書き下ろし曲のプロデュース法は「ただただ待機！」

──書き下ろし曲の作家選びの基準は？

今回、西沢さんPさんと、Last Note.さんと、Gomさんと、Shusuiさんに作詞作曲をお願いしたんですけど、全員、僕がファンなので。だから歌詞や曲についても、その人の色の出た曲が聴きたくて。「こういう路線の曲をお願いします」「こういうテーマで書いてください」っていうことだけお伝えして、あとの細かい打ち合わせはなし。あとは待機！ 曲をいただけるのをただただ楽しみにしてました（笑）。

──それってけっこう怖くないですか？ 好きな作家に依頼しているからてんで的外れな曲ができあがるとも思えないし、実際に天月-あまつき-さんらしいJ-POP、J-ROCKテイストあふれる曲に仕上がっているとは思うんですけど、それでも「ちょっとイメージが違うなあ」っていうことも起こりえますよね。

いや、ぜんぜんそういうことはなかったですね。全部ステキな曲でした。

──勝因は？

皆さん普段から一緒にごはんを食べに行ったり、「今度遊びに行きましょうよ」なんて話をしたりしている人たちだからじゃないですかね。さすがにShusuiさんは違いますが……（笑）。音楽の世界の大先輩ばっかりだし、曲を書いてくださる方だから全員尊敬はしているんですけど、仲よくはさせていただいているので、僕のことをわかってくれるんですよ。お願いしたらすぐに「ああ、天月-あまつき-くんならこういう雰囲気の曲がいいよね」って言ってくださる感じで。

──Shusuiさんに依頼した経緯は？

バンドメンバーから提案があったからですね！ メンバーが知り合いで。Shusuiさんに書いていただいた「アブラカタブラ！」は、らむだーじゃんさんという歌い手さんとのツインボーカル曲なんですけど、そのらむだーじゃんさんがすごいジャニーズファンで（笑）。ライブでご一緒したときに「Shusuiさんに曲をお願いしようと思ってるんですけど、一緒にやります？」って聞いたら「ぜひ！」ってことだったので、2人で歌わせてもらいました。

──Shusuiさんの代表曲である「青春アミーゴ」とはまたテイストが違うんだけど、やっぱり若い男性デュオの歌声によく似合う詞とトラックに仕上がってますよね。

ええ。とても気に入ってますし、2人で歌ってて本当に楽しいです。

初の実写MV

──あと、今回はアルバムのリードトラック「ハートフルエッジ」の実写MVも撮っていますよね。

まさかあんなに思いっきり顔が映ってるとは思わなかったんですけど、一応（笑）。

──書き下ろし曲やバンドアレンジのカバー曲を並べて、Shusuiさんのような作家を起用したのと同じように、そのMVで顔出ししたことにも天月-あまつき-さんの気持ちが見て取れたんですよ。「ニコ動の人気の歌い手」の一歩先、「ボーカリスト天月-あまつき-」として音楽シーンで戦っていく覚悟を決めたな、って。

勇気といえばそうなのかなあ？ ただ確かにもっと広い世界でやるためには、こういうMVも挑戦してもいいのかな、っていう気持ちはありました。背中を押してくれた皆さんのおかげでもあるんですけど。

──とはいえ、ちょっと抵抗はあった、と。

そうなんですよね（笑）。でも、もともと素顔でライブはやっていたわけですし、アメブロのコミュニティや専門誌には顔写真が載っているので。僕の曲を聴いてくださる方や、周りのスタッフさんが「観たい」「顔出ししたほうがいい」って言ってくれるのであれば、そういう声にも応えたいなとは思っています。

──ライブや演劇と一緒で誘いに乗ってみたら、きっと楽しいことが待ってるはずだから（笑）。

そうなんですよ（笑）。

将来の夢は仮面ライダー！

──最後に、今後はどんな活動をしてみたいですか？

5月31日に大阪、6月8日に東京と初めてのワンマンライブツアーがあるので、まずそれを成功させたいというか、お客さんも僕も楽しめるようにしたいのと、あと仮面ライダーになりたいです！

──へっ!? それは「仮面ライダーみたいなヒーローになりたい」っていう比喩的な意味で？

いえ、日曜朝のあの枠の番組に出たいんです。というか、出してください！（笑）

──歌い手になるのも、ライブや芝居に出るのもすべて受け身で通してきたのに、いきなり自己主張を始めた（笑）。

子供の頃からの夢なんですよ。で、最近周りから「言ってればきっと叶うよ」って言われたので、目標を聞かれたら必ず答えることにしたんです（笑）。

──確かにことあるごとに口にしていれば、どこかで天月-あまつき-さんの発言が番組スタッフの目に留まることもあるかもしれないし。

なので、これだけは自発的に言うようにしています（笑）。

──なんでライダーなんですか？ 日曜朝のあの時間帯って戦隊モノもやってるじゃないですか？

うーん……。強いから？

──戦隊だって強いじゃないですか。

でもライダーって基本的に1人でがんばるじゃないですか。確かに平成ライダーになってからはライバルや相棒的なライダーも出てくるようにもなりましたけど、それでも敵とは2対1くらいで戦いますよね。だから5対1で戦う戦隊より強いんじゃね、って。……あっ、それだ！ ライダーに出たい理由は「ライダー、チョー強いんで」っていうことでお願いします！（笑）