音楽ナタリー Power Push - ART-SCHOOL
B面集で見えた本質
桜井雄一(LUNKHEAD)
「Cemetery Gates」発売おめでとうございます。ファン投票を反映しメンバーが選曲した曲ということですが、改めて今、どの曲を聴いても色褪せることのない「生きている」曲なんだなと強く感じますし、作品ごとに新しいことにチャレンジし続けるその姿勢がART-SCHOOLの「強さ」であり、その強さの根源は木下理樹の変わらぬ「信念」なんだと思います。
自分にとってART-SCHOOLは、曲に対するアプローチや音楽に対する考え方など、ドラマーとして今の自分の礎を作ってくれたバンドであり、それまで自分の知らなかった世界を教えてくれたバンドです。この作品を通してより多くの人がART-SCHOOLの歴史に触れ、今のART-SCHOOLのカッコよさを感じてくれたらうれしい限りです。
私ごとで誠に恐縮ですが、自分が携わった曲で個人的にも思い入れのある曲ばかりでオレ得な「Cemetery Gates」、しばらくはヘビロテ決定です。
これからもART-SCHOOLのいちファンとして応援し続けます。
出戸学(OGRE YOU ASSHOLE)
僕らの初めての全国ツアーはART-SCHOOLとのスプリットツアーでした。
そのときにライブで聴いたことのある曲もいくつか収録されていて、懐かしくなりました。
初期の聴いたことのない曲もいくつかありましたが、初々しさの中にもART-SCHOOL特有の枯れた感じがすでにしていて驚きました。
B SIDES BEST発売おめでとうございます!
中畑大樹(syrup16g)
正直、木下理樹という人間をちゃんと知らない
たぶん滅茶苦茶な人なんだろうと思う
でもART-SCHOOLの音楽はいつでも信用できる
それで十分だし、それこそが今の彼らの理由だと思う
波多野裕文(People In The Box)
昔、福岡で近しいところにいたトディがART-SCHOOLに加入する報を耳にしたとき、僕はまだART-SCHOOLを聴いたことがなく、共通の友人が無造作に選曲したMD(なつかしい……)を作ってくれた。今思えば、その選曲はこのB面集「Cemetery Gates」の前半にすごく似ていて、聴いていると当時住んでいた家の畳やMDコンポの色を思い出した。優れたソングライティングのみならず、「1965」や「I hate myself」など、木下理樹の歌唱は今聴いても悔しいくらいに胸を打つ。ただうまいだけでは到底敵わない何かを理樹さんは持っている。
畠山承平(The Mirraz)
僕の中でART-SCHOOLというバンドはある種「伝説のバンド」というイメージがずっとあって。
僕がその名前を知ったのはミイラズを始めるずっと前だった。20歳ぐらいだったと思う。
バンド名の説得力もあるのだろうが、なんてセンスのいいバンドなんだろうというのが最初の印象だった。
そんなART-SCHOOLと幸運にも何度かライブを一緒にやらせていただく機会があり、僕は「今」のART-SCHOOLが大好きになった。
最高のロックバンドだ。細かいことを言えば理由はいくらでもあるのだが、今の4人の音はマジで最高にカッコいい。
圧倒される。そして、リッキーの謎のオーラだ。ステージに立つべき人間というのはああいう人間のことを言うのだろう。
そんな最高のロックバンドのB SIDES BEST。B SIDES BESTというのはバンドの本気(もしくは本気の遊び)を感じることができる作品だ。より自由に制作した楽曲が詰まっている。ART-SCHOOLはそのスタイルを変えずに突き進んでると僕は感じている。ポリシーを感じる。そんなポリシーを感じるには最高のベストだ。
ART-SCHOOLを知らない方にはぜひこのB SIDES BESTから聴いてほしい。音楽が好きならよりおすすめだ。
ハヤシ(POLYSICS)
理樹、Toddy、ファンによる選曲なので、とにかく「ART-SCHOOL愛」があふれまくっているアルバムだった。まあ、暗いけど(笑)。
全キャリアからの「B SIDES BEST」ということで、このバンドの一環した「激しく鋭く切ない」コアな部分がとてもわかりやすく伝わってきたし、アートを聴いたことのない人の入門編としてもアリなアルバムだと思ったよ。
それにしても、理樹は音楽やっているとカッコイイんだけど、なんで(以下略)……ま、いっか。
藤田勇(MO'SOME TONEBENDER)
モーサムもアートもバンドキャリアはほぼ同じなのでお互い、曲、たくさん作りましたよねー。
昔の曲を聴き返したりすると、当時、全然日の目を見なかったような過去曲が輝いて聞こえて、なんとかまたみんなに聴かせたくなったりー。
ART-SCHOOL、B SIDE集発売おめでとうございます。
私もいつの間にやらドラムを叩いているという……不思議な縁です。
フルカワユタカ
「実は彼、木下より古い付き合いだったりするんです」「あいつよりは全然、木下の方が早く出会ったよ」
僕は誰かとどれくらいの付き合いであるかを表現するとき、時間軸のゼロ地点に木下を置く。時間軸だけではない。「大丈夫、木下よりは真面目なヤツですよ」とか「木下ほど物わかりはよくないかな」など、時として人間性や性格面においても基準値としてしゃべることがある。たまにふと考える。「なぜだろう」と。
一見、僕らにはほとんど共通点がない。僕は生来の人嫌いであるため、友達も少なく仕事以外のことで外出することはめったにない。木下は一見”コミュしょう”風に見えるが(比較的かつ限定的であるとはいえ)人好きで社交場を愛している。僕は10年前に歌のためにタバコをやめたし、いまだにギターの練習を数時間単位でする。木下は出会った頃のままのヘビースモーカーで、とてもじゃないがボイトレや楽器の練習をしているとは思えない。何をしていても無駄に時間を過ごしている気がしてしまうので、僕は趣味を持たない。いつの頃からか、練習や作曲、せめて音楽鑑賞でもしていないと不安になるようになってしまった。逆に木下は多趣味だ、仲間とサッカーをし、映画、小説、美術、etc……そのうちのいくつかは偉そうにレビューを書いたりもしている。性格上、陰口は叩かれやすいほうなのだが“僕のために”ダメ出しをしてくれるのは木下だけだ「ダサイ」「かたい」「面白くない」。木下に善意で「ヘタクソ」「真面目にやれ」「後輩の前でカッコつけるな」と言ってあげられるのも、おそらく僕だけだ。
そんな木下が、この度「B面集」なるものを出すという。ロックたるものベスト盤ですら「いかがなもんか」と揶揄される中、見上げた根性だ。とはいえ、B面集には作り手の本性が出る。自由で幅広い知識を(少々未熟な)スキルによって構築する「美しい不協和音」=「木下節」がいわゆる代表曲たちの“それ”より濃厚で、本当に素晴らしかった。「コメント書くから聴かなきゃ」という不純な動機を忘れて、お酒と一緒に一気に聴いた。これがB面集ではなくて“とある”オリジナル盤だったら、お前は天下を取れていたのではないか。もったいない。
周りの印象に反して僕らは年に数回顔を合わす程度だ。ここから何年、何十年もこうだろうと、特に感慨もなく当たり前にそう思う。たまにふと考える。「親友とはそういうものではなかろうか」と。
ホリエアツシ(ストレイテナー / ent)
「シャーロット.e.p」の曲を聴くと、一緒にスプリットツアーを回ったあのときを思い出して込み上げてくる。
同い年ですごいアーティストに出会えたうれしさと悔しさ。そして今も変わらず、一番大事なものを失わないART-SCHOOLの音楽に胸が熱くなる。
山内総一郎(フジファブリック)
歌っているとき、笑っているとき、話しているとき、ものまねをしているとき。
青く澄んだリッキーの声を僕はいつも魅力的に感じています。
そんな声がたくさん聴けて、うれしいです。
「Cemetery Gate」のリリース、おめでとうございます!!
- B SIDES BEST「Cemetery Gates」 / 2017年1月25日発売 / 2700円 / Warszawa-Label / UK.PROJECT / WARS-003
- 「Cemetery Gates」
収録曲
- ニーナの為に
- ステート オブ グレース
- 1965
- プール
- I hate myself
- レモン
- LILY
- SKIRT
- LOVERS
- MEMENT MORI
- JUNKY'S LAST KISS
- LUCY
- カノン
- LITTLE HELL IN BOY
- LOVERS LOVER
- それは愛じゃない
- その指で
- Ghost of a beautiful view
ART-SCHOOL B SIDES BEST「Cemetery Gates」発売記念インストアイベント
- 2017年2月18日(土)
- 東京都 タワーレコード新宿店 7F イベントスペース
START 21:00 - <出演者>
木下理樹(ART-SCHOOL) - 内容:弾き語りミニライブ&サイン会
- 2017年2月25日(土)
- 大阪府 FLAKE RECORDS
START 20:00 - <出演者>
木下理樹(ART-SCHOOL) - 内容:弾き語りミニライブ&サイン会
- 2017年2月26日(日)
- 愛知県 タワーレコード名古屋パルコ店 イベントスペース
START 18:00 - <出演者>
木下理樹(ART-SCHOOL) - 内容:弾き語りミニライブ&サイン会
ART-SCHOOL LIVE 2017 B SIDES BEST「Cemetery Gates」
- 2017年3月25日(土)
-
- 大阪府 Shangri-La
- 2017年3月30日(木)
- 東京都 WWW X
タグ