シングル2曲じゃaikoの人となりを伝えられない

──aikoさんのシングルはいつも3曲入りでリリースされていますが、「4月の雨」を先行で配信した結果、今回のシングルは4曲入りになりましたね。シングルに曲を3曲入れるということにはこだわりがありますか？

すごくあります。やっぱり、2曲だと、そんなにaikoの人となりをお伝えできないというか（笑）。もっといろいろ知ってもらいたいっていうのがありますね。

──曲ができているんだったら聴いてほしいと。

はい。あんまりね、出さずに取っておくのが苦手なんですよね。あのときに出しておけばよかった……とかあとで思ったりしたら嫌なので。

──普段からそれだけたくさんの曲を作ってるということですよね。

そうですね。作れるときには作るようにしてます。特にツアー先で歌詞を書くのが好きなんですよ。遊びに行ったりもあんまりしないので、ホテルの部屋で歌詞を書いていることが多いんですけど、それがすごく楽しくて。「部屋が変わるだけでこれだけ違うんや！」みたいな。

──ホテルのほうが家にいるときよりも書きやすい？

窓の外から見える景色が違うだけで、シフトチェンジがいっぱいできるというか。

音楽以外で一番やりたいのはラジオ

──そして今回のシングルには初回限定仕様盤の特典として「aiko's Radio」CDが付いてきます。

そうなんです。「15周年だしラジオ録ろうよ」ってプロデューサーに言われて、「え、いいんですか？」って（笑）。

──シングルにCDの特典を付けるのは初めてですよね。

初めてだし、そんなことしていいんや？って思いました。なんとなくね、うちの現場はシングルにDVDは付けない、みたいな空気がずっとあるんです。でも今回このラジオCDをやってみようってことになったんですけど。

──どんな内容のラジオになったんですか？

ほんとにね、ひどいラジオですよ（笑）。もともとaikoのオールナイトニッポン（1999年から2003年にかけて放送されていたニッポン放送「aikoの@llnightnippon.com」）を聞いたことがない人が聞いたら「えっ、なんかaikoちょっと違う！」って思うかも。もうオープニングからね、ちょっと……アニメ声なんです（笑）。それで1分半ぐらいしゃべってます。

──まあでも、それがaikoさんのラジオですよね（笑）。

そうなんですけどね（笑）。

──aikoさんの原点はラジオだと思うので、ラジオCDが特典に付くのも「初心忘れた事はないぜシングル」の一環なのかなと感じました。

そうですね、自分が音楽以外で一番やりたいって思うのはやっぱりラジオなので。

──ラジオCDの収録時間はどれくらいですか？

47分ぐらい。

──長っ！（笑）

でもホントはもっと録ってたんですけど、けっこうバッサリ編集されて（笑）。

──あはははは（笑）。

すごいいろんなことしゃべったけど「あれ……これ、未来永劫残るCDやしな……」って気付いて、「すいません、しゃべりましたけどカットで」って（笑）。

ラジオCDは深夜に聴いてほしい

──ラジオCDを作ってみてどうでした？

作家さんもミキサーさんもオールナイトのときに一緒にやってた方で、ディレクターは東京でラジオを始めたときにディレクターをやってくれた方なんです。昔からすごいお世話になってる方たちばっかりで作らせてもらって、すごく楽しかった。すごく広いスタジオで録ったんですけど、その広さを駆使して走ったりとかしてました（笑）。タッタッタッタッタッタッって走っている音が入ったりしてます（笑）。

──ラジオはaikoさんにとって本当にすごく大切なものなんですね。

ラジオは今も大好きで、毎週聴いてる番組もあるほどなんです。やっぱりラジオのあの空気感はすごい面白いですよね。

──このラジオCDはどんなときに聴いてほしいですか？

それはもう、ぜひ深夜に聴いていただければ（笑）。朝の通勤中とかに聴く人がいるかと思うと申し訳ないなと思いますね（笑）。それは何回もラジオの中でも言っています。あと自分がつらくなったときにも聴いてほしい。「もっと下の人がここにいるんや！」と思ってくれたらいいなと思いますね、ほんまに（笑）。