「Life 線上の僕ら」白洲迅×楽駆|人を好きになることの大切さを描く、純粋なラブストーリー

奇跡的なシーンになりました(白洲)

──たくさんあるとは思いますが、それぞれが考える相手のベストシーンについても聞かせてください。

楽駆 晃が家族の前で「普通ってなんだよ?」と言うシーンが純粋にいいなと思いました。晃のお母さんは彼女なりに苦労してきたからこそ、自分が思う幸せな人生を晃に送ってほしいと考えている。でも晃自身は、好きな人と一緒にいたいという強い思いがあって……。葛藤が丁寧に表現されていて好きです。

「Life 線上の僕ら」ディレクターズカット版

白洲 僕はやっぱり「砂漠で黄金発見」。あれは晃としてはものすごく大事なシーンでした。夕希があまりに素敵で、自分が輝けていないのをわかっている晃にはまぶしくて目を背けたくなってしまう。好きすぎて失うのが怖いから自分から手放すという、彼にとっては究極とも言えるくらい葛藤する場面ですね。

──確かに、晃の視点で見ると苦しい場面ですね。あの海辺でのシーンは風景の美しさもあいまってとても印象深いです。撮影は時間との勝負だったのでは?

楽駆 本当にきれいでしたよね。朝早くからスタッフの方々が準備をしてくださって。美しい風景は一瞬だったので、その一瞬にどう収めようかと緊張感がありました。

白洲 いい具合に雲がかからず、陽が出てくれたんです。楽駆の表情もとてもよくて奇跡的なシーンになりました。

楽駆 朝日のおかげです(笑)。

作品を通して夕希に救われた(楽駆)

──ドラマは全4話構成だったので、「もっと観たい」という声がファンから多くありました。劇場上映されるディレクターズカット版では82歳までの2人の人生が描かれますね。お二人はあのエンディングをどう受け止めましたか?

「Life 線上の僕ら」ディレクターズカット版

白洲 晃を演じていた僕としては、ああいうふうに終われたことが本当に幸せです。晃はとにかく悩んで、遠回りして、間違ってしまったり、人を傷付けてしまったけど、それでも夕希と一緒にいたいと思って行動に移すことができた。

楽駆 ドラマにはない原作の要素を描けたのはうれしかったです。原作ファンの方にも喜んでいただけるのでは。

──では最後の質問です。お二人の俳優人生において、この作品はどんな位置付けになりましたか?

白洲 学生時代から始まって大人になって結婚して……と、人生のビッグイベントを役を通して体感できました。人生にここまで苦悩する役はこれまでなかなかなかったので、苦しかったけれど、その苦しさが作品のためになればと演じていました。観てくださった方に少しでも伝わるものがあればいいなと感じています。

楽駆 僕は天真爛漫で自分の気持ちにここまで忠実な人を演じるのが初めてだったので、作品を通して夕希に救われたことが多くありました。純愛ものの作品に今のうちに参加できたことは自分にとって財産で、自分ももっとちゃんと人と接していこうと心から思えましたし、この経験がこれからの人生に絶対生きてくると思っています。

左から白洲迅、楽駆。