高見沢俊彦が語る「コードギアス 復活のルルーシュ」|「復活って何!?」タカミーも驚いた新たな物語の始まり

2016年11月、10周年イベント「コードギアス 反逆のルルーシュ キセキのアニバーサリー」にて続編プロジェクトの始動が発表され、ファンの間に衝撃が走った。そこから2年余り、さまざまな予想合戦や議論が繰り広げられてきた完全新作映画「コードギアス 復活のルルーシュ」が、来る2月9日ついに封切られる。

ナタリーでは本作の公開を記念し、映画・お笑い・音楽・コミックとジャンルを横断して特集を展開していく。第1弾の映画ナタリーには「コードギアス」の魅力を自身のラジオ番組でも広めてきたTHE ALFEEの高見沢俊彦が登場。「復活って何!?」と驚きを隠しきれないタカミーが、出会いから新作への期待まで語り尽くす!

取材・文 / 金須晶子

ゼロの仮面をネットで買いました

──高見沢さんはご自身のラジオ番組「高見沢俊彦のロックばん」(TBSラジオ)で「コードタカミー!反逆の聞き間違い」というパロディコーナーをやられていたんですよね。「コードギアス」のこともたびたび話題にしていたとか。

「コードギアス 復活のルルーシュ」より、ゼロ。

そうそう。「コードギアス」にハマって、よくラジオで話していたんだよね。「観た? すごくない?」とか「マスク買っちゃったよ!」とかね。それでスタッフたちも「そんなに好きなら……」となって生まれたのが、あのコーナー(笑)。

──ゼロの仮面を買われたんですか!

ネットで見つけて思わずポチッとしましたね。それぐらいハマったなあ。

──DVD BOXも購入されたと聞きました。

かなり観ましたよ。曲作りに煮詰まったときDVDなどはよく観ますけど。「コードギアス」はかなり観たほうです。

──相当なハマりようですね。「コードギアス」との出会いについて教えていただけますか?

高見沢俊彦

もともとアニメが好きなので、気になるものは自分で観たり調べたりしていたんです。「コードギアス」はツアーで地方へ行ったときにアニメ展をやっていて、歴代のヒーローやアニメ作品が古いものから順に展示されている中、最後のほうに「コードギアス 反逆のルルーシュ」というコーナーがあるのを見つけて。そこで「なんだ、このタイトルは!?」と衝撃を受けたんです。

──確かに、タイトルだけではどんな話か想像がつきません。

例えばヒーローものにしても、古くは「月光仮面」とか。タイトルって多少はわかりやすさがあるものじゃないですか。でも「コードギアス」と言われてもさっぱりわからないし、いったい何に“反逆”するんだ?と。逆に興味が湧いたんです。ちょっと文学的な香りがするのもよかった。「誰がために鐘は鳴る」とか「怒りの葡萄」だったり、子供時代に兄貴や親父の本棚に並ぶ文学作品のタイトルに惹かれたりしてましたからね。

──興味を持ったきっかけはタイトルだったんですね。

気になって観てみたら、これがまた面白かった! 「神聖ブリタニア帝国」や「黒の騎士団」という1つひとつのネーミングもいい。それに今まで自分が感じてきたヒーロー観を覆された作品でもありました。主人公が悪役!?って(笑)。

普通はスザクが主人公になる

──主人公のルルーシュは復讐心がむき出しで、野望を実現させるためなら手段を選ばない。いわゆるアンチヒーローなキャラクターでした。

「コードギアス 反逆のルルーシュI 興道」より、ルルーシュ。

僕は子供時代にゴジラが好きで……今も好きですけど(笑)。やっぱり子供はダークヒーローに対する憧れがありますよね。そういう部分もリンクして、最後まで見入ってしまいました。

──ダークヒーローへの憧れは今もありますか?

根がいいヤツなんで、今はそれほどでもない(笑)。でも少年期はみんなあると思いますよ。自分にできないことに対する憧れが、心のどこかに。

──では「コードギアス」で好きなキャラクターは、やはりルルーシュでしょうか。

そうですね。ルルーシュがギアスの力を手に入れてからの変貌ぶりは痛快でした。自分を隠して生きて、権力者に上り詰めたかと思うと、悲劇が待っていたり。学園部分の喜劇との対比も面白い。

──未熟な部分もあってこそのルルーシュですよね。

そこが“スーパーヒーロー”なんだと思います。パーフェクトな主人公はあり得ない。どこか欠けていないと。だからルルーシュは観ている側が感情移入しやすいのかも。

──スザクについてはいかがですか? ルルーシュと親友同士でありながら対立するキャラクターです。

「コードギアス 復活のルルーシュ」より、スザク。

普通の物語はスザクが主人公になるわけですが、そうじゃないから「コードギアス」は面白い。子供時代に仲が良かったのに対立していく構図も、ありがちかもしれないけどうまく描かれていました。スザクにも感情移入できますね。でもやっぱりギアスを使えるようになってからのルルーシュが観ていて痛快です。どんどんやっちゃえ!という感じで(笑)。

──「コードギアス 反逆のルルーシュR2」(テレビシリーズ2期)の最終回を観たあと、ショックすぎて何日も立ち直れなかったという人が多くいます。高見沢さんが初めて観たときはいかがでしたか?

“ルルーシュロス”まで行きませんでしたが、結末には驚きました。確かにショックはショックですが、大長編小説を読み終えたような感覚になりましたね。トルストイの「戦争と平和」を中学生のときに読んで挫折したことがありました。でも高校生になってもう一度読み返して、なんとか読破したんです。そのときの感動に近いかな。もちろんアニメだからある程度のわかりやすさはありますが、文学作品もアニメも心に響く部分は同じ領域にあると思うので。「コードギアス」は物語の展開といい、結末の驚きといい、それに匹敵するものを感じました。


2019年2月5日更新