13年前、京都撮影所で怒られました(松本)
──京都の撮影所は、礼儀など特に厳しいという話を聞いたことがあるのですが。
矢崎 今は、怖いというほどではないんじゃないですかね? 昔はかなり厳しかったと聞きますが、それもけっこう前の話だと思います。
松本 僕は13年くらい前に京都の撮影所でお世話になりました。初めて行ったときは、まずここに挨拶して、次はここで……っていう厳しいしきたりがありましたね。10代の頃、待合室で騒いでしまって、かなり怒られました。すっごい怖くて、「お前どこの事務所だよ!」って聞かれて……。
犬飼 うわあ……。
松本 嘘ついて、某大手事務所名を答えたんですけど。
一同 (爆笑)
元木 めっちゃ面白い!
松本 高校卒業したばっかりだから、芸能界のルールとかもわからなくて。怖かったです。
武田 というか、騒いでたらそりゃ怒られるでしょ!
矢崎 京都だからとかじゃなく、どこも一緒ですよね(笑)。
監督が「もっと気持ち悪く、這いつくばれ!」(前山)
──個性豊かな隠密、藩士、武芸者たちが御前試合で戦いを繰り広げるのも、本作の大きな見どころになっています。皆さん、一番印象深かったキャラクターはどなたでしょうか? 一斉に指をさして答えていただければと思います。
──藩主に仕える隠密・結城蔵人役の前山さんを指した方が多そうですね。
前山 そうなりますよね!
井澤 もう、目が赤くて、あれだけ長い白髪ですからね。インパクトとしてはやっぱり一番だと思います。
犬飼 違う作品の人が現場に来たのかと思いましたもん。
矢崎 (犬飼演じる青山)凛ノ介は特に、オーソドックスな時代劇の格好ですからね。
前山 「すいません、『東京喰種』と現場間違えました!」って感じになっちゃいましたかね(笑)。
矢崎 あの役が前山くんだとわかるの、最後の最後ですもんね。途中まで声にも加工がかかっているから。
井俣 登場の仕方がすごいもんね! 地面を這うようにガサガサガサっと出てきて。ちょっと人間っぽくないところも魅力的で、「普通じゃない人が出てきた!」みたいなファンタジー性を感じさせてくれて。
──結城蔵人は、映画版ではまだ謎に包まれた部分が多く、舞台版への伏線を張る存在となっていましたが、どのように役作りされたのですか?
前山 あれは石田(秀範)監督に指示をいただきました。「もっと気持ち悪い感じで、這いつくばれ!」と。
武田 石田さんはあくまで映画版の監督だから、舞台版の役までは保証してくれないと思うけど大丈夫?
前山 そのときは撮影が1日だけだったので、とりあえず石田さんの言うことを聞くしかなかったんです(笑)。ほかになす術がなかったんですよ!
──舞台版でいったいどうなるのか、楽しみにしています。前山さんの次に票が多かったのは、謎の武芸者・流狂四郎役の元木さんですかね。
松本 僕も聖也を指しました。迷ったんですが、現場で実際に対面したのが聖也だったので。ビジュアル的にもかなりかぶいてますしね。僕、聖也と衣装合わせが一緒だったんですよ。いや、一緒っていうか、「ルパパト」が佳境だったこともあって、本人は来られなくて……。実は、お前の衣装合わせ、俺が代わりにやったの。
元木 ええ!?
一同 (笑)
井俣 そんなこと、あるの!?
松本 自分の衣装合わせが終わったあと、監督に「お前このあと時間ある?」って言われて、「ありますけど」みたいな(笑)。その間、石田さんとたくさんお話させていただいて、「松本には由緒正しい時代劇の役を演じてほしい」とか、「本気の時代劇を作りたい」ということを伺ったんです。それで、聖也の装備を代わりに身に着けていくうちに、俺はどんどん体感していくわけ。……え、カラコン!? これが由緒正しき時代劇か!?みたいな。
前山 確かに昔ながらの時代劇で、カラコンはなかなか使わないですね(笑)。
松本 「由緒正しき」はどこいった?みたいな。まあ、あくまで由緒正しきっていうのは僕の役の設定なんですけどね。その話の直後にカラコンって言われたから、「え!?」となってしまったという。
元木 僕の衣装合わせをやってくださっていたの、今知りました。びっくりです(笑)。僕が石田さんから言われたのは、由緒正しきというよりは“人じゃない感じ”というか、「生気がない感じでやってくれ」ということですね。とにかく「生きないでくれ!」と。
──流狂四郎は口数も少ない謎の男で、友好的な性格で憎めない「ルパパト」の高尾ノエルとはかなりギャップのある役でした。
元木 でも実は、ノエルとのつながりがちょっとだけあるんです。狂四郎の持っている刀や髪留めが、金と銀になっているんです。気付く人は気付くかもしれないですね。
今回は変身せず、刀を持って戦っています(犬飼)
──もっとお話しいただきたかったのですが、お時間が来てしまいました。最後に代表して犬飼さんから、「GOZEN-純恋の剣-」を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
犬飼 今回僕らは変身せず、刀を持って戦っているので、特撮好きの方々には新鮮さを感じてもらえると思います。ストーリーも骨太なものになっていますし、やっぱり一番のアピールポイントは舞台と連動してるところ。同じ世界観で2作品あるので、2度おいしいってことですよね。こういった東映さんの新しい取り組みがどんどん広がってほしいですし、皆さんにも楽しんでいただければと思います。
2019年9月6日更新