天月-あまつき-|あふれ出るクリエイティブな欲求

Eveくんから見た僕のイメージが曲に

──「ガラクタモンスター」は天月-あまつき-さんとライブの競演が多いEveさんからの提供曲です。

「ガラクタモンスター」は、Eveくんから見た僕のイメージを曲にしたみたいで。Eveくんは僕のことを「体力がゼロになるまで行動をし続ける人だよね」「そのパワーが僕からするとうらやましいし、すごく明るく見える」って言ったんです。歌詞を書いてもらって、自分じゃ気付かないことにハッとするところもあって、友人の彼だからこその視点で僕のことを曲にしてもらっていると思います。

──逆に天月-あまつき-さんから見て、Eveさんはどんな人ですか?

彼の独特な世界観は今のアーティスト性に表れていると思いますし、いい意味で周りを気にしないで自分の道を歩き続けてる人ですね。僕らとイベントで共演する機会も多いんですけど、どこか彼は「僕は僕だから」って意識を持って立っている印象があるんですよね。すごくふわふわしたキャラクターなんだけど、その奥には誰にも揺るがせない芯がある。すごくカッコいいと思います。

──提供曲であっても、サウンドや歌詞からEveさんらしさがすごく伝わってくる曲だと感じました。

編曲はいつもEveくんの曲を手がけているNumaさんが担当しているんですけど、演奏は僕のライブをサポートしてくれているメンバーにお願いしたんです。それと友人のkainくんにキーボードを弾いてもらったので、普段のEveくんの曲と聴き比べてみても面白いかもしれません。

「コミカルなラブソングを作りたい」

──天月-あまつき-さん自身が作曲を手がけた楽曲についても話を聞かせてください。まず「かいしんのいちげき!」は、ちょっとコミカルなラブソングですね。

「かいしんのいちげき!」は、編曲を担当してくれた友人の(久寝)くうすけくんと「コミカルなラブソングを作りたい」って話している中で生まれた曲なんです。僕、少女マンガの主人公が恋に全力疾走をする姿に惹かれるんですよ。それは僕の青春にはなかったものでもあるし。そういう憧れをもとに恋に挑戦する女の子の曲を作ってみて。歌詞の中にはゲームの要素もちょっと入れてみたんですけど、内容としてはけっこう現実的なんですよね。「ふっかつのじゅもんはないけれど」とか「セーブやロードできないけど」とか。

──アルバムの制作に携わっているスタッフのほとんどが、天月-あまつき-さんの友人なのは驚きです。

くうすけくんにはそのままこの曲のアレンジをお願いして、kainくんに上モノの音を入れてもらったんです。友達がいなかったらアルバムは作れなかったかもしれないってくらい、みんなに助けられてます(笑)。

天月-あまつき-

──コミカルな「かいしんのいちげき!」から一転、「僕のことなら忘れてくれていいよ」はシリアスな失恋ソングです。

こっちはとことんシリアスにしてやろうと思ったんです(笑)。失恋したあとにメチャクチャ引きずってしまう人って、友達の中に1人くらいいるじゃないですか。でも本気で好きだったのなら引きずるのは当たり前だし、誰かと一緒に過ごした記憶ってそう簡単には消えないっていうのもわかるんです。どこかに行ったら「ああ、この場所はあの人と来たっけな」って思うだろうし、ご飯を食べれば「あの人と食べたな」と思うはずだから。

──確かにこの曲の歌詞には、物や場所に宿る思いみたいなものが描かれていますね。

曲作りを手伝ってくれたSakuさんが、男性なんだけど女性の目線で歌詞を書くのが上手な方で、繊細な表現を教わりながら歌詞を考えました。この曲の主人公は相手に対して自分の存在が重荷になってほしくないから「僕のことなら忘れてくれていいよ」と言っているんですけど、本音のところでは間違いなく「忘れないでほしい」はずなんです。曲の裏側にある心の動きみたいなものが書けたのはSakuさんに手伝ってもらったおかげだと思っています。

“魔法”に思いを巡らせて

──アルバムの最後を飾る楽曲は「君が僕の心に魔法をかけた」。この曲の歌詞にはアルバムのタイトルにも使われている「それは きっと恋でした。」という一節が使われていますが、いつ頃作った曲なんですか?

去年の暮れぐらいからすでにあった曲なんですけど、ずっと完成していなかった曲なんです。アルバムの告知をした動画にこの曲の一部を使っているので、今年の3月頃にはある程度できていたんですけど、それでも歌詞とラスサビが決まってなくて。実は「それは きっと恋でした。」という歌詞は、もっとあとに付けたんです。

──アルバムタイトルのほうが先に決まっていたんですね。

そうです。このアルバムの完成が見えてきた頃に、ようやくラスサビの歌詞が書けました。

──さまざまな曲で「恋」をテーマに歌ってきた天月-あまつき-さんが、最後の曲で「魔法」という言葉を使うのは、すごくロマンチックだと思いました。

自分の原動力になるものって、本当に魔法のようなものだと思うんです。このアルバムでは「ラブソング」という形でいろんな思いを表現してきましたけど、原動力になるものは恋だけじゃなくて、音楽でもいいし、夢とかでもいい。眠気とか疲れを忘れて打ち込めるものを大事にしてほしいって思いを込めています。

──その結びとなる言葉が「それはきっと恋でした。」なのもよくできてますね。

「恋」をテーマにラブソングを紡いできたので作品として完成させるならこの言葉なのかなって、自分なりにいろいろ考えて書いた部分ですね。聴き手にとってそれぞれの魔法が自分の中にあると思うので、この曲を聴きながらいろんな思いを巡らせてほしいですね。

今まで積み上げてきたものが武道館につながっている

──8月23日には日本武道館で単独公演「Loveletter from Moon」が開催されます。

いやあ、ついに武道館が決まりました。まあまだ決まっただけなんですが(笑)。

──決まっただけでも相当すごいことだと思います(笑)。

友達にも「武道館すごいね!」って言われるんですけど、僕からするとまだやってないことですから。ちゃんとお客さんが来てくれて、僕がいいライブをして、皆さんに笑顔で帰ってもらってやっと「すごいことができた」って言えるのかなと思っています。そういう意味では僕の真価が問われる1日になると思ってます。

──当日はどんなライブになりそうですか?

武道館って僕がこれまでワンマンライブをやってきた会場の中で一番大きいんです。お客さんもたくさん入れるし、会場も広いから、これまでやってみたかったけどできなかった演出がいろいろ実現できそうなので、すごく楽しみです。ただ真新しいことばかりに気を取られるんじゃなくて、「天月-あまつき-のライブと言ったらやっぱりこうだよね」っていう、僕のライブの根本的なところは変えずに大舞台を作り上げていきたいとは考えてます。僕が今まで積み上げてきたものが武道館でのワンマンライブにつながっていると思うから、今まで聴いてくれた人たちにはそのつながりも、ちゃんと感じてほしくて。

──武道館公演という大舞台をすごく冷静に捉えているんですね。

もちろん緊張はしてるし、大舞台に立つことの重大さも感じているんですけど、僕にとって武道館はゴールとかではないと思ってるんです。もっと先まで見据えている中での1つの節目のような日になるのかなって。今回は「それはきっと恋でした。」をリリースしてすぐのライブだから、まずはアルバムを聴いてくれた人に歌を届けて、新曲をみんなで共有したいし、この日に向けて“スペシャルな曲”も用意しているので、楽しみにしていてほしいですね。

天月-あまつき-「それはきっと恋でした。」
2018年6月27日発売 / KING RECORDS
天月-あまつき-「それはきっと恋でした。」ラブレター盤

ラブレター盤 [CD+DVD]
2900円 / KICS-93731

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天月-あまつき-「それはきっと恋でした。」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
2900円 / KICS-93732

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天月-あまつき-「それはきっと恋でした。」通常盤

通常盤 [CD]
2200円 / KICS-3731

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CD収録曲
  1. アストロスト[作詞・作曲・編曲:宮田‘レフティ’リョウ]
  2. きみだけは。[作詞:夏代孝明、天月-あまつき- / 作曲:夏代孝明 / 編曲:渡辺拓也]
  3. きっと愛って[作詞:佐香智久、天月-あまつき- / 作曲:佐香智久 / 編曲:佐々木裕]
  4. 月曜日の憂鬱[作詞・作曲・編曲:HoneyWorks]
  5. DiVE!![作詞:宮田‘レフティ’リョウ、天月-あまつき- / 作曲:宮田‘レフティ’リョウ / 編曲:中山真斗]
  6. Mr.Fake[作詞:渡辺翔、天月-あまつき- / 作曲:渡辺翔 / 編曲:中山真斗]
  7. マリオネットラヴァーズ[作詞・作曲・編曲:halyosy]
  8. かいしんのいちげき![作詞・作曲:天月-あまつき- / 編曲:久寝くうすけ、kain]
  9. ヒロイックシンドローム[作詞・作曲:まふまふ / ラップ作詞:nqrse / 編曲:堀江晶太]
  10. 僕のことなら忘れてくれていいよ[作詞・作曲:Saku、天月-あまつき- / 編曲:Saku]
  11. ガラクタモンスター[作詞・作曲:Eve / 編曲:Numa]
  12. Sing! Swim! Swing![作詞・作曲:halyosy / 編曲:佐々木裕]
  13. Flight Light ~星くずと Boeing~[作詞・作曲・編曲:みきとP]
  14. ツナゲル[作詞・作曲:ハヤシケイ / 編曲:棚橋UNA信仁]
  15. イデア [作詞:宮田‘レフティ’リョウ、天月-あまつき- / 作曲・編曲:宮田‘レフティ’リョウ]
  16. 君が僕の心に魔法をかけた[作詞・作曲:天月-あまつき- / 編曲:渡辺拓也]

Bonus track

  1. Voice letter
ラブレター盤付属DVD収録内容
  • 「君が僕の心に魔法をかけた」Music Video
  • 「君が僕の心に魔法をかけた」Making of Music Video
  • お楽しみ映像「天月-あまつき-の男子力向上委員会」
  • 「ツナゲル」Music Video
  • 「DiVE!!」Music Video
  • 「Mr.Fake」Music Video
  • 「アストロスト」Music Video
  • 「きみだけは。」Music Video
  • 「マリオネットラヴァーズ」Music Video
  • 「イデア」Music Video
初回限定盤付属DVD収録内容
  • 「やりたい放題ホールツアー Winter 2017~2018」厳選ライブ映像(2018/1/8 神戸国際会館)
    • 「DiVE!!」
    • 「StarMan!!!」
    • 「ベリーメリークリスマス」
    • 「プレゼント」
  • 「やりたい放題ホールツアー Winter 2017~2018」ツアードキュメンタリー

天月-あまつき-「Loveletter from Moon」

  • 2018年8月23日(木)東京都 日本武道館
天月-あまつき-(アマツキ)
ネットを中心に活動する男性ボーカリスト。2010年初頭より、ニコニコ動画「歌ってみた」カテゴリーにボーカロイドナンバーをカバーした楽曲の投稿を開始する。力強くもどこか少年らしさを感じさせるハイトーンのボーカルを武器に、ライブを精力的に実施。舞台への出演や声優を担当するなど活動の場を広げながら、ネットへの歌唱動画の投稿も引き続き行っている。2012年6月リリースの1stアルバム「Melodic note.」はオリコン週間インディーズアルバムチャートで1位を獲得。2014年7月にKING RECORDSからアルバム「Hello, World!」を発表し、メジャーデビューを果たした。2016年7月にはメジャー2ndアルバム「箱庭ドラマチック」をリリース。2017年には「ちゃんげろソニック2017」「COUNTDOWN JAPAN 17/18」といったフェスにも出演するなど、さらにその知名度を高めている。2018年6月にメジャー3rdアルバム「それはきっと恋でした。」をリリース。同年8月には初の東京・日本武道館単独公演「Loveletter from Moon」を開催する。