04 Limited Sazabysが本日9月4日にニューシングル「SEED」を“缶パッケージ”でリリースした(参照:04 Limited Sazabys、明日発売ニューシングルは“缶”)。
この作品は、缶を購入すると特典としてCDとDVDが付属するという特殊な方式で発売されている。アルバム「SOIL」から約1年ぶりの発売となる「SEED」という作品名は、“SOIL(土壌)”で耕した土に“SEED(種)”を植えるという意味合いで付けられ、缶の中には“種”も封入されている。
本作にはスマートフォンゲームアプリ「ガンダムブレイカーモバイル」のCMソング「Puzzle」、ドラマ「TWO WEEKS」のオープニング曲「Montage」、NHKによるプロジェクト「アニ×パラ あなたのヒーローは誰ですか」第7弾“パラサイクリング”編のテーマ曲「Cycle」という3曲のタイアップソングを収録。今回のインタビューではメンバー4人に新曲の話はもちろん、サブスクリプションサービスが主流の時代にパッケージでリリースする意義について話を聞いた。さらに9月29日にさいたまスーパーアリーナで開催される「YON EXPO」の意気込みも語ってもらった。
取材・文 / 酒匂里奈 撮影 / 山川哲矢
チョコボールの“おもちゃの缶詰”
──まずニューシングル「SEED」の仕様について聞かせてください。この作品は特殊な形態でリリースされるそうですね。
GEN(B, Vo) はい。僕の案で、今回は缶の仕様にしました。缶の中には“種”も入っています。チョコボールの“おもちゃの缶詰”みたいな感じで、中におもちゃが入っている仕様がいいなと思いまして。収録曲名にもなっている“パズル”や小さいトートバッグなどが入っています。発売日当日に急いでCDを買ってくれる方って、一番熱いファンじゃないですか。どんな仕様かわからないドキドキ感を提供したり物としての価値を上げたりしたら、そういう子たちにより喜んでもらえるんじゃないかなと思いました。
KOUHEI(Dr, Cho) ただCDとして出すのって、一種のガラパゴス化じゃないですけど、代わり映えしない気がしていて。よくも悪くも人目につくことは大事なことだと思いますし。GENがいつもいろいろなことを考えているのはすごいなと思いますね。
RYU-TA(G, Cho) パッと見たときに「何これ?」となるだろうなと思います。手に取って、興味を持ってもらえることが大事だと思うので、「My HERO / 夕凪」(2018年3月リリースのシングル)のときもそうですし、「欲しい!」と思ってもらえそうだなと感じました。
HIROKAZ(G) 「Squall」(2017年8月リリースのシングル)のときもアートワークを一新して、お客さんにワクワクしてもらえるような形でしたけど、今回さらにお金や時間もかかっていて、こういうリリースのやり方を許してもらえるレコード会社にも感謝してますね。
サブスク世代がうらやましい
──「My HERO / 夕凪」は12cmCD、8cmCD、カセットテープ、アナログレコードの4形態で発売されていましたよね。パッケージでリリースされることに対してのこだわりはありますか?
GEN パッケージで買う意味というか、付加価値を付けたいと思っていて。僕自身も音楽はほとんどサブスクやYouTubeで聴いていますし、正直CDをあまり買わなくなってきているので。じゃあ音楽を聴くときのワクワク感みたいなものをどう表現すればいいんだろうと考えて、中に何が入っているかわからない仕様や、開ける楽しみがあるといいなと思ってわがままを言いました。
──GENさんがおっしゃっていた通り、近年はサブスクリプションサービスで音楽を聴くことが主流になりつつありますが、皆さんはサブスクに対してどんな印象を抱いていますか?
RYU-TA 昔はモノとして手に入るということが好きだったんですけど、今はそういう考えって古いのかなと思います。今もCDやレコードを集めるのは好きですけどね。
HIROKAZ わかるな。僕らとしては、CDを買ってくれる方はやっぱりすごくありがたいですし。
GEN 僕らはせいぜい月に1枚アルバムを買えるか買えないかだったよね。あまりピンときていない曲も「せっかく買ったから元を取らなきゃ」という感じで何回も聴いたりしていて。最初はあまり好きじゃなかった曲も、何回も聴いていると味が出てきて好きになるのはいいことですよね。
KOUHEI サブスクが世に出始めた頃は、「音楽の価値が無料みたいになっちゃうんじゃないかな」と不安になったことはあります。でも考え方を変えれば、誰でもたくさんのアーティストを知れるような時代になったと思うんです。アーティスト名は聴いたことあるけど曲を知らないという現象が昔よりは少なくなってるのかなって。名前を聞いたことがあるからとりあえず聴いてみようという手軽さはいいですよね。僕らも聴いてもらって判断してもらったほうが納得がいくし。なので今はそこまでマイナスイメージはないですね。自分も気になったアーティストがすぐに聴けるから、ライブに行ってみたいなと思うアーティストが出てきたりもしてますね。
RYU-TA 確かに音楽が身近にある感じがする。散歩しているときとかにも、CDプレイヤーを使わずに携帯で聴けるから、便利ですね。
HIROKAZ サブスクは、普段ライブには来ないようなお客さんにも手軽に聴いてもらえることがありがたいですね。名前が広がりやすくなった気がします。サブスクに新曲が出ていないバンドはCDショップに行かないと曲が聴けないけど、買いに行くのを面倒くさがられてあと回しにされるくらいだったら、サブスクで出したほうがいいなと思ったり。
GEN 今の若い世代の子は、たぶん音楽を聴くツールとしてサブスクから入ってる子もいると思うんです。すごいうらやましいなと思いますね。月額で聴き放題だし。でもそれによって、イントロから歌い出しまでがピンとこなかったら飛ばされちゃうこともある気がする。聴き方がカジュアルになっちゃったなとは思うんですけど、でもやっぱりうらやましいと思いますね。僕が一生懸命探していたレアな作品がサブスクに上がっていたりするので。
次のページ »
“広がる”と“日の丸”