TKと作った「まくし立て部分」

──TKさんプロデュースの「us」はどのように制作を？

最初にTKさんの「unravel」を私が歌った音源を渡して、声のイメージを伝えて。ボーカルのレコーディングはTakaさんとのときと同じで、私がTKさんと一緒にスタジオに入って話し合いをしながら作っていきました。

──Aimerさんのボーカルはもちろんですが、オケも素晴らしいですよね。こちらのレコーディングはどのように進めていったんですか？

ベーシックなレコーディングはベルリンのスタジオでやっていただきました。“TK from 凛として時雨”名義の作品でTKさんがご一緒している方々に参加いただけたのですが、改めてBOBOさんのドラムは本当にカッコいいなって思いましたね。

──曲の最後に凛として時雨の楽曲を思わせるような超ハイトーンボイスが登場しますよね。

これも2人で話し合って入れました。私とTKさんはこの部分を「まくし立て部分」って呼んでるんですけど、TKさんがいつもご自身の曲で激しく“まくし立てて”いらっしゃるので「あれを私がやってみたらどうなるのかな？」って試してみました（笑）。

──軽いノリで「どうなるのかな？」っておっしゃってますけど、実際のところスゴいことになってますよね（笑）。

最初はここまで激しくはなかったんですけどね（笑）。レコーディング中に「もうちょっと激しい部分があってもいいのかな」っていう話になって「まくし立て部分」が誕生しました。この曲もTakaさんの「insane dream」と同じく、全体的にTKさんの世界観が凝縮された楽曲だなって私なりに思っています。そんなTKさんの世界の中で、うまく羽ばたけた曲になったかなと思います。

TK（凛として時雨）コメント

声からメロディが生まれ、言葉が引き寄せられていく様な不思議な魔法を持ったAimer。

まるで行き先を知っているかの様なその声に少しだけ地図を書き足して、見たことも無い場所に辿り着いてしまいました。自分の中にある、鳴らせなかった音への扉を開けてくれてありがとう。たくさんの人に届きます様に。

野田洋次郎＆ハナレグミとの幸せなレコーディング

──そして来月8月17日リリースの「蝶々結び」ですが、「insane dream / us」からのギャップがすごい。人と人との出会いを蝶々結びの手順になぞらえるという野田さんらしい言葉遊び満載の歌詞と、フォーキーで優しいサウンドの曲ですね。これも野田さんとデモから作った曲なんですか？

いえ、この曲は「insane dream」や「us」とは違って、洋次郎さんがもともと温めていた曲を私にくださったんです。Takaさんの紹介で洋次郎さんとお会いして何度かやり取りをさせていただくようになった頃「こういう曲があるんだけど」っていう話になって、いきなりプリプロが始まってました（笑）。

──この曲では、Aimerさんと野田さんがデュエットしているし、てっきり一緒に作った曲なんだと思ってました。

もともと洋次郎さんが温めていた曲ということもあって最初はデュエットする予定ではなかったんですけど、レコーディング中にふと「洋次郎さんにも歌ってみてほしいなあ」って思い立って。そのことをすごく念じてたら本当に叶いました（笑）。

──直接「デュエットにしてみたら面白いと思うんですけど」って言えばいいのに（笑）。

恐れ多くて（笑）。でも念じたかいがありました。レコーディングにはギターとコーラスでハナレグミさんも参加していただけまして、ハナレグミさんも同じように以前から大好きなアーティストさんだったので、レコーディングでは本当に幸せな時間を過ごすことができました。

野田洋次郎（RADWIMPS）コメント

Aimerの声をはじめて耳にしたのはもう3、4年前だと思います。たまたま知り合いからCDをもらって。声だけで、この人のことなんか好きだなと思ってしまった。レコーディング中は彼女の声を何度も聞くことができて幸せでした。そして大切なこの曲をAimerに歌ってもらえて、嬉しかった。Aimer、ありがとう。