「初情事まであと1時間」大九明子×趣里タイトル|今“距離”を感じながら生きる人たちへ贈る、12通りの恋と性の駆け引き

なんで今やるんですか?と思った(大九)

──人と人のふれあいをテーマにした作品ですが、コロナ禍の今、こういった作品と向き合うのは今までとはまた違った思いがあるのではないかと思います。

趣里

趣里 みんなで1つのものを作るということが当たり前じゃなくなってしまった世の中で、俳優として作品を作れるということに今まで以上に喜びを感じました。濃密な時間を描く作品を通して、改めてそう思ったんです。このお仕事は誰かのためになっているんだろうか?と悩むこともありましたが、お芝居を始めたばかりの頃に出会った大九さんと、この時期に一緒に作品を作れたことはとても大きなことでした。観てくださる方がいて、初めて成立するお仕事だと強く感じています。

大九 まず、セックスまでの1時間を描くという仕組みってすごく面白いじゃないですか。と同時に、なんで今やるんですか?と思ったんです。こんな大変な時期に、わざわざ。作品を観ている人が面白がってくれるよう、なんてことなく描かなきゃいけないけれど、その裏では大変な苦労が想定される。

今まで描いてきた作品の中でも人と人が触れ合うシーンはシナリオ上も演出上も慎重にやってきたんですが、今回は特に慎重になりました。体が触れるタイミングもその都度すごく考えて。そんな中、最初は “なんで今描くのか?”と思っていたものが、“今だからこそ”という強いメッセージ性のあるものに変化しているかもしれない。そういう作品に携わることができてうれしく思っています。

──4名の監督と俳優陣が贈るそれぞれの物語を、楽しみに待っている人も多くいると思います。

左から大九明子、趣里。

趣里 監督によってそれぞれカラーが違うのも見どころですよね。考えすぎず楽しんでいただけたらうれしいです。

大九 私もほかの監督の作品を観るのが楽しみです。今は、リモートでお仕事をしたり、なかなか実家に帰れないなど、距離を感じながら生きている人たちがたくさんいると思います。だからこそ、テレビの世界だけでも、濃密なセックスまでのドキドキ、そしてたわいない時間を楽しんでいただければと思います。

4人の監督がつづる十人十色の初情事

橋口亮輔が描く“あと1時間”

可笑しくて切ない、少しだけHな肩の凝らないドラマ

「心の容れ物」
「心の容れ物」

出演:工藤阿須加、臼田あさ美

オフ会で出会ったカスタムドール愛好家の聡と美智子は、ドールの話をするうちに少しずつ心が打ち解けていく。しかし、ホテルに入っても常に2人を見つめるドール。自分たちの「心の容れ物」に見つめられてプレイを開始するも……。

「鍋の中」
「鍋の中」

出演:細田佳央太、大友花恋

鍋を囲む、一方通行の恋をしている5人。部屋からは少しずつ人数が減っていく。いったい誰と誰がセックスをするのか? それぞれの思いが交錯する1時間。

橋口亮輔 コメント

一線で活躍する若手人気俳優から無名の役者までヴァラエティに富んだキャストとのお仕事を楽しみに撮影に臨みました。可笑しくて切ない、少しだけHな肩の凝らないドラマを目指しました。

三浦大輔が描く“あと1時間”

「初情事」をポップにエロく、描けたような気がしています

「初体験まであと1時間」
「初体験まであと1時間」

出演:萩原利久、木竜麻生

付き合って間もない大学生の香苗と隆司。数回のデートを経て、隆司は一人暮らしの香苗の部屋を訪れる。初めはどこかウキウキしていた2人だったが、部屋にあるベッドを見た瞬間、セックスの予感をひしひしと感じ出す。

「浮気の理屈」
「浮気の理屈」

出演:中尾明慶、さとうほなみ

5年間意識し合いながらもそれぞれパートナーがいるため、欲求を隠してきた浩二と智子。ある晩酔っ払った勢いでラブホテルに入った2人は自分たちの浮気を正当化するような都合のいい理屈を必死に考える。しかし、どうしても矛盾点が見つかってしまい……。

三浦大輔 コメント

橋口亮輔監督からお声掛け頂き、これはやらないわけにはいかないと二つ返事でOKしましたが、脚本執筆、撮影、編集、全てが時間との戦いになりました(苦笑)。厳しいスケジュールの中、素晴らしい演技をして下さったキャスト、そして、尽力して下さったスタッフの皆様にこの場をお借りして感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。自分らしい「初情事」をポップにエロく、描けたような気がしています。是非、ご覧下さい。

大九明子が描く“あと1時間”

こんな時代にセックスなんていう恐ろしいものに挑む二人を応援したい

「ビフォア」
「ビフォア」

出演:松雪泰子、大森南朋

親から継いだ酒屋を営む40代の上田と彼の幼なじみでこの店のパート・青木。いつも通りの配達の帰り道、会話の中で2人の過去が明らかになっていく。居心地のいい時間が流れ、どちらからともなくキスが始まり……。

「プラスマイナス、インタレスティング」
「プラスマイナス、インタレスティング」

出演:趣里、渡辺大知

不幸体質の月子と陽太のデートはいつも雨。雨宿りしている陽太はチャンスとばかりに「月子さんの家に行ってもいいかな」と切り出す。しかし月子からは予想だにしなかった言葉が飛び出す──「私とエッチしたら、死ぬかもよ」。

大九明子 コメント

人に触れるのも、触れられるのも、実際すごく難しい。それをこの1年、ウイルスに振り回されながら再認識している。こんな時代にセックスなんていう恐ろしいものに挑む二人を応援したい。だから今回ほど、描いたカップルたちの幸せを祈ったことはないかもしれない。おかげさまで、私史上初めて、この二人きっと一生別れないな、と思えるカップルも生み出すことができた。幸甚です。

谷口恒平が描く“あと1時間”

静止画なんかじゃ伝わらないエロさを、ドキドキしながら見守りたい

「姉と妹」
「姉と妹」

出演:望月歩、青山美郷、中田青渚

2人暮らしをしている大学生の姉・瑞穂とフリーターの妹・菜摘。ある日、瑞穂の彼氏・芳樹が突然の大雨により2人の家に泊まることになる。瑞穂がシャワーを浴びている間、積極的な菜摘は芳樹からまだ2人が体の関係を持っていないことを聞き出す。無邪気な菜摘に誘惑されるも瑞穂の気配を感じかわし続ける芳樹。いったい、芳樹と関係を持つのは……。

「決戦の金曜日」
「決戦の金曜日」

出演:岡本玲、ニシダ(ラランド)

映像制作会社の上司と不倫を続けながら満たされない思いを抱えている美織。彼女は後輩・啓太郎の好意を自覚しながら恒例となった会社飲みで不倫相手の愚痴を聞かせていた。美織の残業に付き合うたび、彼女の好きなシール付きチョコと使うことのないコンドームをコンビニで買う啓太郎だが……。

谷口恒平 コメント

ノッツさんによる「物語の最後に必ず初情事を迎える」という発明的なアイデア。そこから生まれた二次創作を、偉大な先輩監督達とともにお送りします! 私は一昨年、登場人物のほとんどがパンツを脱ぐピンク映画を監督しましたが、今回はテレビドラマで裸になるまでのエロスを描きます。キャプチャされた静止画なんかじゃ伝わらないエロさを、視聴者の皆さんと一緒にドキドキしながら見守りたいと思います。

さらにTELASA(テラサ)では地上波未放送の4話を配信予定!
続報に期待しよう