「さんかく窓の外側は夜」岡田将生×志尊淳×平手友梨奈インタビュー|ものづくりへの姿勢、目力、美しいもののはかなさを体現──俳優として“高まる”共演

自然と英莉可になれた(平手)

──劇中には除霊や呪いをかけるシーンでCGが印象的に使われていたり、俳優にとっては想像力を膨らませることが必要に思える場面がいくつもありました。皆さんは役に入るスイッチはありますか?

志尊 オンオフはそんなに意識していませんでしたが、眼鏡をかけると気持ちが切り替わりましたね。劇中でもかけるときと外すときの意図をすごく計算して作っていたんです。眼鏡は三角にとってキーとなるものでした。

岡田 僕は特になかったかもしれません。衣装を着て髪型を作って、現場に入ったら自然と冷川になっていた気がするんですよね。

平手 私もです。共感できる部分が多かったので、特に意識することはなく自然と英莉可になれました。

冷川がまーくんだったから、
三角として高まることができた(志尊)

──面と向かって語るのは気が引けるかもしれませんが、お互いの俳優としての魅力についても伺いたいです。

岡田将生

岡田 僕がてちをうらやましいと思うのは、目力。向き合ったときにすごく脳に残る目をしているんです。呪いをかけるシーンも本当に怖いですしね。僕にはできないから素敵だなと思います。本人はスイッチがないと言っていますが、英莉可が平手友梨奈に降りてきているんじゃないかと感じるほどでした。

志尊 てちはその瞬間に注ぎ込む集中力がすごいよね。ただ無理して傷だらけで生還してきたりするのでそこだけは心配。体を大事にしてほしいな。

──森ガキ監督も、平手さんの瞬発力や集中力を絶賛されていました。

岡田 「私のことを褒めないで」という顔をしている(笑)。

平手 どうしたらいいんだろう……。

志尊淳
平手友梨奈

──平手さんは志尊さんについてどう感じていらっしゃいますか?

志尊 ちょうだいちょうだい。

平手 どうやったらもっとバディ感が出るかを、監督や岡田さんとディスカッションしている姿をたびたび見ていて、ものづくりに対する姿勢を学ばせていただくことが多かったです。

──俳優として刺激をもらえるありがたい存在の先輩ですね。志尊さんが思う岡田さんのよさは?

志尊 冷川はまーくん以外にはできない役です。不気味さとファンタジー、生っぽさを共存させられているのは、まーくんが演じたからこそだと僕は考えていて。

岡田 (口パクで「俺が褒められている」と言いながらうれしそうな表情を見せる)

志尊 この作品において美しいもののはかなさを体現しているのは、まーくんの存在だと思うんです。冷川を自分に落とし込むのは相当大変なはずなのに、実写でやる意味も踏まえてバランスを取って演じていた。人間っぽさが垣間見える瞬間なんてぐっときますよね。過去を思い出して涙するくだりでは、それまでは表面的なところしか見えていなかった冷川の“奥の部分”に触れていけた気がして。冷川がまーくんだったから、僕は三角として高まることができたという気持ちがすごく強くあります。

岡田 (照れくさそうに)すごい……。

左から平手友梨奈、岡田将生、志尊淳。