「ザ・ハイスクール ヒーローズ」スタッフ座談会 この夏一番熱い!ジャニーズJr. 美 少年主演の“本気の特撮”ドラマ|テレビ朝日 プロデューサー 服部宣之 / 脚本家 高橋悠也 / 監督 及川拓郎 / 東映 ゼネラルプロデューサー 塚田英明 / テレビ朝日 プロデューサー 井上千尋

普通ならメイキングは門外不出です(井上)

──TELASAではドラマの裏側を捉えたオリジナルスピンオフ番組「特撮 少年」も配信されますね。東映特撮作品のメイキングが公開されるのは、かなり珍しいのではないでしょうか。

服部 「真夏の少年」のときも 少年がいろいろなことに挑戦していくドキュメンタリーをお送りしました。今回は、合成はどうやっているの? ヒーロースーツはどうやって作るの?といった、特撮ドラマとしての「ザ・ハイスクール ヒーローズ」ができるまでの裏側を、 少年の目線で追いかけていく番組になっています。東映さんがよくぞここまで許してくれたなと思いますよ!

塚田 そうですね(笑)。

井上 普通なら門外不出ですからね。

及川 現場のメイキングとして、役者がブルーバック前で吊られる様子や、「同じポジションで10秒動くな!」と言われる様子なんかも観られます。

井上千尋

井上 子供たちの夢を壊してはいけないという理由から今までは踏み込めなかったところも、今回は踏み込んでいるんです。

服部 今回も決して夢を壊しているわけではなく、 少年の目線で、あくまでこの「ザ・ハイスクール ヒーローズ」という作品ができあがっていく過程を一緒に楽しむことができる作りになっています。

塚田 「特撮 少年」の中で岩﨑大昇くんが、ヒーローのデザインをした野中剛さんにインタビューしていたのですが、見事なインタビュアーっぷりでしたよ。「どういうときにヒーローが一番かっこよく見えるようにデザインしているんですか?」といったいい質問をしていたし、それに対する野中さんの返しも素晴らしかった。答えは配信を観てもらえればと思いますが、僕もなるほどと思いながら聞いていました(※同内容は「特撮 少年」#1「スーツの裏側」に収録)。

井上 普段なら絶対に見せないボツアイデアも全部出していますからね。

塚田 本当にいいのかな……このあとのチェックでなくなるかもしれません(笑)。

今クールで一番変わっていて、一番熱量のあるドラマを目指しました(服部)

──では今後の放送を楽しみにしている方や、これからTELASAで配信をご覧になる方々に向けて、最後にメッセージをいただけますか。

高橋 「エイトレンジャー」をはじめとしたジャニーズさん主演のドラマや、特撮作品を経験させていただき、幸運にも奇遇にも2つのジャンルの架け橋的な存在として今回携わることができました。そんなハイブリッドな僕としては、このドラマは、特撮作品やジャニーズ作品といったジャンルには収まらない作品だと自信を持っています。「特撮ドラマだから」「ジャニーズドラマだから」といった色眼鏡ではなく、まっさらな心で楽しんでいただけたらと思います。

及川 僕はこの作品を、ヒーローを信じ続けた青年といろいろなものを抱えた青年たちが、仲間になっていく青春ドラマだと思っています。そしてその青年たちがいかにヒーローになっていくかも描かれています。かっこいいアクションももちろんありますが、ちょっと懐かしさを感じるようなシーンもあったり、“やっつける”だけではない解決法が待っていたり、クスッと笑える部分もたくさん盛り込まれているので、楽しんでいただきたいです。

井上 僕は本作を、ひと味違った学園ドラマだと思っています。熱い教師が生徒を引っ張っていくのが学園ドラマの定番だとすれば、この作品はそのセオリーから外れている。頼れる大人のキャラクターが1人もいないんです。その結果すごく現代的なテーマになっていて、生徒たちが助け合い、どう自立して、どう自分の人生を切り開いていくかが描かれています。そんな観点からもご覧いただけたらと思っています。

服部宣之

塚田 特撮要員として呼ばれておいてなんですが、僕は今回 少年のファンになりました。皆さんすごく礼儀正しいし、ハイスペックだし、キャラクターに真摯に向き合っていい味わいを出している。みんなを引っ張っていくアカヒーロー役の大昇くんをはじめ、1人ずつちゃんと見せ場とドラマがあるので、最後まで観ていただければと思います。

服部 今クールで一番変わっていて、一番熱量のあるドラマを目指しました。こんなに暑い夏ですが、そんな中でも一番暑苦しいドラマにしたい。厳しい制約を抱えている今の世の中だからこそ、彼らの熱量や団結が響くのではないかと思っています。また今回も、1話ごとに成長していく 少年の姿が収められています。現実の社会では、大人がだらしなく、忖度ばかりで、みんなを助けるヒーローのいない時代。ドラマではありますが、そんな大人や社会に立ち向かっていく彼らヒーローの姿には、我々大人世代のほうが感じるものがあるかもしれません。

関智一 コメント

──「秘密戦隊ゴレンジャー」オタクの少年がヒーローになる本作。特撮作品好きでも知られる関さんですが、オファーを受けた際の心境を教えてください。

関さんはきっと気に入ってくれる内容ですとの前置きで、お話を頂きました。
はい、確かにw
台本を一読して、胸が熱くなるのを感じ関われる喜びを噛み締めました!

──これまでの特撮作品では印象的な悪役の声も多く担当されてきた関さん。今回は主人公の父であり、ヒーローアプリ開発者でもある役柄だと知っていかがでしたか? また、どんなことを意識して演じていますか?

主人公の今に繋がる、大切な出発点。
熱く、温かい気持ちが彼の心に届くように意識して演じました。

──今回アカレンジャーの声も担当されていますが、過去に「スーパーヒーロー大戦」などでもアカレンジャーに声を当てていらっしゃいましたね。関さんにとってアカレンジャー、そして「秘密戦隊ゴレンジャー」はどんな存在ですか?

当時3歳だった自分にとって、忘れることの出来ない作品です。毎日、ゴレンジャーごっこに明け暮れ、夕方にはアカレンジャーに扮して町内をパトロール。それをキッカケに芝居に興味を持ったように思います。そして役者としても原点になってるように思います。

──アカレンジャーの登場はもちろんですが、スタッフの布陣からも特撮面での“本気”を感じさせる本作。現場で、特撮要素に関して本作の“本気”を感じた瞬間や部分はありますか?

関わってるスタッフの多くが、本家の戦隊スタッフの皆さんですから、クオリティに関して期待が膨らみますよね、皆さん!
その期待、遥かに超えてきます!
一足先に1話の完パケを見せていただきましたが、めちゃくちゃエモい作品に仕上がってました!
特撮は勿論、ドラマ部分がまたグッときます!
是非観て頂きたいです!

(※コメント寄稿時は第1話放送前)

──劇中では、「何かを守りたい」という思いがヒーローへの変身の条件になります。関さんが絶対に守りたいものはなんですか?

約束の時間だけは守りたいです(笑)
大人になって久しいですが、未だに時間にルーズな所があるので(泣)

──「ザ・ハイスクールヒーローズ」の映像(PR映像など)をご覧になられての感想や、 少年をはじめとする共演者の印象についてお伺いできますか。

まだ岩﨑くんしかお会いしてないんですが、とても爽やかな方で、直ぐ好きになっちゃいました。
勿論、劇中の岩﨑くんも素敵です! ヒーロー物ですから、普段見慣れない方には突飛な設定に感じる点があるかもしれませんが、岩﨑くんのピュアで熱い眼差しがスッと物語の中に導いてくれますよ!

──視聴者の皆さまへメッセージをいただけますでしょうか。

この作品は、特撮ヒーロー物としては勿論、青春ドラマとしても楽しめます。是非是非ご覧下さい!

高橋悠也(タカハシユウヤ)
1978年2月1日生まれ、東京都出身。「エイトレンジャー」や「金田一少年の事件簿N(neo)」「ルパン三世」などの脚本を手がけ、「仮面ライダーエグゼイド」「仮面ライダーゼロワン」のメインライターも務める。2018年からアニメ「ドラえもん」の脚本にも参加した。
及川拓郎(オイカワタクロウ)
1978年8月18日生まれ、岩手県出身。「ボン・ボヤージュ!」「僕は友達が少ない」といった映画を監督し、ドラマ「刑事7人」「刑事ゼロ」シリーズなどの演出を担当した。2020年には 少年主演の「真夏の少年~19452020」を監督し、2021年にはドラマ「アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~」を手がけた。
塚田英明(ツカダヒデアキ)
1971年11月20日生まれ、埼玉県出身。一般向けドラマのプロデュースを経て「仮面ライダーアギト」に参加。「特捜戦隊デカレンジャー」をはじめ、「魔法戦隊マジレンジャー」「獣拳戦隊ゲキレンジャー」「仮面ライダーW」「仮面ライダーフォーゼ」「魔進戦隊キラメイジャー」を担当した。「科捜研の女」のプロデューサーとしても知られる。
服部宣之(ハットリノブユキ)
1976年5月11日生まれ、愛知県出身。東海テレビでドラマ「牡丹と薔薇」などの昼ドラに携わり、スペシャルドラマ「長生き競争!」で文化庁芸術祭優秀賞(テレビ部門・ドラマの部)などを受賞。テレビ朝日入社後は「やすらぎの郷」「トットちゃん!」「未解決の女」「セミオトコ」「M 愛すべき人がいて」「書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~」「泣くな研修医」などのプロデュースを手がけた。
井上千尋(イノウエチヒロ)
1972年12月5日生まれ、富山県出身。プロデューサーとして「京都地検の女」「女刑事みずき」「その男、副署長」「ホンボシ~心理捜査事件簿~」などを担当し、「手裏剣戦隊ニンニンジャー」からスーパー戦隊シリーズ、「仮面ライダービルド」から仮面ライダーシリーズのプロデューサーを務めている。2021年9月5日から放送される令和ライダー第3弾「仮面ライダーリバイス」にも名を連ねる。