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佐々木亮介独占インタビュー ギタリスト失踪、そして2ndアルバム緊急リリースの心中を明かす

すべてを話す以外に誠実なやり方が思いつかなかった

──今回の一連の流れを見ていてすごいなと思ったのは、隠したりごまかしたりせずに、ファンの人たちにすべてを伝えてるということなんですよね。今このインタビューを受けてくれていること自体もそうですが。

そこは正直言って俺らもつらかったし、お客さんやホームページを見てくれてる人になんて言うかはすごく迷いましたけど。そこで変に嘘をつくわけにもいかないし。

──とりあえず様子を見つつ「ちょっと諸事情で」みたいな言い方も、やろうと思えばできたのに。

インタビュー写真

そうですね、そういう言い方もあったかもしれないけど……、でもちゃんと話す以外に誠実なやり方がわかんなかったので(笑)。確かに話すことによってかえって混乱を招くかもって意見もあったんですけど、でもありのままを話すのが岡庭に対しても観てくれる人に対しても一番正しいと思ったんですよ。そこで一時的に嘘をついて、落ち着いた後で「実はこういうことでした」って言うのはなんか後味が悪い気がしたし、少なくとも7月12日のライブ自体が嘘になっちゃうって思ったんです。俺ら自身もやりにくいし、観てるお客さんも気持ち悪いだろうし。やっぱりお金払ってチケットを買って来てくれた人に、不誠実なことはしたくなかったので。

──正しい判断だったと思います。すべてを明らかにしていることが、バンドにとって結果的にいい効果を生んでいると思いますし。

だと思います。っていうか思いたいですね(笑)。

絶対止まっちゃいけないって気持ちが固まった

──さて、7月12日のツアーファイナルは緊急事態の中、なんとか無事に終えることができたわけですが、その後、今度はすぐに夏フェス出演が控えていましたよね。

そうですね、濃いスケジュールで(笑)。

──フェスについてはどう考えていましたか? 自分たちのツアーとは違ってお祭り的な部分もありますし、それこそメンバーが揃わないならキャンセルという選択肢もあったかと思うんですが。

いや、逆に俺らとしては7月12日をやり切ったことで、もう絶対止まっちゃいけないなっていう気持ちが固まってたので。フェスティバルはむしろ出させてもらえるなら全部出たいと思ってました。

──ただ、そうは言ってもフェスの主催者の判断もありますよね。メンバーが揃った状態で出演オファーを受けているわけですから、欠けた状態では出演できないというケースもあるでしょうし。

スタッフ 確かにそういう話はありました。ツアーファイナルの前にプロモーターサイドから、「こういう状況であれば辞退して、来年改めて出演したほうがバンドにとってプラスなんじゃないか」という提案をいただいて。それで、とにかく7月12日のツアーファイナルを見てもらって、どうするか決めようということになったんです。

俺はどうしても出たかったんで、かなりドキドキしてたんですけど。で、7月12日にその判断をする方がライブを観に来てくださって、終わった後楽屋に来て、俺とガッツリ握手してくれたんです。

──それは合格ということですよね?

はい、ものすごくうれしかった。まだ3人になったばかりで不安も大きかったから、そこで認めてもらったことが自信になった部分もあって。

──その後、フジロックとロック・イン・ジャパンに出演したわけですが、どうでした?

もう、かなりやんちゃな感じで(笑)「荒かったなー!」ってみんな言ってましたけど、でも楽しかったです。お客さんの反応もすごく良くって。

フジロックでOASIS観ながら、近くにいるんじゃないかなって探してた

──次に向けて気持ちの切り替えはできていますか?

そうですね、もう2カ月経つのでそろそろ……、悲しくないといったら嘘になるけど、徐々に固まってきてるとは思います。今の3人でいけるっていう確信もあるし、どうにかしてやろうっていう気持ちもあるし。とにかく、すごく前向きですよ。

──そうですよね。いつまでも悩んでいても仕方ないですしね。

まあ、正直言えばまだ悩んではいるんですけど(笑)。単純に4年半やってきた戦友みたいな、彼がいなくなったこと自体がすごく辛かったですからね。何か悩んでいたなら言ってほしかったっていう気持ちもあるし、逆にそこに気付けなかったのが悪かったって思ったりもしたし。でも今は言葉も交わせないので、なんとも……。だからそうですね、早く決着……っていう言葉は重いですけど、どうすんのか決めたいなとは思ってます。このインタビューを通して「出てこい」って言いたい(笑)。

──そうですよね。まずはやっぱり出てきてほしいですよね。

うん、話がしたいです。「ノエル抜けたけどどう思う?」って話したいんですけど。

──あはは(笑)。

インタビュー写真

あいつすごくOASISが好きで、だから俺、フジロックのときもOASIS観ながら、岡庭が近くにいるんじゃないかなって探してたんですよ(笑)。

──実際に会えたらどうしますか?

それいっつも考えてるんですよ。会っちゃったらどうしましょうかね(笑)。

──もし、岡庭さんが戻ってきて一緒にやれる状況になったとしたら、またもとの4人でやりたいですか?

んー、どうだろう……。それは今はハードルが高いと思います。裏切られたっていう気持ちもあるし。ただ、ちゃんと説明して、説得してくれるんだったらわかんないですけど。もしかしたら全然想像もできない事情が待ってるかもしれないから、完全に否定もできないし。可能性がありすぎちゃって。

──じゃあとりあえずは会って話したい。

そうですね。それが一番ですね。

a flood of circle presents “What's Going On Tour '09”

10月14日(水)名古屋CLUB QUATTRO
18:00開場 / 19:00開演
前売:2800円 / 当日:3300円
出演:LUNKHEAD / serial TV drama
10月15日(木)心斎橋CLUB QUATTRO
18:00開場 / 19:00開演
前売:2800円 / 当日:3300円
出演:LUNKHEAD / serial TV drama
10月27日(火)渋谷CLUB QUATTRO
18:00開場 / 19:00開演
前売:2800円 / 当日:3300円
出演:LUNKHEAD / TRICERATOPS
a flood of circle(あふらっどおぶさーくる)

2006年、佐々木亮介(Vo,G)、岡庭匡志(G)、石井康崇(B)、渡邊一丘(Dr)の4人で結成。ブルースや70年代ロックをベースにしたフリーキーなサウンド、ボーカル佐々木の強烈な歌声と、観る者を圧倒するライブパフォーマンスで話題を集める。結成当初は下北沢・渋谷界隈を中心にライブを行い、次第に活動地域を拡大。2007年7月に初音源となるミニアルバム「a flood of circle」をリリース。同時期に新人バンドの登竜門「FUJI ROCK FESTIVAL '07」のROOKIE A GO-GOステージに出演し反響を呼ぶ。2009年4月、1stフルアルバム「BUFFALO SOUL」でメジャーデビューを果たすが、その後全国ツアー中の7月にギターの岡庭が突然の失踪。だがバンドは活動を止めることなく、現在はサポートメンバーを加え、精力的にライブ活動を継続している。