「君の膵臓をたべたい」浜辺美波×北村匠海×北川景子×小栗旬×月川翔インタビュー|5人全員が号泣!感涙必至の名シーンと2人1役の舞台裏

小栗さんが、僕の演じる【僕】に寄り添ってくれた(北村)

──北村さんは、「TAJOMARU」でも小栗さん演じる主人公・畠山直光の幼少期を演じていましたね。

「君の膵臓をたべたい」より。

北村 自分の初主演作でまた小栗さんと同一人物を演じることができると聞いて、本当にうれしくて。撮影中は一度しかお会いすることができなくて、役についてじっくり話し合う時間もなかったんです。自分が演じたものはどれくらいリンクできているだろうかという気持ちで観たんですけど、小栗さんがものすごく僕の演じる【僕】に寄り添ってくださって。現代パートのどこを観ても、僕の思い描いていた【僕】で。本当に、改めてありがとうございましたと伝えたいです。

──顔の雰囲気は違うのに、お二人が同一人物にしか見えませんでした。どのように撮影されたのでしょうか。

左から北村匠海、小栗旬。

月川 撮影の順番は、匠海くんを撮って、小栗さんを撮って、また匠海くんのパートに戻りました。小栗さんが匠海くんに寄せてくれたんです。撮影に入る前日、小栗さんが「匠海くん、感じさせる芝居とわからせる芝居のどっちで来てるかな?」ってポロっと言っていて、僕が「感じさせるほうです」って答えるくらいしかすり合わせ作業はしていないですね。それでもあそこまでのレベルに持っていってくださって。

北村 本当にありがたいです。

小栗 大人になった【僕】は、周りに比べて一番時間が止まってしまっている人間なんですけど、とはいえ12年の時間は経っているのであまり縛られすぎないようにしましたね。でも匠海くんのこの雰囲気は、何度か彼を見る中でわかっていたので。「自分だったらこうするけど、匠海くんだったらこうかもしれない」という考えの中やっていった感じです。あとは、普段の自分よりもちょっとだけ声を高くしようかな、とか。

──北村さんと同じところにホクロを描いたそうですが……。

「君の膵臓をたべたい」より。

小栗 それはメイクさんと「絶対にやるべきだよね」って話をして。やっぱり匠海くんのチャームポイントだし、12年経ってなくなっていたらおかしいですもんね。

北村 教師になった【僕】が黒板に字を書くシーンで、左利きの小栗さんが僕に合わせて右利きに変えてくださった話や、ホクロを描いてくださった話を聞いたり、監督から「小栗さんと匠海くんの【僕】は一致してるから大丈夫。このまま信じて演じきってほしい」と言ってもらえたのは大きかったです。

北川 私も試写を観て一番ビックリしたのはそこだったんです。小栗さんと北村さんって、実際に会うと全然違う人なんですけど、作品の中では同じ人にしか見えなくて。私の中の小栗さんは、最近の役のイメージかもしれませんが、硬派で重厚感のある方だったんです。でも今回、【僕】が歩いていくシーンでご一緒したときに、小栗さんの背中が寂しそうで。その背中を追いかけても、“小栗旬さん”ではなく【僕】にしか思えませんでした。小栗さんは本当にすごい人なんだなあって。

小栗 やったぜ(笑)。すごくうれしい。

北川景子

北川 この間、小栗さんの舞台「劇団☆新感線『髑髏城の七人』 Season 花 produced by TBS」を観たんです。当たり前なんですけど、全然違くて(笑)。あの【僕】の背中はなんだったんだろう!?っていうくらい、風や水しぶきを浴びて男らしかったです。

月川 猫背にしてって言ったわけではないんだけど、完全に感覚なんですよね。僕もあのシーンの数週間後に「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」の現場に行ったんですが、小栗さんの背中がめっちゃゴッツくなってました。

一同 (笑)

お芝居で空気が変わる瞬間を感じました(浜辺)

──浜辺さんは、小栗さん演じる大人になった【僕】と図書館での共演シーンもありましたね。現場でご一緒した感想を教えてください。

浜辺 本当に、お芝居で空気が変わる瞬間を感じました。お話ししたかったんですけど、すごく緊張してしまって本棚の陰にずっと隠れていたんです(笑)。小栗さんが隣の棚に来たら、次の次の列に隠れるみたいな……。

──(笑)。北村さん演じる学生時代の【僕】のあと、小栗さん演じる【僕】と対面していかがでしたか。

「君の膵臓をたべたい」より。

浜辺 桜良がずっと一緒にいた学生時代の【僕】を、小栗さんがそのまま演じてくださっていて、思いを受け止めてくださったような感じがしました。大きくなった【僕】を見られて本当にうれしかったです。

小栗 あそこは、観客がずっと【僕】目線で観てきた物語において、初めて「桜良がどういう顔で【僕】のことを見ていたのか」が明らかになるシーン。あの感動的な演出は「ちくしょう、監督うまいことやったな!」って思いました(笑)。

月川 そこが一番グッとくるポイントだと思っていたので、台本にない桜良と【僕】のシーンも撮っておいたんです。いい表情をしてくれたので、本当にうまくいったなと思ってますね。

「君の膵臓をたべたい」
2017年7月28日(金)より全国ロードショー
映画「君の膵臓をたべたい」オフィシャルサイト
ストーリー

高校時代のある日、【僕】が見つけた「共病文庫」。それは、密かに膵臓の病を患うクラスメイト・山内桜良の闘病日記だった。秘密を知ってしまった【僕】は桜良と一緒に過ごすようになるが、まばゆいまでに懸命に生きる彼女の日々はやがて終わりを告げる。───それから12年。母校の教師となった【僕】、そして桜良の親友・恭子は、桜良と過ごした日々を思い出していた。2人はあるきっかけで、桜良が伝えたかった本当の思いを知ることになり……。

スタッフ / キャスト

監督:月川翔
原作:住野よる「君の膵臓をたべたい」(双葉社刊)
脚本:吉田智子
主題歌:Mr.Children「himawari」(TOY'S FACTORY)
キャスト:浜辺美波、北村匠海、大友花恋、矢本悠馬、桜田通、森下大地、上地雄輔、北川景子、小栗旬

浜辺美波(ハマベミナミ)
2000年8月29日生まれ、石川県出身。2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションニュージェネレーション賞を受賞。同年、主演作「浜辺美波 ~アリと恋文~」で映画デビューする。実写ドラマ版「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」での本間芽衣子役や、NHK連続テレビ小説「まれ」への出演で話題になる。その後「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」「咲-Saki-」などの映画に参加した。2017年9月30日公開の実写版「亜人」にも出演している。
北村匠海(キタムラタクミ)
1997年11月3日生まれ、東京都出身。2008年、「DIVE!!」でスクリーンデビュー。主な出演作に「鈴木先生」「陽だまりの彼女」などがあり、2016年には「信長協奏曲」「セーラー服と機関銃 -卒業-」「あやしい彼女」「ディストラクション・ベイビーズ」、そしてドラマ「仰げば尊し」「ゆとりですがなにか」といった話題作へ立て続けに出演した。「君の膵臓をたべたい」で映画初主演。2017年内に出演作「恋と嘘」「勝手にふるえてろ」の公開も控えている。5人組ダンスロックバンドDISH//のメインボーカル兼ギターとしても活動中。
北川景子(キタガワケイコ)
1986年8月22日生まれ、兵庫県出身。2003年に雑誌SEVENTEEN専属モデルとして芸能界入り。同年ドラマで女優デビューを果たし、2006年に「間宮兄弟」で映画デビュー後はハリウッド映画「ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT」や「Dear Friends」「パラダイス・キス」「ジャッジ!」「抱きしめたい」「の・ようなもの のようなもの」などに出演。ドラマでは「モップガール」に主演したほか、「太陽と海の教室」「謎解きはディナーのあとで」「悪夢ちゃん」「HERO」「探偵の探偵」などに参加した。
小栗旬(オグリシュン)
1982年12月26日生まれ、東京都出身。1998年、ドラマ「GTO」で初めてのレギュラー出演。2007年に主演した三池崇史監督作「クローズZERO」での演技が高く評価され、エランドール賞新人賞、第17回日本映画批評家大賞主演男優賞などを獲得。2010年には「シュアリー・サムデイ」で劇場映画監督デビューも果たした。近年の出演作に「キツツキと雨」「宇宙兄弟」「ルパン三世」「信長協奏曲」「ミュージアム」など。舞台でも活躍し、蜷川幸雄をはじめ多くの演出家の作品に参加している。2017年には出演作「追憶」「銀魂」が公開されたほか、福田雄一演出の舞台「ヤングフランケンシュタイン」でミュージカルに初挑戦する。
月川翔(ツキカワショウ)
1982年8月5日生まれ。東京芸術大学大学院映像研究科修了。在学中は、教授である黒沢清や北野武のもとで「心」など4作品を制作する。ウォン・カーウァイ、ソフィア・コッポラらが審査員を務めた「LOUIS VUITTON Journeys Awards 2009」にて審査員グランプリに輝き、「グッドカミング~トオルとネコ、たまに猫~」で「SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2012」のミュージックShort部門シネマティックアワード・優秀賞を受賞した。監督作に「黒崎くんの言いなりになんてならない」「君と100回目の恋」、ドラマ「ダメな私に恋してください」などがある。
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