仲良くなれる魔法が居酒屋にはある(品川)
──第1話は無料で先行配信されますが、蝉川先生は完成した作品をご覧になっていかがでしたか?
蝉川 いい実写化だ、というのがまず一言ですね。
品川 うれしいですね……(ほほえむ)。
蝉川 いい原作だし、いいメディアミックスだけど、お互い価値を認め合えないという作品もある中で、「のぶ」は品川監督の気持ちがすごく伝わってくるんです。メディアミックスをした作品は私にとって娘や孫娘のような気持ちなんですが、ふとしたときに実家のお父さんやおじいちゃんのことを思い出して(原作に)帰ってきてくれるような、いいメディアミックスだと思います。
──蝉川先生はからあげの回(第1話)への思い入れが強いとおっしゃってましたね。
蝉川 本当にいい回でして、前に品川監督がおっしゃっていた「お笑いと料理は似ている」という言葉を思い出しました。一生懸命作って出したものを、喜んでもらうという点が似ているということですよね。あと、ベルトホルトが登場するシーンもとても好きで、すごくよく撮ってくださったなと思いました。
品川 ベルトホルトはもともとハンスやニコラウスと距離があって、「のぶ」に来たことで壁が取り払われたんじゃないかなと思ったので、原作を読んで感じたその雰囲気を表現できたかなと思います。
蝉川 一緒にごはんを食べるのはすごく大事なことですよね。
品川 そうですね、一気に仲良くなれる魔法が居酒屋にはあると思います。
──確かにそうですね。では最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
蝉川 おいしい物語をぜひご堪能いただきたいですね。ただ深夜の放送にもかかわらず、観たら絶対にお腹が空きますので、おつまみとお酒を用意して観ていただければなと思います。
品川 原作小説を読んだことない人に、ドラマをきっかけに読んでいただけるように広がっていけばいいなと思っています。それからシーズン2、映画化もして、蝉川先生をヨーロッパに連れて行くことができたらいいですね。
蝉川 ありがとうございます!(笑)
- 品川ヒロシ(シナガワヒロシ)
- 1972年4月26日生まれ、東京都出身。監督としての代表作は、自著を映画化した「ドロップ」「漫才ギャング」や、「サンブンノイチ」など。俳優としても活動し、ドラマ「顔」「ガリレオ」、映画「容疑者Xの献身」「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」などに出演した。
- 蝉川夏哉(セミカワナツヤ)
- 1983年4月22日生まれ 、大阪府出身。2012年に「邪神に転生したら配下の魔王軍がさっそく滅亡しそうなんだが、どうすればいいんだろうか」でデビュー。2014年には「異世界居酒屋『のぶ』」が第2回「なろうコン大賞」を受賞。同シリーズは「ヤングエース」でマンガ化され、2018年には「異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~」としてアニメ化された。
日本の居酒屋ではありふれたメニューでも、異世界の住人には未知の味わい。
居酒屋「のぶ」に登場する料理を、ほんの少しだけ紹介しよう。