中国ドラマ「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」特集 | ヤン・ヤン×チャオ・ルースーだからこそ表現できた主人公の魅力とは?好敵手から最愛の相棒となった男女が紡ぐロマンスアクション時代劇

中国ドラマ「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」がU-NEXTにて独占先行配信中。DVDが5月3日より順次リリースされる。ヤン・ヤン(楊洋)とチャオ・ルースー(趙露思)が共演した本作は、武勇を競い合う腐れ縁の男女が乱世を治めるべく敵に立ち向かい、好敵手から最愛のパートナーになっていく姿を描いたロマンスアクション時代劇。

映画ナタリーでは本作のリリースを記念して、主人公の黒豊息(こくほうしょく)と白風夕(はくほうせき)の魅力を紐解く特集を展開。「黒豊と白夕」と「これから先の恋」のWアドトラックが期間限定で走行することを祝し、5つのポイントからヤン・ヤン演じる黒豊息、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイの魅力を紐解く。黒豊息はライターの島田亜希子、グー・ウェイはYouTuberの李姉妹が担当。黒豊息とグー・ウェイはなぜ世界中を熱狂させるのか? 魅力を紐解く中でヤン・ヤンとチャオ・ルースー、そしてシャオ・ジャンだからこそ表現できた魅力も見えてきた。

文(コラム) / 島田亜希子取材・文 / 金子恭未子

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」予告編公開中

「黒豊と白夕」×「これから先の恋」Wアドトラック走行記念!
黒豊息 / ヤン・ヤン&グー・ウェイ / シャオ・ジャン いい男解説

「黒豊と白夕」「これから先の恋」の配信とパッケージリリースを記念して、Wアドトラックが2023年5月1日より、渋谷・銀座・新宿・新大久保・池袋など東京都内を走行。これを記念して、それぞれの主人公である黒豊息(こくほうしょく)とグー・ウェイの魅力、また演じるヤン・ヤンとシャオ・ジャンの魅力を5つのキーワードで紐解く。大スター2人が好演する“いい男”を、この機会にどちらも堪能してほしい。

①魅力的なキャラクター
最強スパダリ・黒豊息

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

島田亜希子 「神龍<シェンロン>-Martial Universe-」以降、久々の時代劇出演でヤン・ヤンが演じたのは、雍(よう)州の皇子という高貴な身分を隠しながら、隠泉水榭(いんせんすいしゃ)の榭主・黒豊息(こくほうしょく)という江湖の強者としての顔をあわせ持つという、ドラマチックなバックグラウンドを背負ったキャラクター。敵の前ではクールで無敵の策士、宮廷内では可憐で儚い王子、そして愛する白風夕(はくほうせき)の前では一途な尽くし系男子と、さまざまな表情を存分に見せています。そんないくつもの顔を持った黒豊息は、特技も実に多彩。琴棋書画に優れるだけでなく、扇子で華麗に敵を倒すあっと驚く凄腕武芸を得意とするほか、白風夕に眉メイクをしてあげたり、実は料理上手だったりと、まさに十全十美、なんでもできちゃうパーフェクトな最強スパダリ男性なのです。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、左からヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息、チャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、左からヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息、チャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕。

無敵の美男子と誉れ高い一方で、後継者争いに悩んだり、父親の愛を求める繊細で複雑な一面もあり、輝く笑顔の中にちょっぴり憂いを感じさせる陰影のある魅力の奥深さに、心拍数も急上昇、ますます惹かれてしまいます。また、常に命を狙われる立場ゆえ、滅多に気を抜かない黒豊息が、白風夕の前ではのんびりとした表情になるのもとってもチャーミング。あふれる愛情が観ているこちらにも伝わってくるようで温かい気持ちになり、癒やされます。

①魅力的なキャラクター
エリート外科医グー・ウェイ

「これから先の恋」より、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

「これから先の恋」より、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

ゆんちゃん シャオ・ジャン演じるグー・ウェイはギャップのあるキャラクター。ちょっと不器用なところがあってかわいい人だと思います。もしキャッチコピーを付けるなら「エリート外科医×ツンデレ歳上男子×不器用イケメン」ですね。女性視聴者がくすぐられるキーワード満載のキャラクターで、観たいと思いますよね! 中国語には「直男(zhí nán)」という言葉があって、女心がわからない男性を指すときに使われるんですが、「グー・ウェイはまさに“直男”だ」という声が多かったんです。本来ならマイナスな要素なのに、彼の場合は恋愛に不器用で女心がわからないところが逆にいいと中国の視聴者の心を刺していた。結婚相手として理想的という声が多かったですね。

「これから先の恋」より、左からヤン・ズー(楊紫)演じるリン・ジーシアオ、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

「これから先の恋」より、左からヤン・ズー(楊紫)演じるリン・ジーシアオ、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

しーちゃん ヒロインのリン・ジーシアオが火鍋を食べたいと言ったら「辛い料理は胃を刺激するからおかゆで」みたいなことを言っちゃう。デートでおかゆ食べるの?(笑)と思うけれど、クールでビジュアルも完璧で、仕事ができるエリート外科医で、隙のないように見える彼だからこそ、恋愛には不器用というギャップは必須な気がしますね。

このドラマでは医者である彼にもフォーカスされていて、仕事面で悩む描写があるんです。トラウマを抱えていたり、患者から非難されたり、描かれる問題も重い。完璧なだけじゃなく、弱い部分もあるので、ヒロイン目線で観たときに守ってあげたくなるようなキャラクターでもあると思います。

②完璧なビジュアル
無双の美男子・黒豊息

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

島田 「神龍<シェンロン>-Martial Universe-」ではヤン・ヤンのワイルドで男らしいスタイルが印象的でしたが、「黒豊と白夕」ではこれをさらに見事に上回るクールな侠客姿&神レベル際立つ尊い貴公子スタイルの美しいビジュアルを披露し、まさに無双の美男子ぶりを見せつけて話題を集めました。本作でぜひ注目してもらいたいのは、長髪をなびかせ黒い衣をまとった侠客然とした黒豊息と、白の衣が映える清らさが印象的な第二皇子の豊蘭息(ほうらんしょく)という、まったくテイストの違うヤン・ヤンの麗しい姿が、一度に楽しめてしまうというあまりに贅沢な演出の素晴らしさ。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

義を貫く強さと儚い高貴さという、さながら陰陽のごとく対極的にも見える2つのキャラクターに扮するヤン・ヤンの完璧なビジュアルを、最初から最後まで徹底的に楽しめる本作品は、ヤン・ヤン推しにとっての最高傑作といっても過言ではないかもしれません。乙女心を射止めるのは“ブラック”ヤン・ヤン、はたまた“ホワイト”ヤン・ヤンか? どんなスタイルになっても圧倒的オーラで光り輝いてしまうヤン・ヤンは、やっぱり間違いなくトップスターなのです。

②完璧なビジュアル
白衣姿が反則なグー・ウェイ

「これから先の恋」より、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

「これから先の恋」より、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

しーちゃん もし自分が病院に行って、診察してくれるお医者さんがグー・ウェイだったら、あの完璧なビジュアルを前に何も症状を言いたくなくなります(笑)。白衣姿は素敵ですし、眼鏡がいい! プライベートや、患者さんと接するときはかけていなくて、パソコンや資料を見るときはメガネをしているという演出もリアルでうまい。かけているのはちゃんとブルーライトカットのメガネなんだと思ったり。設定が細かいんですよね。

私は現代ドラマでのシャオ・ジャンを初めて観たんですが、短髪で洋服姿ですし、しゃべり方も現代のもので、さらにシャオ・ジャンが自分の声で演技していることもあって、“彼氏感”がすごい! 身近に感じられるのがよいなと思いました。

「これから先の恋」より、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

「これから先の恋」より、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

ゆんちゃん やっぱりグー・ウェイの白衣姿は素敵ですよね。ずるい、反則です(笑)。物語前半のグー・ウェイはクールであまり笑わない。でもヤン・ズー扮するリン・ジーシアオに出会って、ストーリーが進んでいくにつれて笑顔が増えていく。ニコッとした顔を観るとかわいくてキュンとすると思います。

中国では身長が高くて、色白で少し中性的な魅力もあって、清潔感がある人が“王道イケメン”とされる傾向にあります。何よりスタイルが重要視されるんです。グー・ウェイを演じているシャオ・ジャンの身長は183.6cm。私はよく中国のバラエティやトーク番組を観るんですけど、「イケメン」の話になるとシャオ・ジャンは必ず名前が挙がるうちの1人なんです。日本でもかわいい、美しい女性がトークテーマになったら石原さとみさんとか北川景子さんとか、いつも名前が挙がるような人がいると思うんですが、シャオ・ジャンはそういう存在。ものすごく人気の高い俳優さんはたくさんいますけど、こういうトークで必ず名前が挙がるのは、彼含めて3人ぐらいなんです。

③周りから信頼されるできる男
理想的なリーダー・黒豊息

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

島田 黒豊息は天下を制するため、一代で隠泉水榭を築き上げたやり手の侠客。頭が切れて策略にも長けているだけでなく、豊蘭息として復讐を遂げるため、王や兄弟たちの前ではわざと病弱で武芸ができないふりをしてみせるという、巧妙なテクニックで世を渡る賢さも持っています。黒豊息と豊蘭息のどちらの人物となっても変わらないのは、正義感が強く、仲間思いの優しいところ。仕える者たちには公平さと信頼をもって接する理想的なリーダーとなり、愛する白風夕がピンチに陥れば真っ先に駆けつけて救い出し、ともに力を合わせて敵を迎え撃つ頼もしい相棒となってくれます。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、左からヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息、チャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、左からヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息、チャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕。

全方位的に完璧な一方で、早くに母親を亡くし、幼い頃から常にその身を狙われてきたことから哀しいトラウマを抱える一面も。しかし、溺れたところを白風夕に助けられ一命をとりとめたことを皮切りに、毒殺を警戒して長年得体のしれない料理は口にしなかったのが、彼女の作る麺は亡き母の作った麺と同じく食べられるようになるなど、愛の力で徐々にトラウマから抜け出し自分を取り戻していきます。黒豊息が白風夕の存在によって悲惨な過去の呪縛から解放され、強く成長していく姿は、本作の見どころの1つです。

③周りから信頼されるできる男
理想的な医師グー・ウェイ

「これから先の恋」より、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ(左)。

「これから先の恋」より、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ(左)。

しーちゃん グー・ウェイは上司や同僚にも認められている優秀な外科医。ほかのお医者さんが気付かなかったがんも見つけてしまいましたよね。無愛想なところがあって、ズバズバと自分の意見を言うので、誤解されやすいところもありますが、大病院に勤務しているのに、1人ひとりの患者、その家族にも親身になってくれます。実は、中国の視聴者は彼のお医者さんとしての描かれ方には“ドラマ”だなと感じた部分もあるかも。中国と日本では病院のシステムが違うので、彼のようにお医者さんが1人ひとりに親身になるのは難しいことなんです。

「これから先の恋」より、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

「これから先の恋」より、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

ゆんちゃん 中国と日本の病院ってけっこう違いがあって、中国は基本的に大病院ばかり。どこもめちゃくちゃ人が多くて、エレベーターを待つのに2時間かかることもあるんです。そういう背景もあるからこそ、「グー・ウェイのように患者1人ひとりに一生懸命になってくれるお医者さんがいたら安心!」「こういう人に診てもらいたい」という声が多かったですね。お医者さんとして理想的な人だと言われていました。

④甘いシーンにときめく
もどかしい恋の過程を楽しめる「黒豊と白夕」

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、左からチャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、左からチャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

島田 普段は策略家の黒豊息であるにもかかわらず、恋に関しては完全に奥手で超一途。おまけに妄想ばかりが先行し、まったく作戦通りにうまくいかない不器用男子に大変身してしまいます。家臣の鐘離(しょうり)たちの熱心なアドバイスを真に受けて、白風夕の気を引くために彼女の好物を用意したり、雪の中で告白のタイミング待ちをしたりと、なんとも健気にロマンティックなアプローチを試みますが、色気より食い気が勝る白風夕には黒豊息の想いはなかなか伝わらず……。逆にそんな姑息な作戦よりも、急な雨の中でおんぶをしてあげたり、肩をほぐしてあげたりと、2人の間に自然に生まれた何気ないアクションが、恋する気分を盛り上げることになり、想いを伝えるのは本当にタイミング勝負なんだと実感させられます。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、左からチャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、左からチャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

そんなくっつきそうでくっつかない、腐れ縁のライバルである白風夕とのもどかしい恋の過程は、このドラマならではの必見胸キュンポイントに。ロマンティックだけどちょっと笑える、そんな2人の素敵な関係がとても楽しくて爽やかです。後半に待ち受ける運命のキスシーンにもぜひ、注目を。

④甘いシーンにときめく
日常のキスにキュンとする「これから先の恋」

「これから先の恋」より、左からヤン・ズー(楊紫)演じるリン・ジーシアオ、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

「これから先の恋」より、左からヤン・ズー(楊紫)演じるリン・ジーシアオ、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

しーちゃん 「これから先の恋」の魅力の1つは王道ラブストーリーだというところ。グー・ウェイとリン・ジーシアオの掛け合い、甘いシーンをたくさん摂取できます。お医者さんだから、彼女の体調もケアしてくれる。そして恋に落ちたグー・ウェイは、ライバルである“男2”が現れたら、わかりやすくやきもちを焼いていて、かわいかったです。

ゆんちゃん 物語前半は真面目で冷静なグー・ウェイでしたが、恋に落ちたあとには変化しますよね。リン・ジーシアオと喧嘩して関係がうまくいかなくなったあとは、彼女の気持ちを取り戻すためにがんばる。プライドなんか捨てて、病気のふりしてみたり。クールだった前半の彼とイメージが違うからそのギャップがかわいらしくてキュンとしました。

「これから先の恋」より、左からヤン・ズー(楊紫)演じるリン・ジーシアオ、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

「これから先の恋」より、左からヤン・ズー(楊紫)演じるリン・ジーシアオ、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

ゆんちゃん このドラマに登場するキスシーンの回数を調べた中国のファンがいて、50回しているらしいんです。私は徹底的にロマンティックで背景も美しいような作り上げられたキスシーンより日常の中のキスのほうがいいなと思います。特に素敵だなと思ったのはキッチンでのキスシーン。

しーちゃん 私も付き合いたてのキッチンでのキスシーンが好きでした。日常の中のキスシーンのほうがより身近にリアルに感じられて、キュンとしやすい。

ゆんちゃん このドラマには本編のほかにグー・ウェイとジーシアオがプライベートで撮っているという設定のおまけ映像があるんです。

しーちゃん そうそう! 本編と連動していて、あのときあんなふうに思っていたんだよって2人で会話していたりする。

ゆんちゃん そのやり取りが「リアルでめちゃめちゃキュンキュンする!」って中国のファンは熱狂していました。

⑤世界中を魅了する中国のトップスター
男性の心もキャッチするヤン・ヤン

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、ヤン・ヤン(楊洋)演じる黒豊息 / 豊蘭息。

島田 「シンデレラはオンライン中!」や「プラチナの恋人たち」といった胸キュン満載のヒット作で知られるヤン・ヤン。彼の上品で端正なルックスの吸引力の強さは、美形ぞろいの中国スターたちの中でもトップクラスであり、本作では長髪のワイルドな侠客姿と、高貴で美しい皇子の姿を披露し、どちらも現地のファンたちから大絶賛され話題となりました。

また本作でヤン・ヤンは、姿かたちだけでなく、黒豊息の“黒狐”らしい狡猾さと、豊蘭息のエレガントさを自然に切り替えて演じてみせたことから、その柔軟性の高い演技力にも高評価が寄せられました。そんなヤン・ヤンの魅力は女性ファンのみならず、なんと、男性の心もしっかりとキャッチ。「黒豊と白夕」の中国での視聴者の多くは女性で、「三国志」などを代表とするような男性向け時代劇のジャンルではないにもかかわらず、男性視聴者の注目度も集めた作品となっています。その理由は、ヤン・ヤン演じる豊蘭息を中心に織りなす兄弟や父、義母との争いに悩み葛藤する姿や、国への大義を貫く姿に、男性視聴者からの共感度が大いに高まったからなのだとか。本作で披露した迫真の演技の数々で、感動的な効果と大きな共感を呼び起こしてくれたヤン・ヤン。今後のさらなる俳優としての飛躍がとても楽しみです。

⑤世界中を魅了する中国のトップスター
太陽みたいなシャオ・ジャン

「これから先の恋」より、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

「これから先の恋」より、シャオ・ジャン(肖戦)演じるグー・ウェイ。

ゆんちゃん シャオ・ジャンは中国の大企業のほとんどのイメージモデルを務めていた時期があったほどのスター。日本で例えるならTOYOTAもSONYもPanasonicもみんなやっているような、全ジャンルのトップ企業はみんなシャオ・ジャンという感じだったんです。テレビのCMだけじゃなく、スーパーに行けば商品のパッケージもシャオ・ジャンばかり。こんなに短期間でスターに上り詰めたのは中国でも前代未聞だと思います。

中国ではファンから“うさぎ”と表現されることがあって、笑うとかわいらしい方だなと思います。私がシャオ・ジャンの大きな魅力だなと思うのはメンタルが強くて、前向きなところ。ポジティブなことをたくさん言っていて、太陽みたいな人だなと思います。自分にもしっかり自信がある。

しーちゃん でも、謙虚で真面目なんですよね。爽やかで清潔感があって、欠点が見当たらない。次はどんな役をやるんだろうって、注目を集める俳優さんですよね。刑事ものだったりアクションでのワイルドな役とか、どんなふうに演じるのか気になります。

天下を守る最強のヒロイン・白風夕

チャオ・ルースーがかっこかわいい姿で視聴者を魅了

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、チャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、チャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕。

島田 人気ドラマ「花の都に虎(とら)われて~The Romance of Tiger and Rose~」では、自分の執筆した女尊男卑の時代劇の中に入り込み、脇役悪女キャラ・陳芊芊(ちんせんせん)の姿になってしまった冴えない脚本家チェン・シアオチエンの大奮闘をチャーミングに演じるなど、華流ラブコメ女王として大人気となったチャオ・ルースー。そんな彼女が「黒豊と白夕」で演じるのは、黒豊息と並び江湖で名を馳せた女侠で、天下を守る最強のヒロイン・白風夕(はくほうせき)。自由闊達、食いしん坊で義侠心に厚く、白絹の帯を使った武芸の達人という凛とした人物像に加えて、文武両道、竹を割ったような性格の持ち主でおまけに美人、という魅力満載の彼女ゆえ、期せずして意外な相手からアツい想いを寄せられてしまうこともしばしば……。しかし、色恋にはとんと無関心なタイプだけに、大本命の黒豊息ですら、うまく想いが伝わらず、恋する男子にとっては難攻不落の手強い相手となってしまう一面も。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、チャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、チャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕。

そんな男勝りで荒っぽくも見える白風夕ですが、黒豊息の弱さを癒やせる広い心の持ち主で、大事な人を命がけで守る強さと優しさを備えた女性でもあります。物語の時代背景はもちろん現代とは異なりますが、パートナーとお互いに対等であろうとする、自立したイマドキ感のある女性像をチャオ・ルースーが全力で好演。ラブコメ作品で見せるおなじみの天真爛漫なキュートさはそのままに、キレ味鋭い見事なアクションも披露するなど新たな魅力を存分に発揮し、かっこかわいい姿で視聴者を魅了しました。

チャオ・ルースーは彼女が出演しているなら観てみようと思う人

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、チャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕。

「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」より、チャオ・ルースー(趙露思)演じる白風夕。

しーちゃん チャオ・ルースーは一番好きな女優さん! 新作が出たときに、彼女が出演しているなら観てみようと思う人です。

彼女は中国の若手の中で、実力派というイメージ。コミカルな役が多くて“ラブコメの女王”と表現されることがありますが、ラブコメって演技力が出しづらいジャンルなのかなと思うんです。シリアスなもののほうが、作品の雰囲気に引っ張られて、演技力を評価されやすい。でも彼女の場合は、ラブコメでも、涙するシーンや、シリアスな場面をしっかり演じていて、メリハリを付けられる。日本での人気が上がってきていると聞いて、うれしいですね。とってもキュートで、声もかわいい。

ゆんちゃん ルースーちゃんは“かわいいだけ”じゃないんですよね。個性があるかわいらしさを持っている女優さん。“量産型のかわいい”じゃない。「黒豊と白夕」はまだ観られていないんですが、ヤン・ヤンとの共演ですし観たいですね。

今までYouTubeの動画でフォーカスしたことがあるのは、シャオ・ジャンとファン・ビンビンだけなんです。俳優さんの中国での人気とか、気になる人もいると思うのでまた動画を作れたらいいなと思います。

中国ドラマ「黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~」第1回特別公開中

物語の主人公・黒豊息(こくほうしょく)と白風夕(はくほうせき)は、江湖で名を馳せる無敵の強者。この10年、武勇を競い合う2人は、“白風夕のいるところ、黒豊息あり”と揶揄されるほどの腐れ縁のライバル同士だ。ある日、天下をめぐる覇権争いが勃発し、2人はともに強敵に立ち向かうことになる。実はそれぞれ王子と姫という高貴な身分を隠していた黒豊息と白風夕は、生死を懸けた戦いの中で互いへの気持ちに気付き、惹かれ合っていく。

初共演となるヤン・ヤンとチャオ・ルースーが黒豊息と白風夕をそれぞれ演じ、好敵手から最愛のパートナーになっていく姿を好演。また白風夕に片思いする世子に「万華楼〈ばんかろう〉~金糸が紡ぐ運命の恋~」のライ・イー、黒豊息と後継者争いを繰り広げる異母弟王子に「策略ロマンス~謎解きの鍵は運命の恋~」のリウ・ルイリン、黒豊息に仕える鳳棲梧に「陳情令」の江厭離役で知られるシュエン・ルーが扮した。さらに「さらば、わが愛/覇王別姫」のチャン・フォンイーが黒豊息の父を演じ、物語に深みを与えている。

左から李姉妹のしーちゃん、ゆんちゃん。

左から李姉妹のしーちゃん、ゆんちゃん。

プロフィール

李姉妹(リシマイ)

日本在住中国人姉妹YouTuber。姉のゆんちゃんと妹のしーちゃんが2018年に「李姉妹ch」を開設した。中国語学習法や中国の文化、ドラマ情報などを発信し人気を集め、チャンネル登録者数は約35万人(2023年4月現在)。著書に「李姉妹のおしゃべりな中国語」「長草くんと李姉妹のまるっと話せる中国語」「すぐに話せて必ず通じる 李姉妹と基礎から中国語」があり、2023年2月に中国の旗袍(チーパオ)を日本から手軽に買えるネットショップを開設した。

島田亜希子(シマダアキコ)

ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆するほか、中文翻訳もときどき担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「アジア俳優名鑑」「中国エンタメニュース」を連載中。「中国時代劇で学ぶ中国の歴史」(キネマ旬報社)「見るべき中国時代劇ドラマ」(ぴあ)などにも執筆している。