映画「太陽は動かない」特集|初共演の2人が語る“生きるか死ぬか”の物語

藤原竜也と竹内涼真が共演した映画「太陽は動かない」が、3月5日に全国公開を迎える。

本作は吉田修一のサスペンス小説を「海猿」「MOZU」シリーズで知られる羽住英一郎が実写化したノンストップサスペンス。心臓に爆弾を埋め込まれた秘密組織のエージェントが、24時間ごとに迫る死の危険を抱えながら、ある極秘情報の争奪戦に挑む。本特集では主人公の鷹野一彦を演じた藤原、その相棒で後輩の田岡亮一を演じた竹内の対談をセッティングした。初共演ながら「涼真」「竜也さん」と呼び合う事務所の先輩後輩という間柄の2人。世界を股にかけたスケールで展開する映画の魅力を語ってくれた。冒頭では、藤原が撮影現場をVRで捉えたメイキング映像を鑑賞。VR初体験という藤原の新鮮なリアクションにも注目してほしい。

取材・文 / 奥富敏晴 撮影 / 向後真孝

藤原竜也 VR初体験!

──今日は、ブルガリアでの海外ロケの様子を360°カメラで捉えたメイキング総集編をご覧いただきたくて、VRゴーグルをお持ちしました。

竹内涼真 車が目の前に飛んでくるあのすごい映像だ。

──竹内さんは一度ご覧になったと伺ったので、今回、藤原さんに観ていただこうと思いまして。

左からVRゴーグルを付ける藤原竜也、竹内涼真。

藤原竜也 (VRゴーグルを付けて)あ、再生されました。何これ? 今、ゲームでもこういうのあるよね。

竹内 もしかして竜也さん、VR初めてですか?

藤原 初めて!

竹内 これ、自分が向いた方向に画面も振れますよ。

──前も後ろも上も下も360°観ることができます。

藤原 (首を振って)え、うそでしょ。まじ。なんなのこれ? なんで、こういう映像が撮れるの? 超面白いわ。俺、取り残されてんな……(笑)。すぐ買いに行こ。どこで買えるんですか?

──家電量販店なら、ほとんどの店で購入できると思います。

竹内 一番、最新の最高級品買ってくださいよ。観てみたいです。

──ブルガリアでの撮影時、お二人はVRカメラの存在に気付いてました?

藤原 いや、まったく。

竹内 え、竜也さん知らなかったんですか? アクションシーンの撮影には必ず置いてありましたよ。360°で現場を観れるのは面白いです。

藤原 すごい。すごい映像だわ。

──田岡の見せ場である列車内でのアクションシーンのメイキングも収録されてます。

「太陽は動かない」より、竹内涼真演じる田岡亮一。

藤原 どう撮影してるの?というぐらいすごく迫力があったよね。こっちをハラハラさせるシーン。列車に乗り込んで、なぜか倉庫に鶏がいて。あそこの田岡の肉弾戦は非常に見応えがあった。

竹内 アクション練習も、あのシーンに一番時間を掛けました。いろいろ奇跡的なカットが撮れたと羽住さんも言ってましたね。いや大変でした。ぐったりしましたもん。

──メイキング総集編では、ほかにもカーチェイスや藤原さんの拷問シーンなど、さまざまな撮影の裏側をご覧いただけます。ぜひauスマートパスプレミアムの特設サイトでチェックしてみてください。

※お楽しみいただくには、動画再生に対応したスマートフォンおよび最新版のauスマートパスアプリが必要になります。

祭りが始まる現場の雰囲気(竹内)

──本作はブルガリア、インド、キューバ、香港など、世界を股にかけたスケールで展開する物語です。お二人ともこの規模のアクション大作は初めてですか?

藤原 こういった大作は、今までやってないと思います。ここまでやるのか……というすごいアクションの連続で驚きました。

竹内 そうですね。僕もここまでのアクションはやったことがないです。

藤原竜也

藤原 ほかの映画だったら一番盛り上がるシーンの撮影だなと思うシーンが連日ぶっ続け。ずっとクライマックス。こんなに盛りだくさんの映画で大丈夫なのか?という思いもありました(笑)。つらかったですけど、ブルガリアの地がそうさせたのかもしれない。撮り終えたときの達成感は毎日あって、今日、無事に撮影が終わったと思うと楽になりましたね。何気ない日常のシーンはなかったです。

──もっとも撮影がしんどかったシーンって覚えてますか?

竹内 もう全部ですね。これが一番とは決められない。ドラマ(WOWOW「連続ドラマW 太陽は動かない -THE ECLIPSE-」)と映画を並行して撮っていたので、毎日、大変な撮影があるんです。

──羽住監督の要望でアクションシーンの吹替スタントはなしと伺いました。どんなトレーニングを積まれたんでしょうか。

藤原 撮影の数カ月前からアクション部とそれぞれの細かいシーンの稽古を始めました。時間も掛けて何度も。でも、例えば(デイビッド・キム役のピョン・)ヨハンは、韓国にいるわけだから。彼とはブルガリアに行ってからでないと、実際に手合わせできない。だから、ずっと日本人のアクション部を相手にやっていて。現地に入ってから、初めて顔を合わせて練習しましたね。

──藤原さんはピョン・ヨハンさんから「兄貴」と慕われてるらしいですね。

「太陽は動かない」より、ピョン・ヨハン演じるデイビッド・キム。

藤原 すごくいいやつでね。涼真もヨハンもみんなでブルガリアでごはん食べたり、飲みに行ったり、仲良くしてもらいましたよ。本当に面白いやつで。いい出会いでした。

──鷹野とデイビッド・キムが中国の巨大エネルギー企業CNOX(シーノックス)の屋上で戦うシーンはとても見応えがありました。

藤原 彼が建設現場で履くような鉄板の靴を履いてるんですよ。リハーサルのキックで鉄板が当たって、骨が折れるんじゃないかと思ったの。ヨハンは本気でやってくるから、もう真っ青になっちゃって。裏で「頼むから、もうやめて」とお願いしてたシーンだから、ぜひ注目して観てほしい(笑)。

竹内 ここまでワンカットのために入念に準備をして、熱量をかけられる現場とチームがすごいですよね。羽住組は本当にかっこよくて「映画を撮ってる」という感覚を得られたのがすごくうれしかった。キツい撮影がいっぱいあるのに、みんなケラケラ笑って、これから祭りが始まるぞみたいな雰囲気に満ちている。だからこそ、トレーニングも欠かさずがんばって大変な撮影に負けないメンタルを作る。その期待に僕らは応えていかなきゃいけませんでした。