself
- レモン
- LILY
- SKIRT
- LOVERS
- MEMENT MORI
- JUNKY'S LAST KISS
- LUCY
- カノン
- LITTLE HELL IN BOY
- LOVERS LOVER
- それは愛じゃない
- その指で
- Ghost of a beautiful view
ART-SCHOOL B SIDES BEST「Cemetery Gates」発売記念インストアイベント
- 2017年2月18日(土)
- 東京都 タワーレコード新宿店 7F イベントスペース
START 21:00 - <出演者>
木下理樹(ART-SCHOOL) - 内容:弾き語りミニライブ&サイン会
- 2017年2月25日(土)
- 大阪府 FLAKE RECORDS
START 20:00 - <出演者>
木下理樹(ART-SCHOOL) - 内容:弾き語りミニライブ&サイン会
- 2017年2月26日(日)
- 愛知県 タワーレコード名古屋パルコ店 イベントスペース
START 18:00 - <出演者>
木下理樹(ART-SCHOOL) - 内容:弾き語りミニライブ&サイン会
ART-SCHOOL LIVE 2017 B SIDES BEST「Cemetery Gates」
- 2017年3月25日(土)
-
- 大阪府 Shangri-La
- 2017年3月30日(木)
- 東京都 WWW X
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