2019年にテレビアニメ放送20周年を迎えた「ONE PIECE」。この記念すべき年の8月9日、およそ3年ぶりの劇場版「ONE PIECE STAMPEDE（スタンピード）」が満を持して封切られる。本作の舞台は、海賊の海賊による海賊のための祭り“海賊万博”だ。陰謀渦巻くこの祭りに、海賊だけでなく、海軍、王下七武海、革命軍、CP-0の勢力が一堂に集結する。映画ナタリーでは本作の魅力を紐解く特集を展開。映画の見どころや劇場版オリジナルの敵キャラを解説する。また「ONE PIECE」の大ファンで主題歌「GONG」を書き下ろしたWANIMAのインタビューもチェックしてほしい。

文 / 奥富敏晴　取材（P2～3） / 小林望、奥富敏晴

尾田栄一郎による「ONE PIECE」は、週刊少年ジャンプで連載中の国民的マンガ作品。1997年の連載開始から、またたく間に人気を博し、テレビアニメは1999年に放送が開始された。以来、20年続くロングシリーズとなり、劇場版としては、現在も高い人気を誇る「ねじまき島の冒険」や「デッドエンドの冒険」、細田守を監督に起用した「オマツリ男爵と秘密の島」などが公開されてきた。1つの転機となったのが、映画10本目である2009年公開作「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」だ。尾田自ら製作総指揮として密接に関わり、ストーリーやクリーチャーデザインなども手がけた本作は、当時シリーズ史上最高の興行収入48億円を記録。それまで毎年発表されてきた劇場版だったが、その後は作品ごとに数年単位の充電期間を設けるように。そして2012年「ONE PIECE FILM Z」で68.7億円、2016年「ONE PIECE FILM GOLD」で51.8億円と立て続けに大ヒットを飛ばしてきた。

3年ぶりの新作、劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」は、尾田が「20周年という名目がなければぼくはこんな映画やらせません」と語るほど異例尽くしの1作。舞台は、海賊の、海賊による、海賊のための祭典“海賊万博”だ。目玉企画である海賊王ゴールド・ロジャーが遺した宝をめぐる大争奪戦に、麦わらの一味はもちろんのこと世界中から一旗揚げたい海賊が集結。最悪の世代と呼ばれる活きのいい若手のほか、アルビダ、はっちゃん、Mr.3、ワポルといったファンには懐かしのキャラクターも数多く姿を見せる。シリーズ史上最多200キャラ以上が登場し、まさにオールスター映画の様相を呈した。そして最強最悪の敵を前に海賊、王下七武海、海軍、革命軍、CP-0の垣根を超え、モンキー・D・ルフィ、トラファルガー・ロー、道化のバギー、ボア・ハンコック、スモーカー、サボ、ロブ・ルッチが共同戦線を張る！劇場版でしかあり得ない、まさかの共闘を見逃すな。

劇場版といえば、オリジナルの敵キャラクターも見どころの1つ。本作では、“世界最強”を自負するロジャー海賊団の元船員ダグラス・バレットがルフィたちの前に立ちはだかる。「“鬼”の跡目」の異名を持つバレットは、海底監獄インペルダウンの最下層LEVEL6から脱獄した超危険人物だ。あらゆるものを合体、変形させるガシャガシャの実の能力者であり、覇王色の覇気をその身に宿す。尾田自ら描いた設定画からは、クジラの形をした潜水艦や二足式の戦闘マシーンという生身とかけ離れたメカニカルな姿も確認できる。金獅子のシキ、黒腕のゼファーと同じロジャー世代と言える新たな怪物の圧倒的強さに戦慄すること間違いなし。また豪快なアフロヘアに葉巻をくゆらす海賊万博の主催者ブエナ・フェスタも登場。不敵な笑みを浮かべるその仮面の下には、“最悪の戦争仕掛け人”というもう1つの顔が。フェスタが仕組んだ恐怖のシナリオとは？旧世代の2人が新時代に殴り込みをかける。

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WANIMAが語る“ド真ん中”な主題歌「GONG」

「ONE PIECE STAMPEDE」: 2019年8月9日（金）全国ロードショー

ストーリー: 海賊の、海賊による、海賊のための祭典、その名も海賊万博。麦わらの一味をはじめ、世界中から集まった海賊の目的はただ1つ「海賊王の遺した宝探し」だ。その熱狂の裏には、“最悪の戦争仕掛け人”の異名を持つ主催者ブエナ・フェスタのある陰謀が潜んでいた。海賊を一網打尽にしようとスモーカーたち海軍の潜入捜査も動き出す。そして突如、元ロジャー海賊団の男ダグラス・バレットが乱入。ルフィたちの前に恐るべき脅威として現れ、事態の収束を図る海軍は大将、王下七武海を召集。さらに革命軍、CP-0も登場し、海賊万博は予測不能の大混乱へ陥っていく。