04 Limited Sazabysが2年ぶりのフルアルバム「SOIL」を10月10日にリリースした。
東京・日本武道館公演や東名阪アリーナツアーの開催、テレビ朝日系「ミュージックステーション」を含めた地上波番組への出演など、大躍進の2年間を経て作られた本作。今年5月の愛知・日本ガイシホール公演でGEN(B, Vo)は「これまでは僕らがヒーローになるまでのストーリー。ここからはヒーローになった自分たちがどんなふうに戦っていくかを見ていてほしい」と話していた(参照:04 Limited Sazabys、念願ガイシホールでさらなる飛躍誓う)。ヒーローになった彼らが最初に発表するアルバムはどのような作品になったのか? メンバー4人にアルバムに収録された全12曲の解説をしてもらった。
取材・文 / 小林千絵 撮影 / 後藤壮太郎
10年間を詰め込んだ
──「SOIL」はアルバムとしては2年ぶりの作品になります。ずいぶん飛躍した2年を経て作られた1枚ですが、どんな作品になりましたか?
GEN(B, Vo) まず「『小さくまとまった』とか『置きにいってる』って思われたら嫌だな」と思ったので、がっつりバラードが入ってるとかそういうのではないよねって話をみんなでして作りました。どっちかと言うとメロディックパンク寄りにしたいなと思ってたんですけど、その通りになったかなと。
──確かに前作「eureka」が歌をじっくり聴かせる作品だったのに対して、今回はバラエティ豊かな印象を受けました。曲調で言うと、インディーズの頃の04 Limited Sazabysっぽさが強いですよね。
GEN そうですね。初期の僕らっぽさもあるし、最近の僕らっぽさも、さらに進化した部分もあって、結成してからの10年間の僕らが出てる気がします。
HIROKAZ(G) テンポ感的には速めの曲が多くて、そういう意味での僕ららしさもあるし、遊びもあるし、飽きないアルバムになっていると思います。
──今作は全体的にHIROKAZさんのギターのフレーズが耳に残りました。
HIROKAZ そうですね。ギターをレコーディングする段階だと、まだボーカルが入ってない状態なので、せっかくだったら自分が主張してみてもいいんじゃないかと思って、耳に残るフレーズを意識的に探しました。いつもなら手癖でいっちゃうところも変えてみたり。
──KOUHEIさんはいかがですか?
KOUHEI(Dr, Cho) 僕の中でやりたいことを全部やれた気がしていて、手応えはめちゃくちゃあります。GENが言ったように、昔の僕らから最近の僕らまで全部入っているし、僕個人では“僕の血をほぼ入れない”という新たな試みに「memory lane」で挑戦していて。血を入れないと言うか、普段は「このテンポ感だとライブで走っちゃうよ」とかそういう意見を言うんですけど、この曲はすべてGENに判断を委ねようと思って。
──それはなぜですか?
KOUHEI この曲はいわゆるポップパンクっぽい曲だと思うんですけど、ポップパンクって僕のルーツにはなくて、思いっきりそっちに振り切るんだったら、ルーツがある3人に任せてみようかなと。GENの中に強いビジョンがある感じもしたし。あと自分が引いたときに曲がどういうふうになるのか知りたかったのもあったので。そういう意味でもやりたいことが全部やれたって感じです。
──RYU-TAさんはいかがですか?
RYU-TA(G, Cho) これまでの作品の中で「SOIL」を一番聴いてる気がします。それこそ初期っぽい要素をひさしぶりに入れたからか、好きな曲がありすぎます。
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「SOIL」全曲解説