「二ノ国」宮野真守×梶裕貴×津田健次郎|ファンタジー映画の真骨頂、絡み合う2つの国のドラマ

劇場アニメーション作品「二ノ国」が、8月23日に公開された。

本作は、もう1人の自分が存在する世界“二ノ国”に迷い込んでしまった高校生ユウとハルの冒険を描く青春ファンタジー。山﨑賢人が心優しい秀才ユウ、新田真剣佑がユウの親友ハル、そして永野芽郁がユウとハルの幼なじみであるコトナと二ノ国のアーシャ姫に声を当てた。

映画ナタリーでは、二ノ国・エスタバニア王国の魔法宰相であるヨキ役の宮野真守、アーシャ姫の世話をする妖精・ダンパ役の梶裕貴、そしてエスタバニア王国の征服をたくらむ黒旗軍の最高指導者・ガバラス役を務めた津田健次郎の鼎談をセッティング。自身が演じたキャラクターについてやお互いの魅力、少年たちが劇中で行った“選択”への思いなどを語ってもらった。

取材・文 / 秋葉萌実 撮影 / 須田卓馬

言えない言えない、なんにも言えない!(宮野)

──まずはご自身が演じたキャラクターについて教えてください。

津田健次郎 説明が難しいんだよね(笑)。

「二ノ国」より、梶裕貴が声を当てたダンパ。

梶裕貴 ですよね(笑)。じゃあ僕がつないでおきます。ダンパはファンタジー作品の登場人物らしい、かわいらしい容姿の妖精ですが、実は中身は意外としっかりとしているんです。アーシャ姫の教育係なので、周囲から非常に頼りにされているキャラクター。外見のサイズ感や雰囲気に合った声質で演じさせていただきましたが、彼が任されている立場の重みも出るように意識しました。

宮野真守 僕が演じたヨキは、本編をご覧になった通りです(笑)。

 それ、アリですか!?

宮野 言えない言えない、なんにも言えない! ……どうしましょうか?

津田 (作品の資料を指さして)ここに書いてある役柄しか言えないよね。

宮野 そうですね。エスタバニア王国の魔法宰相で、すごく強い思いを秘めているキャラクター。僕はその思いにまっすぐ向かって演じました。ガバラスは逆に言えることもあるんじゃないですか? 目的のために手段を選ばないとか。

津田 確かに。うまいこと言ったね。僕が声を当てたガバラスはエスタバニア王国と敵対する黒旗軍の指導者。信念を持った強い男です。

宮野 (端的に表現できて)いいな。

 かっこいいですね。ダンパはあまり物語の大筋に絡んでいないから……。

宮野津田 そんなことないよ!

それぞれの真骨頂が詰まっている(梶)

──皆さんはこれまでもたくさんの作品で共演されていますね。今回、ほかのお二人の演技について新たに発見した魅力はありますか?

宮野真守

宮野 ありますよそりゃあ!

津田 それはありますね。

 (笑)

──梶さん、笑っていらっしゃいますが……。

 いや、2人ともなかなか魅力を言わないなと思いまして……。

津田 俺も同じことを思ってた(笑)。

宮野 いやあもう、ダンパはめちゃくちゃかわいかった。僕がアフレコをしたときには(山﨑賢人、新田真剣佑、永野芽郁演じる)主人公3人のまっすぐなボイスと、ダンパの声が入っていたんです。それで「知っている人だー!!」と思って。

 あはははは。

宮野 知っている人の声なんだけど、梶くんは今回こういう方向性でいくんだなと彼なりの作品への攻め方も感じられてすごく感心しましたし、面白かった。あとかわいかった。

梶裕貴

 今回のお二人のお声やお芝居はどちらかというと新しさというよりも、それぞれの真骨頂が詰まっているなという感覚です。僕は皆さんよりも収録のタイミングが早かったので自分の中で皆さんのお声を想像しながら演じていたのですが、完成した作品を観たときには、やっぱり「これこれ、これだ!」と思いましたね。

津田 ありがとう。梶くんがダンパのようなキャラクターをできるのは知っていたんですが、最近はわりと大人っぽいキャラクターの演技が多い気がしていて。

 そうかもしれませんね。

津田 今回梶くんの声を聴きながら収録をしたら、そういえばこんなお芝居もできる人だったな、超かわいい!と思いました。ファンタジーの世界にばっちりハマッていましたしね。マモ(宮野)も本当に頼もしいマモでした。

宮野 あっ、そういえば思い出しました。制作上の都合でリテイク(録り直し)があったので、僕は収録の後半は津田さんのガバラスの声を聴きながら演じられたんですよ。

 (ガバラスの声を聴きながら演じることは)大事ですよね。

宮野 そうそう。やっぱり津田さんは存在感が違うなと。この間のイベントで芽郁ちゃんが「いい声ー!!」と言っていましたが、そりゃそうなるよねと思いました。

一同 (笑)

 僕も一緒に「うわあ、いい声」ってなりましたもん。何回聴いてもそう感じます。

宮野 あらためて、ダントツ(の美声)だなって。作品の中の演技だけでなく、イベントでもそれが感じられてすごいなあ。

津田健次郎

津田 いやいや、付き合い長いのに!

──宮野さんのお話にも出たジャパンプレミアでは、津田さんが話し始めると客席がざわついていました(参照:山崎賢人、なりたいのは鳥人間?宮野真守は「“二ノ国の新田真剣佑”は俺に任せて」)。

宮野 (津田に向かって)ほら!

 そうですよねえ。だって、普段生きていてこんなにいい声を聴く機会はあまりないですもんね? やっぱり声優さんってすごいんだな(笑)。

「二ノ国」
2019年8月23日(金)全国公開
ストーリー

頭脳明晰で秀才のユウ、バスケ部の人気者のハル、ハルの恋人コトナの3人は幼なじみ。ある日、何者かに突然襲われたコトナを助けようとしたユウとハルは、現実世界と並行する魔法世界“二ノ国”へ引き込まれる。命がつながった“もう1人の自分”がいるその世界で、ユウはコトナにそっくりな少女・アーシャ姫と出会い、次第に惹かれていく。しかし、二ノ国には「コトナの命を救うにはアーシャの命を奪わなければいけない」という残酷なルールがあった。コトナを救いたいハル、そしてアーシャを守りたいユウ。彼らは、“大切な人の命”を懸けた究極の選択を迫られる……。

スタッフ

製作総指揮 / 原案・脚本:日野晃博

監督:百瀬義行

音楽:久石譲

主題歌:須田景凪「MOIL」(Warner MUSIC JAPAN / unBORDE)

キャスト

ユウ:山﨑賢人

ハル:新田真剣佑

コトナ / アーシャ:永野芽郁

ヨキ:宮野真守

サキ / ヴェルサ:坂本真綾

ダンパ:梶裕貴

ガバラス:津田健次郎

バルトン:山寺宏一

フランダー王:伊武雅刀

お爺さん:ムロツヨシ

ビデオパスなら映画・ドラマ・アニメが見放題。
ビデオパス会員なら劇場鑑賞料金割引サービスも!

ビデオパスとは

「ビデオパス」は映画(洋画・邦画)やドラマ、アニメなどさまざまなジャンルの映像作品を視聴できる動画配信サービス。
最新のレンタル作品や月額562円(税抜)の見放題プランに加え、会員登録不要の無料作品もご用意。
見放題プランは、毎月もらえる「ビデオコイン」を使って追加料金なしで毎月1本の最新作品を視聴でき、初回登録時には30日間無料でお試し視聴できる。さらに劇場鑑賞料金が最大700円引きとなるお得なサービスも。

ビデオパス会員特典!劇場鑑賞料金割引の詳細はコチラ!(auスマートパス・auスマートパスプレミアムも対象)

TOHOシネマズ

auマンデイ

ユナイテッド・シネマ / シネプレックス

auシネマ割
宮野真守(ミヤノマモル)
6月8日生まれ、埼玉県出身。7歳から子役として活動を始め、声優のほかには俳優やアーティストなど幅広いフィールドで活動。主なアニメ出演作に「亜人」「STEINS;GATE」「うたの☆プリンスさまっ♪」「文豪ストレイドッグス」などがある。
梶裕貴(カジユウキ)
9月3日生まれ、東京都出身。2004年に声優デビュー。アニメ、ゲーム、ナレーション、洋画吹替、舞台などで活躍。代表作はアニメ「進撃の巨人」のエレン・イェーガー役、「七つの大罪」のメリオダス役ほか多数。2019年10月から放送開始の「PSYCHO-PASS サイコパス 3」では主人公の慎導灼役、「あひるの空」では主人公・車谷空役などを演じる。
津田健次郎(ツダケンジロウ)
6月11日生まれ、大阪府出身。主な出演作は「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」シリーズ、「ACCA13区監察課」「ゴールデンカムイ」など。洋画の吹替では「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」「ブラックパンサー」ほかに参加した。「無限の住人-IMMORTAL-」「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」の配信・放送が控えている。