ナタリー PowerPush - androp
僕らが見たかった景色
すべては曲のため
──ミュージックビデオを含むアートワーク、ライブにおける映像やライティングなど演出に対する革新性も一貫して追求してると思います。そのあたりのこだわりはどうですか?
内澤 それもすべては曲のためなんですよね。曲をしっかり表現して聴き手にしっかり聴いてもらうためにはどうしたらいいか。それを突き詰めた結果が、アートワークやライブの演出に波及していって。ミュージックビデオは監督さんにイメージを伝えた上で「あとはめちゃくちゃやっちゃってください」って言うことが多いですね。既存の概念にとらわれないで制作してほしいし、そもそもとらわれてない人にお願いすることが多いので。ミュージックビデオが箱だとして、箱の中に曲が入ってるだけだったら受け手はただ眺めることしかできないと思うんですよ。でも箱を取っ払ってしまえば、いろんなところに曲が届けられる可能性が生まれると思うんです。そういうことを意識してますね。
──内澤くんには結成当初から、音楽を軸にした総合芸術ともいえるアート性を提示したいという思いがあったんですか?
内澤 実際にできる、できないはあると思うんですけど、こういうミュージックビデオがあったらいいなとか、映像を使ってライブができたらカッコいいだろうなとか、CDのパッケージに面白い仕掛けをしたいなという思いは最初からありましたね。それがこうやっていろいろなアプローチができてるのはメンバーやスタッフをはじめ僕の理想を理解してくれる人たちがたくさんいてくれるからで。だからこそ、これからも音楽ありき、聴き手ありきでいたいと思ってます。
──ライブでもあれだけ緻密な演出と演奏を同化させるのはかなりタフなことですよね。
内澤 映像や照明と演奏をリンクさせるのはやっぱり並大抵のことではなくて。メンバーはもちろん緊張するんですけど、照明の人も1拍もズレてはダメだし僕たちと演奏してるような感じだと思うんですね。
佐藤 あと、よく話すのは「andropのライブは演出がすごいね」って言われるだけじゃなくて、それに負けないくらい僕らの演奏だけで曲のよさが伝わるようにもしなきゃいけないということで。演出がすごくなるぶん、僕らの演奏もよりよいものにしなきゃいけないといつも思ってます。
伊藤 もちろん、完璧な演奏をするしそのための準備もするんだけど、やっぱりその先が見たいんですよね。だから、100%を超えるための準備をみんなでしなきゃいけないと思ってます。
これまでやってきたことはこの日のためにあったんだなって
──では、ここからは代々木の話を。あれから少し時間が経過して、バンドにとって個人にとってどういうライブだったかを整理できてるのかなと思うんですけど、振り返ってどうですか?
内澤 僕は自分たちの存在を知れたような気がしてます。代々木のステージに立ってみて、andropってこういうバンドなんだ、自分ってこういうボーカリストなんだって客観的に知れた日だなと思っていて。客観的にバンドと自分を見ることができたからこそ、次はどうしたらいいかも見えたし。今まで僕は視野を広く見ているつもりだったけど、まだまだ全然見えてないことがたくさんあるんだなって。
前田 すごく大きなターニングポイントであり新たなスタートだったなって。あのライブはみんなが素の自分で挑めたと思うんですよね。まっすぐな気持ちでライブと向き合えたのがホントによかったし、これまでやってきたことはこの日のためにあったんだなって思いました。ここから俺は何をすべきなのかってことも考えたし。
佐藤 デカい会場のワンマンだからという意味での緊張感はあまりなかったんですよ。リラックスして「大丈夫だ、今までやってきたことは間違ってなかった」という思いでライブに向かって、終わったときに「この感じでできるならこの先もっともっとできる」とも思えたんですよね。
伊藤 個人的には満足いく演奏だったかといえば全然そんなことなくて。まだまだ自分が満足のいく演奏ができる場所じゃなかったんだなって実感したし、逆にそれだけ今後の可能性も感じました。そんな俺たちのことを応援してくれるお客さんがあれだけ集まってくれるのはうれしかったし、責任も感じました。
──いつかはアリーナクラスの会場でワンマンを、という気持ちはずっと前から抱いてましたか?
内澤 夢のように思ってましたね。僕はあの代々木の会場の外で弾き語りのストリートライブもやってたので。すごく売れてるアーティストがライブを開催して、楽しそうに出入りしているお客さんを見ながら、音楽をやるからにはこれくらい大きい会場で鳴らしたいと思ったし。自分もお客さんを笑顔にできるようなライブをしてみたいなって。それは5、6年前からずっと夢のように思ってました。
──夢が叶いましたね。
内澤 叶いましたね。ホントに音楽をやっていてよかったなって思いました。
- WOWOWライブ「androp one-man live 2014 at 国立代々木競技場・第一体育館」
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2014年6月29日(日)12:30~
2014年7月13日(日)26:00~(リピート放送)
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インタビュー映像「andropスペシャルインタビュー -初のアリーナ単独公演を終えて-」を公開中!
- 3rdフルアルバム「period」2014年3月5日発売 / unBORDE
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3888円 / WPZL-30785~6
- 通常盤 [CD] 3240円 / WPCL-11709
- one-man live tour "period"
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- 2014年8月30日(土)愛知県 Zepp Nagoya
- 2014年8月31日(日)愛知県 Zepp Nagoya
- 2014年9月6日(土)北海道 Zepp Sapporo
- 2014年9月13日(土)福岡県 Zepp Fukuoka
- 2014年9月23日(火・祝)東京都 Zepp Tokyo
- 2014年9月24日(水)東京都 Zepp Tokyo
- 2014年9月27日(土)大阪府 Zepp Namba
- 2014年9月28日(日)大阪府 Zepp Namba
料金:5400円(税込、ドリンク代別)
チケット一般発売日:2014年7月5日(土)<先行予約>
受付期間:2014年6月19日(木)10:00~7月2日(水)18:00
受付URLはこちら※9月6日Zepp Sapporo公演、9月23日Zepp Tokyo公演の2F指定席の受付はありません。
- New Audiogram ver.8 -New Audiogram 8th Anniversary-
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2014年7月24日(木)東京都 新木場STUDIO COAST
<出演者>
androp / Fear,and Loathing in Las Vegas / and more(オープニングアクト) - NUMBER SHOT 2014
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2014年7月26日(土)福岡県 海の中道海浜公園野外劇場
- ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014
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2014年8月9日(土)茨城県 国営ひたち海浜公園
androp(アンドロップ)
内澤崇仁(Vo, G)、佐藤拓也(G, Key)、前田恭介(B)、伊藤彬彦(Dr)の4人組ロックバンド。2009年12月に1st album「anew」でデビュー。緻密なサウンドアプローチと多角的な音楽表現のみならず映像作品やアートワークでも注目を集めており、フランスのカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル、アメリカのOne Show Designなど国内外のアワードを受賞している。2013年春に行われた初のホールツアーは全公演完売。音響、照明、映像が三位一体となった総合空間演出は高い評価を得ている。8月にはドラマ「Woman」主題歌「Voice」を、11月27日には映画「ルームメイト」主題歌「Missing」をシングルとしてリリース。CDデビュー5周年を迎えた2014年、3月に発売された最新アルバム「period」はオリコンデイリーランキング初登場トップ5入りを記録。また、同月末に東京・国立代々木競技場第一体育館にて行われた初のアリーナ単独公演はソールドアウトし、1万人を動員した。