「劇場版アイドリッシュセブン」錦織博×山本健介インタビュー | アイドルたちが目の前に!迫力満点の劇場ライブを両監督が語る (3/3)

「アイナナ」に関わるすべての人がリアリティを作り出している(山本)

──「アイドリッシュセブン」というコンテンツそのものについてのお二人の印象を聞かせてください。どういう魅力を持つ作品だと感じていますか?

錦織 登場人物1人ひとりが本当に個性的で、彼らの抱えるいろいろな喜びだったり悩みだったりがしっかり描かれている作品だと思います。その7年間の歴史の中に、自分も参加できたことが本当にうれしい。今回「BEYOND THE PERiOD」というタイトルが付けられていますが、その“ピリオドの向こう側”へ今後どういうふうに羽ばたいていくのか、その未来にもとても興味がありますね。またその仲間に加われたらいいなと思いますし、その日を楽しみにしております。

錦織博

錦織博

山本 自分はですね、ここまでにお話ししてきたことと重なってはくるんですけども、やはり彼らの実在感というところが最大の魅力なのかなと。運営してらっしゃるバンダイナムコさん、関連スタッフやクリエイターの皆さん、マネージャー(「アイドリッシュセブン」ファンの呼称)と呼ばれる受け手の皆さんも含めて、関わるすべての人たちがアイドルたちを本当に存在するものとして扱い、リアリティを作り出しているというところですよね。これまでに何度か関連イベントを見学させていただいたこともあるんですが、そこでもやはり「いかにリアルに彼らがそこにいるように感じさせるか」ということのためにすごい技術を駆使していたり……自分は技術寄りの人間なもので、どうしてもそっちに目が行っちゃうんですけども(笑)、それがすごく面白くて。

──それも“技術のための技術”ではないから、より心に響くんでしょうね。

山本 ああ、本当にその通りですね。最新技術を使うことが目的ではなくて、あくまで彼らを魅力的に見せることを目標に「この手を使ってみました」というものになっている。その意味で今回の「BEYOND THE PERiOD」は、我々的に「今回はこの手を使って、彼らがそこにいることを表現してみました」というものにできたと思っています。

山本健介

山本健介

──リアリティを感じさせるための技術ということで言うと、Dolby Atmos版の音響が生み出す臨場感もまさにそういうものだなと個人的には感じました。

山本 そうですね。

──なんというか、遠くの席にいるであろうお客さんの声がちゃんとすごく遠くから聴こえる感じがしたと言いますか。

錦織 Dolby Atmosという技術は、簡単に言うと物理スピーカーをたくさん配置するシステムでして。例えば5.1chのシステムだったら5ch+ウーファーの合計6種類の音源で表現するところ、Atmosでは最大64ch、つまり64種類の独立した音声を鳴らせるので、その1つひとつの鮮明度を確保できるわけです。いろんなところから鮮明な音が個別に聴こえてくるから、それだけ現実味のある音に感じられるということですね。……ただ、だからといって5.1chのほうが劣っているかというとそう単純な話でもなくて、逆に5.1chのほうが特定の音がよく聴こえたりするケースなんかもあり得るんですよ。

山本 5.1chとAtmosではミックスが異なるので、単純な比較は難しいんですよね。聴こえ方の種類が違うので。

錦織 そこは自分たちでも面白いなと感じたポイントですね。

──ちなみに、4DXやMX4D版なども順次上映されると聞いていますが。

山本 そうですね。ただ、今日のこの取材日時点だと「4DXやMX4Dでこういうことをやりたいです」というリクエストを出している段階なので。いろいろ実現するといいなあと思っています。

錦織 より迫力のある体験ができるようにとお願いはしていますが、僕たちもまだ観てはいないから(笑)。間違いないのは、4DXとMX4D、それぞれの特徴を生かした演出になっているということですね。

──では、それに関しては今後のお楽しみということで。いずれにせよ、読者にはぜひいろんなシステムの劇場をハシゴしてもらいたいですね。

山本 そうですね。いろいろな楽しみ方ができるように準備はしていますが、無理のない範囲で楽しんでいただければと思います。

錦織 Dolby Cinema版、<DAY 1><DAY 2>の違いも含めると、たくさんの選択肢ができました。声を出せる応援上映もありますから、気に入ったバージョンを見つけて何度も楽しんでいただきたいです。

「劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD」より。

「劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD」より。

プロフィール

錦織博(ニシキオリヒロシ)

1966年5月20日生まれ、京都府出身。アニメーション演出家。主な監督作にテレビアニメ「あずまんが大王」「天保異聞 妖奇士」「アルゴナビス from BanG Dream!」や、映画「マジック・ツリーハウス」「モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ」、テレビアニメ・映画「トリニティセブン」「とある魔術の禁書目録」などがある。

山本健介(ヤマモトケンスケ)

1970年10月29日生まれ、東京都出身。VFXディレクター。ゲームのCG制作に携わったのち、1998年からフリーランスとして活動。「ガメラ3・邪神(イリス)覚醒」「ローレライ」「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」シリーズなどの映画作品に多数参加する。現在はアニメーション制作会社・オレンジに所属し、テレビアニメ「宝石の国」「BEASTARS ビースターズ」、劇場アニメ「モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ」などのVFXを担当。IDOLiSH7「Mr.AFFECTiON」のミュージックビデオでは監督を務めた。