霊媒師がルルーシュをよみがえらせる?
──満を持しての新作映画「コードギアス 復活のルルーシュ」が2月9日に公開されます。新作の情報はご存知でしたか?
はい。ネットを見ていると、自分の好きなものは検索しなくても目に入って来ますから知っていました。だから今回も「え、復活って何? 生き返るの!?」ってびっくりしました。あれで完結ではなかったんですね!
──製作が発表されたときは、ネット上でも大きな反響がありました。
あれ以上ない終わり方でしたから。どうするんだろう。
──どうなると思いますか?
復活というからには……まさか霊媒師が出てきてルルーシュをよみがえらせるとか?(笑) だって「実は死んでませんでした」なんてことにはしないでしょ? でも本当に想像つかないなあ。楽しみです。
──新作に対してどのような期待をお持ちですか?
委ねたいと思います。僕も普段作る側だけど、観る人や読む人が「こうなってほしい」という展開にはしたくないんです。だから観る側としても裏切られたいというか。「こうあってほしい」ということも望まないですね。
──ファンだからこその思いですね。ちなみに、この新作は「コードギアス」の10周年イベントで発表されたんですよ。会場の熱気がすごかったです。
10年間ずっと「コードギアス」が愛され続けていたということですね。まあ、10年の間にもいろいろスピンオフ作品がありましたけど。「アキト」とか。あれも非常に面白かったなあ。
──「コードギアス 亡国のアキト」ですね。こちらも5作すべてご覧になったんですか?
そう、映画館に通ってね。今はシネコンで夜遅い時間もやっていますし、観たいものがあれば夜中でも行きますよ。「アキト」はヨーロッパが舞台で。昔ブルボン王朝あたりを研究していたことがあるんだけど、衣装やマントの形が好きだなと思いながら観ていました。実際の貴族たちはあんなにカッコよくないんだけどね(笑)。
「フランダースの犬」も「コードギアス」も悲劇だから心に残る
──長く愛されてきた「コードギアス」の魅力とはいったい何か、高見沢さんはどのように思われますか?
「コードギアス」はトラジディ(悲劇)の物語なんだよね。僕らの国民性もあるのかな、悲劇的な結末を迎えたものってずっと心に残っていると思うんです。古くは源義経から……ちょっと古すぎるか(笑)。「西郷どん」の最終回もそう。心に残りましたよね。
──悲しさが余韻を増幅させるのでしょうか。
そうですね。それに日本人の琴線に触れるものがあるのかもしれません。「フランダースの犬」も皆さん大好きですよね。ルーベンスの絵画の前でネロとパトラッシュが息絶えるラストが有名です。でもああいう悲劇的な話って海外であまりウケないようで。アメリカでは「フランダースの犬」の映画には結末が2パターンあって、ハッピーエンドで終わるバージョンもあるみたい。以前、ベルギーにあるアントワープの教会にも行ったことがありますが、あまりにも日本人観光客が多く訪れるから、そこのホーボーケンという場所に、ネロとパトラッシュの石像まで作られていますよ。義経の話然り、日本人はこういう物語への思い入れが強いのかもしれないです。あくまで私見ですけどね。
──悲劇だからいい作品というわけではないですが、「フランダースの犬」がハッピーエンドなのはちょっと違う気がしますね。
「コードギアス」も最後が悲劇的だから、何年もずっとファンの心に残っていたんでしょうね。「復活なんて何事だ!」と思う人もいるかもしれませんが、受け入れてほしいです。バンドの再結成と同じでファンはうれしいですからね。そう言えば新作も声優さんは変わらず同じ方々なんですか?
──はい、新キャラクター以外はおなじみのキャストです。
よかった! 絶対に変えちゃ駄目ですよね。声優さんの力はすごいから。
──アニメを観る際、声優についてもチェックされるんですか?
そこまで詳しくはないけど、マモ(宮野真守)のことはよく知っていますよ(※2人は「新ウルトラマン列伝」の主題歌でコラボレーションしたことがある)。たまたまアニメを観たら彼の声だったなんてこともよくあります。「GODZILLA」を観てもマモ、「亜人」を観てもマモだ!って(笑)。本当にいろいろ声を変えられるから、前に一度聞いたことがあるんです、「どうやってやるの?」って。そうしたら「恥を捨ててください」と言われました(笑)。「俺には無理!」と返したけど。声優さんはすごいです。
THE ALFEEのメンバーにギアスをかけるなら……
──「コードギアス」関連ではおなじみの質問ですが、高見沢さんがギアスの力を手に入れたらどんなことに使いますか? 例えばTHE ALFEEのお二人にギアスをかけるとしたら。
言えない、言えない! まあ悪いことには使いませんけど(笑)。そうだなあ……僕が遅刻しても怒らないでもらうとか?
──見逃してもらうギアスですね!
「全力で見逃せ!」ってね(笑)。でも例えギアスを使えても、やっぱりメンバーにはかけませんよ!
──それでは最後に、高見沢さんと同じく「コードギアス」の新作を待ちわびている仲間たちにメッセージをお願いします。
「復活のルルーシュ」ということで、僕もとても楽しみにしています。いろいろ思うこともあるかもしれませんが(笑)、復活を素直に受け止め、喜びましょう! そんな心構えで待ちたいと思います。
- 高見沢俊彦(タカミザワトシヒコ)
- THE ALFEEのリーダー、楽曲制作を担当。1974年にシングル「夏しぐれ」でデビューした。2018年12月に大阪国際女子マラソンイメージソングのコンプリートアルバム「Last Run!」をリリース。2019年には4月から6月にかけて全国ツアー「THE ALFEE 45th ANNIVERSARY BEST HIT ALFEE 2019 春の乱」を行う。ソロでの活動としては、Takamiy名義でのニューシングル「薔薇と月と太陽~The Legend of Versailles」を2018年7月にリリースした。また同年に高見澤俊彦名義で上梓した「音叉」で小説家デビューし、新作「秘める恋、守る愛」をオール讀物で不定期連載中。TBSラジオ「高見沢俊彦のロックばん」は毎週日曜の深夜に放送されている。
2019年2月5日更新