ナタリー PowerPush - 9mm Parabellum Bullet

目標は99周年!9年の歩みを総ざらい

2007年

SHIBUYA O-nestで初ワンマン

──2007年2月にSHIBUYA O-nestで初ワンマンを開催しましたね。このときのことは覚えてますか?

 この日を境にライブがめっちゃ盛り上がり始めたんです。これの1本前とか、お客さんは棒立ちだったし。だから、なんであんなに盛り上がったのかいまいちわからない謎のライブなんです。

かみじょう たぶん、2006年の最後にRADWIMPSのオープニングゲストをやったのがデカいと思う。俺は平日のそのツアーに出るために会社を辞めたようなもんですから(笑)。

菅原 あとは2006年の「COUNTDOWN JAPAN 06/07」に出たのもデカかったよね。

中村 O-nestのときはそんなに盛り上がると思ってなかったから、セキュリティも入れてないし、柵もなくて。あまりにパンパンになってるから、最前列の人とかステージに足かけて、半分上っちゃってたんですよね(笑)。

菅原 お客さんたちが氷室京介さんのようだったね(笑)。ホントに、このライブからお客さんの盛り上がり方が変わりましたね。

プレデビュー盤「The World e.p.」&メジャーデビュー作「Discommunication e.p.」

2007年11月の1stフルアルバム「Termination」リリース時。

──その後、プレデビュー盤「The World e.p.」(2007年5月リリース)からメジャーデビュー作「Discommunication e.p.」(2007年10月リリース)までつながっていくんだけど。この年は環境も変わっただろうし、制作面でも濃密な時間を過ごしたんじゃないですか?

 レコーディングがかなりタイトでつらかったです。1stフルアルバムの「Termination」(2007年11月リリース)は予定していたレコーディング期間で録れなくて、ツアーを挟んで2回に分けて録りましたね。プレッシャーもけっこうあったし。

かみじょう 俺、メンバーと一番仲が悪かったのこのあたりだと思ってる(笑)。

菅原 みんなクサクサしてたもんね。

──ただ、「Termination」は9mmにとって土台となるアルバムになりましたよね。

菅原 まさに制作中に滝が「土台を作るんだ」って言ってたんです。

 それまでのインディーズの曲はいろんな意味で散らかっていたので(笑)。どんなバンドなのか、いまいち自分もよくわかってなかったような気がします。だからこそ、土台を作りたかったんですね。

──メンバーの関係性みたいなところでいうと「Termination」くらいから演奏面や精神的な部分も含めて、それぞれの役割が明確になってきたりしました?

菅原 この頃はまだごちゃごちゃしてる感じですね。当然、曲を書くとか歌詞を書くとかそれぞれの役割があるんだけど、それをどうやったらうまく作用させられるかはまだわかってない時期じゃないかな。

2008年

2ndアルバム「VAMPIRE」

──2ndアルバム「VAMPIRE」をリリースした2008年は、バンドのバランスが整ってきた時期でもあったんじゃないですか?

菅原 俺はまだこのくらいのときはしんどかったですね。歌詞が全然できなくて。それで、余計閉じこもっちゃってた。「VAMPIRE」まではずっとそんな感じです。「VAMPIRE」自体の雰囲気は、開けていて、カラフルで、すごくいい感じなんだけど。

──うん。「Termination」という土台を踏まえて、いかにいろんなアプローチができるのかを楽しんでいるような。

2008年5月のシングル「Supernova / Wanderland」リリース時。

 俺は、その時期くらいから、だんだん制作の調子がよくなってきたかな。「Supernova / Wanderland」(2008年5月リリース)もかなりよくできたなと思っていて。「Termination」での悩みながらの曲作りを「もうしたくねえ! ロックンロールだ!」みたいな感じでいったら、勢いよく曲が書けました。

──卓郎くんが悩んでいるのはほかのメンバーはどう見ていたんですか?

 心配はしつつも、歌詞に関して俺が言えることがほとんどないし、何をしてあげたらいいのかもわからなくて。アレンジ面とかでやることがいっぱいあって、そういうことばっかり考えちゃってましたね。

菅原 俺から「歌詞どうしたらいい?」ってみんなに聞けばよかったんですけど。それを言えないで閉じこもってて、悪循環に陥ってた部分はありますね。それがまずかったって気付いて、次作からオープンになってくるんですけど。

──和彦くんが初めて作曲したのも「VAMPIRE」からですよね。

2008年10月の2ndアルバム「VAMPIRE」リリース時。

中村 そうですね。「Termination」の頃はわからないこともたくさんあって。自分は曲を作ったことがないし、何もできない感じがあって。「よくわかんないけど、とりあえず曲を作ってみてもいいのかな」っていう、そんな感じでしたけどね。

──前に和彦くんと話しているときに、年下ということもあって、最初は3人に気を使う部分もあったと言っていて。そういう面でも、バンドメンバーとして対等な関係になっていったのもこのあたりからですか?

中村 そうですね。このあたりから遠慮なくツッコんでいく感じは出てきましたね。

2008年10月の2ndアルバム「VAMPIRE」リリース時。

──あと「VAMPIRE」まではいしわたり淳治さんがプロデュースしていましたね。

菅原 そうです。期間的には2年ちょっとなんですけど、ずいぶん長く一緒にいたような気がする。

──卓郎くんは作詞の面で学んだことも多いと思います。

菅原 そうですね。細かいところまでいろいろ学びました。あとは「もっとオープンに書いたらいい」とか「カッコいいことをカッコよく言おうよ」みたいなことを言われましたね。「俺しか言わないだろ」というようなことを言うとか。例えば「Black Market Blues」って、誰が言うんだそれって(笑)。

──サウンド面で、いしわたりさんが影響を与えてくれたところは?

 アレンジ面とギターに関しては、かなり勉強になりました。ギターも「もっと上(のフレット)を弾け」ってすごい言われて。「そんな上いっていいのか?」って思ってました(笑)。そこから、上で弾くことがめちゃくちゃ増えて。それまでは卓郎と同じパートを弾いたりするのが好きだったんですけど、分けたほうがいいんだなと。自分でも、そこで弾くのが9mmっぽいなって思うようになっていきましたね。

ニューシングル「Answer And Answer」 / 2013年5月29日発売 / EMI Records Japan
完全生産限定盤 [CD+DVD] / 1999円 / TOCT-45078
完全生産限定盤 [CD+DVD] / 1999円 / TOCT-45078
通常盤 [CD] / 1000円 / TOCT-45079
CD収録曲
  1. Answer And Answer
  2. Snow Plants
  3. Mr.Brainbuster
完全生産限定盤DVD収録内容
  • 9th Anniversary Live & Document From “39-Thank You-LIVE” 13.03.09 At Fuurin Kaikan
ニューアルバム「Dawning」 / 2013年6月26日発売 / EMI Records Japan
完全生産限定盤 [CD+DVD] / 4500円 / TOCT-29168
完全生産限定盤 [CD+DVD] / 4500円 / TOCT-29168
通常盤 [CD] / 2800円 / TOCT-29169
CD収録曲
  1. The Lightning
  2. Grasshopper
  3. Answer And Answer
  4. Zero Gravity
  5. シベリアンバード~涙の渡り鳥~
  6. Scarlet Shoes
  7. コスモス
  8. Wild West Mustang
  9. Starlight
  10. ハートに火をつけて(Album Ver.)
  11. Caution!!
  12. 黒い森の旅人
  13. The Silence
完全生産限定盤DVD収録内容

完全生産限定 全ビデオクリップ付 SPECIAL EDITION

  1. The World
  2. Discommunication
  3. Termination
  4. Supernova
  5. Wanderland
  6. Living Dying Message
  7. Vampiregirl
  8. Black Market Blues
  9. Cold Edge
  10. 命ノゼンマイ
  11. The Revolutionary
  12. キャンドルの灯を
  13. 新しい光
  14. カモメ
  15. ハートに火をつけて
  16. Answer And Answer
  17. 黒い森の旅人
9mm Parabellum Bullet
(きゅーみりぱらべらむばれっと)

2004年3月横浜にて結成。2枚のミニアルバムを残響レコードよりリリースした後、2007年10月に「Discommunication e.p.」で鮮烈なメジャーデビューを飾る。パンク、メタル、エモ、ハードコア、J-POPなどさまざまなジャンルを飲み込んだ音楽性と、激しいライブパフォーマンスで人気を博し、現在の音楽シーンを牽引するロックバンドの1組として支持されている。2009年9月9日には初の日本武道館公演「999(アット ブドウカン)」を開催し、1万1000人の観客を動員した。2011年6月には4thアルバム「Movement」を発表し、同月に横浜アリーナにてワンマンライブ「Movement YOKOHAMA」を開催。同公演の模様は、2012年4月に「actIV」としてDVDおよびBlu-rayでリリースされている。2012年6月にはMTVの人気企画「MTV Unplugged」に初出演。アコースティックによるステージの模様は、同年8月にDVD+CD作品として発表され話題を集めた。結成9周年を迎える2013年に入ってからは、5月29日に5thシングル「Answer And Answer」を発表。6月26日に5thアルバム「Dawning」のリリースを控えている。