デジナタ連載 「DTC-湯けむり純情篇-from HiGH&LOW」八木将康×天野浩成|4K液晶ビエラで振り返る“縦笛兄弟”結成秘話、縦笛が起こした兄弟の奇跡

笛で苦労したことはありません(天野)

──このMVについてはのちほどじっくりお伺いするとして、まずはこのままテレビを体験していただきましょう。本日は、2017年にHuluにて配信されたショートコメディ「HiGH&LOW THE DTC」の第11話をご覧いただきたいと思います(※「HiGH&LOW」のYouTubeチャンネルでは毎週金曜から日曜の期間限定で、週に1話ずつ「HiGH&LOW THE DTC」を公開中。9月28日から30日は、最終話にあたる第11話「たてぶえきょうだい」が視聴可能に)。縦笛兄弟の結成秘話が語られるエピソードですね。

八木 このテレビが使えるのはうれしいんですが、皆さんの前で観るのはちょっとした罰ゲームですよね!? 急に体温上がってきた!

天野 辱めですね……(笑)。

動画の掲載は終了しました。

※Huluでは2019年2月11日(月・祝)まで期間限定配信

天野 とてもひさしぶりに観ましたが、これは悪ふざけですね(笑)。これ、ショートコメディシリーズの最終話ですよね? 何やってるんだろうね?

八木 悪ふざけ以外の何ものでもないですね。今、これを真面目に観てる俺ら2人……。

天野 この状況のほうが面白いよね。

一同 (笑)

左から八木将康、天野浩成。

天野 でも、撮影は楽しくやってましたね。映画「DTC-湯けむり純情篇-from HiGH&LOW」で長編初監督を務めた平沼(紀久)監督が、このショートコメディシリーズで初めて監督を担当されたんですよ。「HiGH&LOW」シリーズで、ずっと脚本を書いていた方なんですけど。

八木 今観ると、何をやってるんだろうと思いますけど(笑)、かなり撮影の雰囲気はよかったですよね。女性のスタッフさんは笑っていなかったですが。

天野 男性スタッフはかなり笑ってたね。将康もかなりヤバかったよね。

八木 僕、ヤバかったです。天野さんが、あまりにもくだらないことを本気の目で演じているので、笑いがこらえきれなくて。もちろんお芝居なので本気なのは当たり前なんですけど……。途中で、笑いすぎて笛吹けないシーンもありましたよ。

──カニ男と尾沢がモテるために結成する音楽ユニット“縦笛兄弟”は新作「DTC-湯けむり純情篇-from HiGH&LOW」の劇中でも大活躍しますが、視聴者はこのショートコメディ第11話で初めて“縦笛兄弟”の名前を耳にすることになりました。

天野 僕たちも、このとき初めて知りました。ユニットを組むことは、前から決まっていたわけではないんです。

「DTC-湯けむり純情篇-from HiGH&LOW」より、縦笛兄弟。左から八木将康演じるカニ男、天野浩成演じる尾沢。

八木 「縦笛兄弟組むから」「なるほどです」みたいな軽い流れで、このショートコメディだけで完結するものだと思っていました。まさかスピンオフ映画にも縦笛兄弟として出るとは、我々も思っていなくて。

──そうだったんですね。第11話では縦笛で「コンドルは飛んでいく」を演奏していますが、この曲は平沼監督によるセレクトでしょうか?

天野 そうですね。運指動画が送られてきて「これ、吹けるようになっておいて」と言われました。

八木 意外とすぐ吹けましたよね。やっぱり縦笛って誰もが小学校で習うものなので、指が使い方を覚えていたというか。

天野 そうだね。だから今まで笛で苦労はしたことはありません。

八木 今ここで「吹いて」と言われても、たぶんできると思いますよ。

左から八木将康、天野浩成。

天野 よみうりランドと「HiGH&LOW」がコラボして「HiGH&LOW THE LAND」という催しをやっていたとき、僕ら舞台挨拶で縦笛を生演奏しましたから(参照:「HiGH&LOW」山下健二郎はCDデビュー、鈴木伸之はハリウッド進出の野望語る)。本編(「HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY」)には数シーンしか出ていないのに、舞台挨拶で笛を持たされて「吹いて」と言われて。その頃よみうりランドでこの「HiGH&LOW THE DTC」を上映してくれていたんですが、今ほど縦笛兄弟の名前も浸透していなかったので、お客さんもちょっと引いていたと思いますよ。そんな中でも笛を吹き続けたので、だいぶ心が鍛えられましたね。

八木 そんなこともありましたね!(笑)

──岩田剛典さんを縦笛兄弟に引き込もうとして、丁重にお断りされていましたね(笑)。(第11話の再生が終わり)さて、この「4K液晶ビエラ FX750」で改めて第11話を鑑賞して、何か再発見はありましたか?

天野 これだけきれいなのに、もとはYouTubeに上がっている映像だというのがまず信じられないです。

八木 画質がいいから、白目の色味やちょっとした眉の動きも繊細に出ますよね。髪の質すらわかってしまう。

天野 あと、映像としてきっちり撮っていたんだなと改めて思いました(笑)。今までは自分たちが演じたもののチェックとしてしか観ていなかったんですが、こうしてしっかり見返すと、細部までこだわって撮っているのがわかる。

僕たちは“いかようにも染まろう”(天野)

──ではここから、お二人の役について詳しく伺っていきたいと思います。「HiGH&LOW」シリーズは、劇中で描き切れない細かいキャラクター設定を役者さんたちが想像力で補っている部分も多いそうですが、お二人に関してはいかがでしょうか?

天野 僕はあまり、裏設定みたいなことは考えていないです。最初にシリーズが始まるとき、役については「いっつも『俺先輩だぞ?』って言ってるようなやつ、いるじゃん?」「昔女の子の縦笛を舐めて、裏で『縦笛尾沢』みたいなあだ名で呼ばれてるやつ、地元にいるじゃん?」という説明を受けました。

八木 ……いるかな?(笑)

天野 まあ、そのときは納得したんだよね(笑)。「そういうやつだから、よろしくね!」って言われたので、それ以上は考えすぎないようにしました。メインのキャラは物語の中でバックボーンが描かれますけど、僕たちはそれぞれのシチュエーションに合わせて、作品と一緒に成長していかなきゃいけないポジションだと思っているんです。そうでないと「前回こんなこと言ってたのに!」みたいな矛盾が生まれてしまうんですよ。だからいつでも脚本に書いてあることを受け入れて、そのまま演じられる状態にしています。

八木 あまり決め込まずに、柔軟に。

天野 そうそう、僕たちは“いかようにも染まろう”という感じで。そのときに自分たちが必要とされている色に染まれるように。

──なるほど。ではこの新作映画「DTC」で、尾沢の成長を感じた部分はどんなところでしょう。

「DTC-湯けむり純情篇-from HiGH&LOW」より。左から佐藤大樹演じるチハル、山下健二郎演じるダン、佐藤寛太演じるテッツ。

八木 尾沢って、意外と愛されているなと思いましたよね。だんだんとかわいくなってきたというか。

天野 そうだね。初めはちょっと嫌われているような役どころだったんですけど、今回はDTC(山下健二郎演じるダン、佐藤寛太演じるテッツ、佐藤大樹演じるチハル)のみんなと一緒に行動できるようになったので。


2018年10月1日更新