パズルが再構築されていくような感じ
──プレゼントの音源から歌割りがけっこう変わっていますが、これはどういう観点で?
森田 やっすーに向けてのプレゼントと、7ORDERとして曲を披露するときの形、という違いですね。7ORDERの曲になったときの、僕らのスタイルはこれだなという。
真田 うん。実際にバンドで演奏することを考えたうえでの歌割りになってます。僕たちにはそれぞれ楽器のパートや、ボーカリストという立場があるので。シングルになった完成バージョンでは、やっさんも歌に加わっているしね。
──武道館の映像で萩谷さんは歌い出しについて「大役を任された」とおっしゃっていましたが、萩谷さんの歌い出しがこの曲をよりさわやかな印象にしているように感じました。
真田 確かに。
安井 ここは僕が提案しました。この曲、けっこうドラムが難しいんですよね。叩きながら歌うのはなかなか難しいし、萩ちゃんが一発目立つところが最初にあったらいいかなと思ったんです。あと、萩ちゃんのことはたぶん僕が一番小さい頃から知ってるので……そういうのもあり、この曲の歌い出しに萩ちゃんはハマりそうだなと思って「どうー?」みたいな。
萩谷 ぜひぜひという感じで。ありがとうございます(笑)。
安井 ドラマーから始まるってなんかいいよね。萩ちゃんの声は歌い出しに向いてるなと思います。
真田 わかる。安定感があるよね。今回は仮歌がプレゼントとして録った自分たちの声だったので、「ここからみんなどうやって歌っていくんだろう?」って、ディレクションしてるときにめっちゃ楽しみながら聴いてました。あえてプレゼントの音源と同じように歌う人もいれば、全体的な曲のニュアンスが変わったことで歌い方のアプローチを変える人もいて。パズルがまた1つひとつ再構築されていくような感じでした。
──日本武道館公演の前にYouTubeで公開された動画インタビューの中で森田さんが「7ORDER自体が安井だなと思う」ということをおっしゃっていたと思うんですが、その真意を可能な範囲でもうちょっと言葉にできたりしますか? その感覚って、この曲の内容ともちょっと関わっているような気がして……。
森田 えっ!
真田 「そんなこと言ったっけ?」みたいな顔してるけど(笑)。
萩谷 ちょっと大丈夫ですか?
阿部 詳しく聞かせていただきましょうか。
森田 えーっと、ヤスはリーダーというのもあるし。なんて言うんだろう、7人それぞれやりたいことや好きなものがそれぞれ違う中で、サッカーで例えるとキーパー的存在というか。7ORDERとしてみんなで何をやっていくのかというときに、着地を決めてくれる存在で。あと、フォワードの人とかいろんな人がいる中で、ヤスは7ORDERをチームとして機能させてるキャプテンでもあり……。
安井 (笑)。
萩谷 ごめん、ちょっとあんまりピンとこないかも(笑)。
真田 全部サッカーで例えるから(笑)。
諸星 1つ援軍を送るなら、謙ちゃんがキーパーだというのはわかるなって。僕は昔サッカーをやっていたんですけど、後ろで一番声を出して指示している人はキーパーなんです。で、最後の最後に自分たちを守らなきゃいけないのもキーパー。そういう意味で謙ちゃんはキーパーだし、キーパーがキャプテンというのが僕らのチームの形ですね。
森田 そういうこと!
真田 解決したね。
萩谷 めっちゃわかりやすい!
諸星 伊達にサッカーやってないから(笑)。
夏曲といえば……
──もう1つの表題曲「SUMMER様様」はORANGE RANGEのNAOTOさんが作編曲、HIROKIさんが作詞を手がけた陽気なサマーチューンです。いい意味で、すごい振り切り方ですね。
萩谷 自分たちだけではここまで振り切れないです(笑)。
安井 両A面シングルでほかのアーティストさんの方のお力を借りて、全然違う色のものを出すという。その楽曲の幅広さがいいなと思うし、僕はこういうところが7ORDERの面白さだなと感じています。
──今回どういう経緯でHIROKIさんとNAOTOさんに書いてもらうことになったんですか?
安井 みんなで話し合ってるときに、夏曲が欲しいという話が出たんだよね。両A面にしよう、というのは先に決まっていたんだっけ?
真田 そう。1曲は自分たちで作ったけど、もう1曲は新しいエッセンスが欲しいと話していたんです。それでほかのアーティストさんのお力も借りたいという話になったんですけど、いかんせん僕らはデビューしたばかりだから、横のつながりがないんですよね。「どなたにお願いするのがいいんだろう?」ってみんなで話し合って。
安井 「夏曲といえば、何聴いてた?」というところから始まったよね。
真田 僕らはメンバー間でけっこう年齢差もあるので、世代合わせみたいなことをしていたんですよ。僕はこの曲を聴いてて、最年少のながつ(長妻怜央)もこの曲を聴いてたから、じゃあここは一緒のアーティストを聴いてたね、というふうに。そういう話をしていく中で「僕らの世代って、夏にみんなORANGE RANGEさん聴いてたよね!」という会話になったんです。
安井 ORANGE RANGEさんかKARAさんでしたね!
──HIROKIさんとNAOTOさんには、どういうオーダーをしたんでしょう?
萩谷 リモートで打ち合わせをして、本当に素直な気持ちを伝えさせてもらいました。こういうのをずっと聴いてきて、こういうテイストの音楽が好きなんですって。
安井 「イケナイ太陽」とか、曲名を挙げさせてもらいつつ。
──出だしの「Na Na Na…」はまさに「イケナイ太陽」を彷彿とさせます。上がってきた楽曲の印象はいかがでしたか?
萩谷 「SUMMER様様」というワードにまず度肝を抜かれました。
阿部 めちゃくちゃパンチがありますよね。
──「SUMMER様様」はサックスが前面に出ている曲ですよね。
諸星 あっ、そうなんです。
真田 サックスをがっつり入れたいというのは、打ち合わせでお願いしましたね。フレーズも考えていただいて。
諸星 でもレコーディングのとき、出だしの「Na Na Na…」のところで「あそこ、ちょっとフリーで吹いてみてもらってもいいですか?」とスタッフさんに言われて。めちゃくちゃフリーで吹いたら、使われませんでした(笑)。
真田 「いいんだけど、ソロすぎるな」という話になっちゃったんだよね。
諸星 サックスってフリーをやらなきゃいけないんだなと改めて思って。「ここ、フリーでいって」と言われたら、「わかりました」って吹けるようにしないと、今後のレコーディングはダメだなと思いました。
安井 でも、モロ(諸星)はすごいよ。「LIFE」(2019年8月に7ORDERが舞台で初めて披露した、グループにとって始まりの曲)のサックスも、最近生配信でやったバージョンはまたちょっとアレンジが変わっていて。
真田 「27」のライブバージョンのサックスも、僕は「よろしく」と言っただけですからね。フレーズを考えて渡したわけじゃなく、「あとは頼んだ」って。
諸星 基本的には自分から「これどう?」って持っていく感じですね。
安井 今朝、モロと同じ車に乗って一緒にここまで来たんですけど、しゃべりながらチラッと隣を見たらモロの指がずっと動いていて。サックスの指の動きが日常に染み付いてるんですよ。しかも、今日は取材なのにサックスを持ってきていて。
真田 シングルのジャケット撮影のときも、合間にサックスを抱いて寝てたよね。
萩谷 今では携帯忘れるより、サックス持ち歩いてないほうが不安なんじゃないかなというくらい、ずっと持ってるよね。
安井 「キャプテン翼」の「ボールは友達」的な(笑)。
諸星 (笑)。「SUMMER様様」で自分の役目的にフリーで吹けるようにならないといけないなという新たな課題が見つかったので、がんばります!
「また来てくださいね」と言ってもらえたのがうれしかった
──7月から9月にかけて全国ツアー「7ORDER 武者修行TOUR ~NICE "TWO" MEET YOU~」が開催されます。どういうツアーになりそうですか?
安井 1stツアーは東京と大阪だけだったので、全国規模のツアーは初めてなんですよ。なので、初めましてという意味も込めつつ。
真田 僕らは北海道とかにライブで行ったことがないから、お客さんがいなかったらどうしようと思うんですよ。
諸星 ちょっとずつ規模を増やしていくんじゃなくて、今回ドーンって感じだもんね。
真田 そうそう。だから全国の人に顔を覚えてもらって、7ORDERを好きになってもらえたらうれしいなという思いはありますね。
安井 行ったことがないところに行くのって、やっぱり不安もあるんです。でも、めちゃくちゃビビってたときにスタッフさんに「いや、行かないと変わんないよ」と言われて、背中を押されたところもあります。
真田 この前「宗像フェス」(「宗像フェスオンライン〜Seven Fukuocarat〜」)に出演させてもらったんですけど、そのときに地元のスタッフさんから「また来てくださいね」と言ってもらえたのが、僕はすごくうれしかったんです。「そんなこと言ってくれるんだ」と思って。
萩谷 正直な話をすると、「宗像フェス」に出るのも最初は「大丈夫かな?」って怖かったんですよ。オンラインですけど、視聴者の方々には僕らのことを知らない人が多いでしょうし。
安井 知らないと思う。「誰?」って。
──これまで7ORDERが活動してきたフィールドとはちょっと違いますしね。
真田 はい。いろんなアーティストさんが出演されていて。
萩谷 出演する前は、そういうふうに僕らにはまだ早いんじゃないかなと思うところもあったんです。でも、こうして動いていくことで力が備わっていくんだなということを、初のフェス出演ですごく学びました。
──音楽ナタリーのTHE RAMPAGE・RIKUさんのコラムに対談ゲストで参加した阿部さんが「3年以内に達成したいのは東京ドームでの単独公演です。今はその目標に向かってがんばっています」とおっしゃっていましたが、これは7ORDERの皆さんで話し合って決めたことなんですか?(参照:THE RAMPAGE RIKUの「音楽大陸」 Vol.6(後編))
阿部 いや、話し合って決めたことではないですね。
真田 でも、みんなでごはんを食べてるときにたまにそういう話をするよね。
萩谷 うん。ごはんの席で夢を語っているときに出たことだと思います。「ドームに立ちたいよね」「何年で立ちたい?」という話になって、「5年」「いや、3年だよ」みたいな。その夢に追いつけるようにがんばっているところです。
安井 感覚としては、活動していくうえでの1つひとつのポイントみたいなものですかね。アリーナツアーもやりたいし、ドームもやりたいという、くさびみたいな目標。日本武道館もそのポイントの1つでした。まさかこんなに早くできるとは思っていなかったです。
──メジャーデビューを機に出た話ではないんですね。
萩谷 はい。前から持っていた気持ちです。
安井 それは変わってないよね。むしろメジャーデビューしたことによって、自分たちだけの世界じゃなくなって、ヤバいなという気持ちのほうが……。
──ヤバい?
安井 すごい人たちって世の中にいっぱいいるんですよ。軽々しくドームと言えないというか……軽々しく言ってるつもりはまったくないんですけど、人気になったからといって立てる場所じゃないんだなというのを最近改めて感じます。
萩谷 それは日本武道館に立たせてもらったときも思ったなあ。
安井 純粋に「ドームに立ちたい!」という自分たちの思いももちろんありながら、僕らがドームに立つというのは、ファンの人たちが観たい姿でもあるのかなという気持ちもあって。その姿を応援してくれてる人たちに見せたいし、それに見合う自分たちにならないといけないなと思ってます!
ツアー情報
- 7ORDER 武者修行TOUR ~NICE "TWO" MEET YOU~
-
- 2021年7月23日(金・祝) 広島県 東広島芸術文化ホール くらら 大ホール OPEN 17:00 / START 18:00
- 2021年7月31日(土) 宮城県 チームスマイル・仙台PIT [1st]OPEN 13:30 / START 14:30 [2nd]OPEN 17:30 / START 18:30
- 2021年8月9日(月・振休) 北海道 Zepp Sapporo [1st]OPEN 13:30 / START 14:30 [2nd]OPEN 17:30 / START 18:30
- 2021年8月18日(水) 愛知県 Zepp Nagoya [1st]OPEN 13:30 / START 14:30 [2nd]OPEN 17:30 / START 18:30
- 2021年8月20日(金) 東京都 Zepp Haneda(TOKYO) [1st]OPEN 13:30 / START 14:30 [2nd]OPEN 17:30 / START 18:30
- 2021年8月21日(土) 東京都 Zepp Haneda(TOKYO) [1st]OPEN 13:00 / START 14:00 [2nd]OPEN 17:00 / START 18:00
- 2021年8月27日(金) 東京都 チームスマイル・豊洲PIT OPEN 17:30 / START 18:30
- 2021年8月28日(土) 東京都 チームスマイル・豊洲PIT [1st]OPEN 13:00 / START 14:00 [2nd]OPEN 17:00 / START 18:00
- 2021年8月29日(日) 東京都 チームスマイル・豊洲PIT [1st]OPEN 12:00 / START 13:00 [2nd]OPEN 16:00 / START 17:00
- 2021年8月31日(火) 大阪府 Zepp Osaka Bayside [1st]OPEN 13:30 / START 14:30 [2nd]OPEN 17:30 / START 18:30
- 2021年9月2日(木) 福岡県 Zepp Fukuoka [1st]OPEN 13:30 / START 14:30 [2nd]OPEN 17:30 / START 18:30
長妻怜央 コメント
シングル「雨が始まりの合図 / SUMMER様様」の聴きどころ
「雨が始まりの合図」はサビの「泣くんじゃないよ神様だろ」っていうフレーズがすごく耳に残ります。
曲はさなぴー(真田)が作って、メンバーみんなで歌詞を書きました。
じっくり歌詞も楽しんでください!
「SUMMER様様」は、イントロからノリノリなところが好きです。
2番のBメロのみゅっさん(森田)が歌ってるところが僕のお気に入りです! MVでは、みゅっさんがいろいろ笑いどころを仕込んでいたので、ぜひ観てください!!笑
読者へのメッセージ
メンバーのみんなと一緒に取材したかったけど
今回は残念で、とても寂しいです。泣
7月から武者修行ライブツアーがあります。
お客さんと一緒に盛り上がれる曲がたくさんあるので楽しみです!!
喜んでもらえるようにたくさん準備するので、ぜひ遊びに来てください!
楽しい夏にしましょう!