「二ノ国」宮野真守×梶裕貴×津田健次郎|ファンタジー映画の真骨頂、絡み合う2つの国のドラマ

梶くん、二ノ国の住人なんじゃない?(津田)

──劇中でご自身が演じたキャラクターで印象深いセリフはありますか?

津田健次郎

津田 僕は「愛する者を守るためにほかの者の命を奪う。それが戦争だ」ですね。いいセリフだなと思って。

 いい声すぎる……。僕は「これより姫の体に残る邪気を払うため、清めの湖に向けて、出航ー!」かな。

津田 かーわーいいー。梶くん、二ノ国の住人なんじゃない?

 それ“朝のやつ”(梶が2019年8月度のエンタメプレゼンターを担当している「めざましテレビ」)じゃないですか!

──このセリフを選んだ理由は?

「二ノ国」

 はい!(声が裏返る) あ……思わずダンパが出てしまいました(笑)。えっと、ダンパがアーシャ姫やユウと船に乗るシーンがあるのですが、その場面の「出航ー!」というセリフが非常にエネルギーに満ちているように感じられて印象的だったんです。

──なるほど。宮野さんはいかがでしょう。

宮野 (寸劇風に動きを交えながら)なぜ……。

津田 なんでこのセリフをチョイスしたの?

 「なぜ……」って、こっちが言いたいですよ(笑)。

宮野 このシーンにはもともと別のセリフがあったんです。けれどいろいろあってそれをなくすことになって。そこで「なぜ」だけ言うのはどうですか?と僕が提案したら採用されて、口の動きも作っていただいたんですよ。ほーらいい話!

 すごい! 裏話ですね。

──そうなんですね。山﨑さん、新田さん、永野さんの3人は、アニメ作品のアフレコが初めてだったそうですが。

宮野真守

宮野 梶くんは(山﨑と)仲良しだもんね。

 はい。賢人とはすごく仲良くさせてもらっていて、収録前にも相談をしてくれたり。僕が偉そうなこと言える立場ではありませんが……。

宮野 いやいや、声優界の貴公子じゃないですか。

 それも“朝のやつ”ですよね!?

津田 貴公子なの?

宮野 まあ僕はプリンスなのですが。カイザーもいますけどね。(津田は)皇帝と書いてカイザーですよね。

津田 本当に? 称号もらえるんだ(笑)。

梶裕貴

 賢人はもともと実写作品で活躍している俳優さんなので、声のお芝居だからどうというよりも、普段と同じく心を動かして、思ったようにお芝居するのが素敵なんじゃないかと話しました。そのあと、一度だけ賢人のアフレコに立ち会えたのですが、まさに心も体も動かして全力でぶつかっていました。百瀬義行監督や製作総指揮の日野晃博さんに演出を受けながら真摯に挑んでいく姿は本当にかっこよかったです。

少年たちがしっかり選択する姿が力強い(宮野)

──「二ノ国」の物語の魅力はどんなところにあると感じましたか。

左から梶裕貴、宮野真守、津田健次郎。

 “一ノ国”と“二ノ国”があって、それぞれの国のドラマがどう絡み合っていくかが、この映画の一番大きな魅力です。青春とファンタジーがうまいバランスで描かれていますし、人生と同じで山あり谷ありの一筋縄ではいかない展開にドキドキワクワクしていただけるのでは。

津田 リアルとファンタジー、2つの国の行き来というのが、やっぱり見どころですよね。ヘビーな描写やとっても楽しいシーン、個性豊かなキャラクターなどいろんな魅力があるので、どんな人が観ていただいても楽しめる部分があると思います。

宮野 僕は少年たちがショッキングな出来事に立ち向かっていくさまにハッとして、命について考えさせられました。映画のキャッチコピーでもある「命を選べ」ほど壮大ではないにしろ、僕らもたくさんの選択をしながら生きていかなければならないですよね。この作品ではその選択がきれいごととして描かれていないし、1人ひとりがしっかり選んでいく姿が力強かったです。

──ちなみに劇中のユウとハルの選択についてはどう思いましたか?

「二ノ国」より、ハル(左)とユウ(右)。

津田 どちらの立場も心情もわかります。(ネタバレを避けようとすると)答えがざっくりしちゃうね?

宮野 ボタンの掛け違いなんですよね。どの立場で何を受け取って……そうやって道が決まっていく。ハルとユウの思いもそれぞれがまっすぐで強いので、だからこそぶつかってしまうんだなと感じました。

 親友だからこその衝突が描かれていますよね。何か1つ選択を間違えると、バランスは変わってしまう。それでも大事なのは、何を信じてどう行動するかに尽きるんだなと思いました。

──最後に、本編をご覧になっていち観客として惹かれたシーンについても教えてください。

津田 僕はユウとハルが二ノ国で目覚めた瞬間! 世界が一気にわーっと広がるのが、まさにファンタジー映画の真骨頂という感じがしてワクワクしました。ああいうファンタジー的な表現が大好きなんです。

 わかります! シリアスな展開も多いですが、先ほどお話したような船が出航するシーンや酒場のシーンなど、活気があってエネルギーにあふれた場面もいっぱい。映像に久石譲さんの音楽が重なると、さらに世界が広がる感じがして感動しました。

「二ノ国」

宮野 いいね! (アーシャが清めの湖に入る場面のカットを指さして)このシーンきれいだった。 アーシャがかわいかったな。

津田 (深くうなずきながら)いいシーンだったよね。ファンタジーはいいよねえ……。夢があるよ。

宮野 水と空の表現も素敵でした。

津田 うんうん。劇場で観たいよね。

 ぜひ大きなスクリーンでご覧いただきたいですよね。

音楽ナタリー 「二ノ国」主題歌担当 須田景凪インタビュー
「二ノ国」
2019年8月23日(金)全国公開
ストーリー

頭脳明晰で秀才のユウ、バスケ部の人気者のハル、ハルの恋人コトナの3人は幼なじみ。ある日、何者かに突然襲われたコトナを助けようとしたユウとハルは、現実世界と並行する魔法世界“二ノ国”へ引き込まれる。命がつながった“もう1人の自分”がいるその世界で、ユウはコトナにそっくりな少女・アーシャ姫と出会い、次第に惹かれていく。しかし、二ノ国には「コトナの命を救うにはアーシャの命を奪わなければいけない」という残酷なルールがあった。コトナを救いたいハル、そしてアーシャを守りたいユウ。彼らは、“大切な人の命”を懸けた究極の選択を迫られる……。

スタッフ

製作総指揮 / 原案・脚本:日野晃博

監督:百瀬義行

音楽:久石譲

主題歌:須田景凪「MOIL」(Warner MUSIC JAPAN / unBORDE)

キャスト

ユウ:山﨑賢人

ハル:新田真剣佑

コトナ / アーシャ:永野芽郁

ヨキ:宮野真守

サキ / ヴェルサ:坂本真綾

ダンパ:梶裕貴

ガバラス:津田健次郎

バルトン:山寺宏一

フランダー王:伊武雅刀

お爺さん:ムロツヨシ

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宮野真守(ミヤノマモル)
6月8日生まれ、埼玉県出身。7歳から子役として活動を始め、声優のほかには俳優やアーティストなど幅広いフィールドで活動。主なアニメ出演作に「亜人」「STEINS;GATE」「うたの☆プリンスさまっ♪」「文豪ストレイドッグス」などがある。
梶裕貴(カジユウキ)
9月3日生まれ、東京都出身。2004年に声優デビュー。アニメ、ゲーム、ナレーション、洋画吹替、舞台などで活躍。代表作はアニメ「進撃の巨人」のエレン・イェーガー役、「七つの大罪」のメリオダス役ほか多数。2019年10月から放送開始の「PSYCHO-PASS サイコパス 3」では主人公の慎導灼役、「あひるの空」では主人公・車谷空役などを演じる。
津田健次郎(ツダケンジロウ)
6月11日生まれ、大阪府出身。主な出演作は「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」シリーズ、「ACCA13区監察課」「ゴールデンカムイ」など。洋画の吹替では「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」「ブラックパンサー」ほかに参加した。「無限の住人-IMMORTAL-」「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」の配信・放送が控えている。