ニートな自分を変えたくて
──持田さんは第2期の募集で、アイドル部の新入学希望者としてのエントリーでした。
持田 もともとはそんなにやる気がなかったんですよ。なんとなく応募しただけで、落ちてもいいやみたいな。アイドル部の募集というのもあまり考えずに受けたから、あとになって「えっ、踊るの?」って。合格してすぐにライブに出ることになって、なんとかがんばったんですけど、今思えば全然。
──持田さんも最初のライブで挫折して、そこからグッと人間味が増して面白くなった印象があります。
持田 なあなあで参加して、収録もただ座ってて……みたいな感じだったんですけど、がんばっているみんなを見ているうちに気持ちが変わってきました。LINE LIVEの配信とか、やれることをがんばってみたり、ダンスもみんなに追い付けるよう練習したり。
──川谷さんと頓知気さんは番組2年目、3期募集の合格者ですね。
川谷花音(アイドル部) 私はママに「単位が取れる」と嘘をつかれたんですよ。「高校だから単位取れるんじゃなーい?」って。
本多 軽いなー(笑)。お母さんもギャルだから。
チャーリー いいカード持ってんなー(笑)。
川谷 私はもともと芸能活動やってたんですけど、1回バーンとなって、そのあと仕事がなくなっちゃって。だから毎日生放送出れるなんておいしいじゃーんと思って応募しました。最初はただの仕事仲間だから友達とか作る気なかったし「信用できないでしょ」とか思ってたんですけど、なんか(メンバーを見回して)信用できる。本当の学校の友達よりも一緒にいる時間が長いから、家族の話とかもするし。
──頓知気さんはお姉さんがバラエティ番組でも活躍されている戦慄かなのさんということもあり、以前から知られた存在だったので、青春高校のオーディションに出てきたときは驚きました。
頓知気さきな(アイドル部) 活動はしていましたけどド地下でしたし、月に1回ぐらいのペースでしか活動していなかったんですよ。お姉ちゃんがテレビに出始めてから、アイドルとかに詳しい人が名前だけ知ってるみたいな状態にはなってましたけど、実際は大学に行くのも止めて家に引きこもっているだけのニートだったんです。自分1人では何もできなくて、この状況を変えたいと思っていて……。
女鹿 やめてよー。泣かないで。
頓知気 (涙を拭いながら)自分を変えたいと思い悩んでいたときに「こんなオーディションがあるよ」って話を聞いたんです。番組を観ていたわけではないし……みんなのキラキラしたオーラもちょっと苦手で、あまり乗り気ではなくて。でも「なんでもやってみよう」と思っていた時期だったので、応募してみたんです。受かったあとも人見知りだからずっとバリアを張っていました。
川谷 花音も最初は仲よくなれると思わなかった。
──ちょっと特殊な存在だったし、合格はしたものの、この中になじむのかな……と正直思ってたんですけど、なじみましたね。それは皆さんも感じます?
チャーリー 心を開いてくれているのは感じます。
日比野 入りたてのさきなちゃんは、いつも1人で本を読んでたんですよ。仲よくなりたくて話しかけたりしてたんですけど、すごいバリアを感じて(笑)。そんな感じだったのに、今はアイドル部のみんなから信頼される存在。
頓知気 もともとできた輪の中に入るって、しんどいじゃないですか(笑)。みんなにとってはこの場所がホームだからガツガツくるけど、その感じが無理すぎて。
チャーリー わかる……高校のときは俺もそうだったんで。
日比野 ガツガツ行ってた(笑)。
頓知気 学校帰りは直帰するタイプだったし、なじめる気はしてなかったんですけど、わりとなじめました(笑)。昔から私のことを知っている人に最近会うと「なんか生き生きしてるね」って驚かれます。
女鹿 今インスタで「親しい友達」に入れてくれてるの、密かにうれしい(笑)。
メジャーデビューに向けての変化
──2018年8月の文化祭が皆さんにとっての初ステージでしたが(参照:「青春高校」初の文化祭大成功、生徒の奮闘に佐久間Pも涙?三四郎はマリンバ絶賛)、もともと歌ったり踊ったりすることに興味なかった人もいますよね。人前で歌を歌うこと、ステージでパフォーマンスをすることは楽しいですか?
チャーリー お客さんの前でパフォーマンスすることが楽しいと知ったのは、青春高校での一番の収穫かもしれないです。
別所 やる前は嫌だったけど、そこでしか味わえない快感を一度味わっちゃうとやめられない。
河野 ステージで目の前にファンの人たちがいてくれるのはありがたいですね。普段はテレビ越し、画面越しなので、自分たちに興味を持ってくれている人たちが目の前にいるライブやスタジオ公演は楽しくてやりがいを感じられます。
チャーリー 最初の文化祭で突然やることになって、初めは嫌だなという気持ちが強かったけど、みんなで一致団結して……やりたくない人もいるし、でもやらなくちゃいけないしっていう、そこの気持ちの引き上げが最初の大きな壁でした。
──アイドル部は「TOKYO IDOL FESTIVAL」や「@JAM」など外部のイベントに部活単独で出演する機会も多いですね(参照:テレ東「青春高校3年C組」女子アイドル部、TIFのステージに立つ)。
持田 「TIF」に出られたのはうれしかったんですけど、いろんなアイドルさんがいる中で、私たちも同じアイドルの1組として見られるわけだし、みんなが私たちのことを知ってるわけではないという環境で歌うのはすごくプレッシャーがありました。「青春のスピード」という曲でセンターになって、初見の人にも一番見られるポジションだから、私次第で「青春高校ってこの程度なんだ」と思われてしまう責任も感じていて。でも、ほかの部活のみんなも応援に来てくれていて、すごく心強かったです。
──素人が生放送の現場に放り込まれる面白味というのも青春高校の魅力の1つだったと思うんです。でも文化祭や劇場公演などお客さんがお金を払って来るイベントではプロとしての仕事が要求される。プロになることが必ずしも皆さんにとってのゴールではないと思うんですけど、ついにはメジャーアーティストという、素人とは真逆の位置付けができて。
日比野 ずっと番組を観てくれていた人たちは、私たちが素人から少しずつ成長していく過程を楽しんでくれているけど、デビューしてさらに外に向かうとなったときに、視聴者じゃない人は初めからプロだという目線で入るわけで、そこの境目は確かに難しいなと感じています。素人ならではのよさは青春高校の魅力だと思うけど、デビューするうえではそれも言い訳になっちゃうし。
──昨年8月のデビューに向けてのキックオフライブは大成功と言える内容でした(参照:青春高校3年C組、メジャーデビューと旅立つメンバーの新たな門出にキックオフ)。デビューを視野に入れた活動も増え、去年の秋から番組も生放送ではなく収録に変わりましたよね。収録だと編集によって皆さんのいい部分が凝縮して伝えられる反面、生放送だからこその荒削りな魅力がなくなってしまった寂しさもあるんですよね。
日比野 収録になって、いろんな人にチャンスが増えたし、時間も気にせずやれるからいいなと思ってたんですけど、この間ひさびさに生放送をやったときはあの緊張感が懐かしくて、生放送っていいなと思っちゃいました。あと、生放送のときは毎日会えてたけど、今はなかなか会えなくなったので寂しいですね。
本多 収録の間隔が1週間以上空いちゃうと緊張しちゃうんですよ。
日比野 そうそう。あと時間の感覚がなくなっちゃう。わかる? この感じ。最近収録したのは2月の放送分だったりするんですよ。
チャーリー あー。放送を観ても「あのとき収録したやつか」って、視聴者の方と同じ時間を共有できていない感じはありますね。空いた時間で部活ユニットの練習に時間を割けるようにはなったので、クラス全員で集まる機会は少なくなったけど、部活同士の結束は前よりも強まっていると思います。
──メジャーデビューをすると聞かされたときはどう思いました? 単純に喜べました?
日比野 いや、なんの実感もなかったです。何をするのか、何が変わるのかがわからなかったから。
チャーリー 下積みがなさすぎるし、ゴールが見えない不安もある。不安しかなかったです。
持田 各部活が今の形になってからまだ1年も経ってないんですよ。普通はもっと下積みがあってデビューすると思うんですけど、自分たちはまだまだで。
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