「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL」特集 「仮面ライダーオーズ / OOO」渡部秀×三浦涼介インタビュー|お前を選んだのは間違いじゃなかった

映司に戻ったというより、みんなが映司に戻してくれた(渡部)

──特報が解禁されたときには、ファンの方々がお二人を7年前の映像と比較して「何も変わっていない!」と感動していました。

「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」より、火野映司(左)とアンク(右)。

三浦 へえ!

──いざ現場で再び映司・アンクになって、どんな感情が湧きましたか?

渡部 もう、まんまでしたよ。当時のまんま。自分でも思ったでしょ?

三浦 うーん。まあやっぱりメイクさんやスタイリストさんがいてくれるっていうところが大きいですよね。

渡部 そうだね。スタッフさんも当時のままだったしね。

──三浦さんが地毛でアンクの髪型を再現してくれたことも、ファンの方々が感激したポイントだったと思います。

三浦 そこはもう、事前に秀さんから「大丈夫?」って言われてた部分だったので。

渡部 はい、確認の電話をしました(笑)。

三浦 30cmくらい切ったんですよ。

渡部 胸くらいまであったもんね。で、真っ黒だったからブリーチもしてくれて。

三浦 まあ、映司は歳を重ねててもいいんだもんね(笑)。でもアンクは怪人だから。

渡部 そうか。一応時が止まってる設定なんだ。りょんくんは完全再現されてないといけない。

三浦 うん。ほかのいろいろな作品でも、過去のキャラクターが戻ってくることがあるじゃないですか。もちろん時が流れているから仕方ないことではあるし、これは他作品の否定ではないんですけど、自分の好きな作品を観ているとき、個人的にはキャラクターに変わらないでいてほしくて。だから僕も許されるならば、きちんと見た目の面でもアンクと向き合いたいなと思ったんです。期待していただいているぶん裏切れないなと。自分自身にとっても「オーズ」は大好きな作品だから、ファンの皆さんと同じ気持ちだったと思います。

「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」より、アンク。

──まさに完全再現されていました!

三浦 いや、でも映画の公開はこれからですから。観てくださる方が満足してくれればいいなと思いますけど。

渡部 怖いけどね。

三浦 ちょっと怖い。不安だよね。

──渡部さんは、現場で映司に戻っていかがでしたか?

渡部 映司に戻ったっていうより、みんなが映司に戻してくれたっていう感覚のほうが大きいです。僕を誘ってくれたプロデューサーさんの一言も、現場の雰囲気も、りょんくんがこうやって全面的に協力してくれるっていう状況も含めて、すべてのものが僕をあのときの映司に戻してくれたんです。だから皆さんにすごく感謝してますね。たぶん僕1人でこの映画に出るだけだったら、ビジュアルも感覚も当時に戻りきることはできなかったと思うんです。撮影の前日まではすごく不安でしたし。ただ現場に入ってすぐ温かい雰囲気に迎えられて、当時のことを思い出すうちに、自然と自分のしゃべり口調も映司っぽくなったり、りょんくんに対してちょっと当たりが強くなったり。

三浦 あー、そうかあ(笑)。

渡部 で、タジタジするりょんくんっていう。僕ら2人の関係も、現場では映司とアンクの関係っぽくなって。自然とそういう雰囲気作り、現場作りをしてくれたと思います。

「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」より、火野映司。

──物語のうえでは、映司は歳を重ねています。演じるうえで意識して変えたところや、あえて変えなかったところはありますか?

渡部 僕が一番最後に出た映画(「仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム」)では、映司の髪も短くなっていたんですけど、今回は全部本編の頃に戻そうと思いました。「(劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL)将軍と21のコアメダル」の衣装と靴をそのまま身に着けて、髪型も全部戻しました。なんでかって言うと、僕はあくまでも、仮面ライダーは子供が楽しめる番組だと思うんです。見た目がすべてだとは思わないんですけど、子供にとって、知ってるキャラクターの姿が変わってるのってちょっとショックだなって。

三浦 ふーん。

渡部 大人は、好きなキャラの見た目が変わっていても、時間が経っていることを考えればむしろそのほうが受け入れられるんですけど。少なくとも僕が子供の頃は、見た目が変わるとそれは“違う人”なんですよ。

左から渡部秀、三浦涼介。

三浦 なんかわかるな、それ。

渡部 だから、今回はあくまでも子供目線で考えることを意識して、みんなが知ってる映司のままでいよう、そこに徹しようと決めたんです。さっきりょんくんが言ったように、僕もキャラクターの見た目が変わること自体を否定したいわけではないんですけどね。

──こだわりと言えば、予告編にはアンクの「今日の分のアイスよこせ」の名ゼリフも収められていましたね。

渡部 あれは僕が提案して、脚本に入れてもらったんです。やっぱり映司とアンクの関係性を一番よく表している言葉だと思うので。映司はアンクに利用されているようで、実は利用してるっていう。

「オーズ」は僕の中で切羽詰まってる頃でもあった(三浦)

──ここからは、本編撮影当時のことを振り返っていただけたらと思います。先日のイベント「東映特撮ファン感謝祭2017」(参照:東映特撮ファン感謝祭に井上正大&渡部秀が登壇、「オーズ」三浦涼介との裏話も)へ渡部さんが出演された際に、「最初の頃、りょんくんはバチバチに僕のことを嫌いだった」とおっしゃっていましたね。

左から渡部秀、三浦涼介。

三浦 ああー。

渡部 もうこれ、ネタと化してるよね(笑)。

──具体的なエピソードとしては、一部のファンは知っているであろう“カルボナーラ事件”がありますが。

三浦 ははは!

渡部 事件になってる(笑)。あれですよね、衣装合わせか何かの日に、りょんくんと仲良くなりたかった僕がいきなり「一人暮らしなんですか? 僕も一人暮らしです」ってなれなれしく話しかけて。

三浦 オススメの料理聞かれて、カルボナーラの作り方教えた。

渡部 その後1回も作ったことないですけど(笑)。

──渡部さんが、三浦さんに嫌われていると感じたきっかけはなんだったのでしょうか?

三浦 嫌ってるとかじゃないよ!

渡部 なんていうんだろうな、俺のことあんまり好きじゃないんだろうなとは思ってた。

三浦 そうだね。好きではなかった。

一同 (笑)

渡部 りょんくんからしたら、「業界なめくさりやがって!」みたいな、たぶんそういう気持ちだったんだと思う。

プレゼント用チェキを撮り合う三浦涼介(左)と渡部秀(右)。

三浦 まあ、ちょこっとだけ芸能界のお仕事を長くやらせていただいていて、僕の中で切羽詰まってる頃でもあったから。10代の頃に「超星艦隊セイザーX」っていう特撮作品をやらせてもらったことがあって、「オーズ」に出演が決まったときは「また1年間忙しくなるんだ」っていう恐怖感もあったし。「これからこの世界で仕事をしていくうえで、どうしたらいいか」って悩んでいる時期にオファーを受けた部分もあったんです。だからたぶん、そのせいで余計負けたくないっていう気持ちも強くて。秀くんと僕が同じ立場だったり、僕も変身する役だったらまた違ったと思うんですけど。役柄的にも敵対してる関係だったので、あくまで仕事っていう意識の距離感でいたんですよね。別に嫌っていたわけじゃなくて。

渡部 いやあ、嫌ってたと思いますよ。完全に嫌ってた。

三浦 ふふ(笑)。まあそれが事件と呼ばれるくらいだから、嫌ってたのかもね。

渡部 バッチバチだったと思う。俺、「この人、俺みたいに土足で他人の領域に踏み込んでいくようなやつ苦手だろうなあ」って感じてましたもん。

三浦 この人の場合、他人の領域に無断で、しかも厚底サンダルで踏み込んできて、地面メッタメタにして、扉開けっ放しで帰っていくんですよ。カルボナーラ事件しかり。

渡部 もう、スパイクで芝生ぐっちゃぐちゃにして行ったよね。僕ら、性格が真逆だったんですよ。りょんくんは繊細で、僕はどっちかと言うと大雑把なほうだし。

──当時はぶつかり合うこともあったそうですが、お芝居に関して言い争ったということでしょうか?

渡部 いや、芝居に関して言い争ったことは1回もないですね。

三浦 ないね。じゃあなんで争ってたんだろう。

渡部 争うっていうか、りょんくんが一方的に言ってきて、俺が「すんません、すんません」って言って。俺は裏で「うるせえな、あいつ」って愚痴る感じ(笑)。俺がガーッと言ったことはないもんね。

三浦 ないね。

プレゼント用チェキを撮り合う渡部秀(左)と三浦涼介(右)。

渡部 りょんくんはわりとはっきりしてる人なので。嫌なものは嫌、いいものはいいってちゃんと言ってくれるから、わかりやすいと言えばわかりやすいんですよね。「あー、りょんくん今これ好きなんだな」「これ嫌なんだな」っていうのがわかって、僕も変に勘ぐったりしないでいいんです。あ、1回さ、コーラ渡して謝ったことあったね。

三浦 え? 俺に?

渡部 なんか勘違いが起きてて、りょんくんからめっちゃ怒られて。俺は謝りたかったんだけど、りょんくんが撮影でずっと現場にいたから、人づてに「これりょんくんにあげて」って言ってゼロカロリーのコーラを渡した。

三浦 ああ、なんかコーラ置いてあったね。きっかけはなんだったんだろう。

渡部 なんかで怒ってたんだよね。でもあとから勘違いだとわかって、りょんくんが俺にめっちゃ謝って「コーラありがとね」ってメールくれたの覚えてる。

三浦 俺、意外と素直に伝えてるじゃん。

渡部 (笑)

「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」
2017年12月9日(土)より全国公開
「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」
ストーリー

すべてを超越する力を求め、人類消滅計画をもくろむ凶悪な科学者・最上魁星 / カイザーが現れた。立ち向かおうとする仮面ライダービルド / 桐生戦兎と仮面ライダーエグゼイド / 宝生永夢だったが、永夢は変身ができない。それは以前、ビルドのフルボトルに成分を吸収されたせいであった。そんな絶体絶命の危機にある2人を助けに現れたのは、あの男たち。無事人間としてよみがえった仮面ライダーゴースト / 天空寺タケル、“始まりの男”として神の力を手に入れた仮面ライダー鎧武 / 葛葉紘汰、母校・天ノ川学園高校の教師となった仮面ライダーフォーゼ / 如月弦太朗、アンクと再会を果たした仮面ライダーオーズ / 火野映司が帰ってきた。世界を救うため、ライダーたちが力をひとつにする。

スタッフ / キャスト

原作:石森章太郎
脚本:武藤将吾、高橋悠也
監督:上堀内佳寿也
音楽:川井憲次、ats-,清水武仁&渡辺徹、中川幸太郎
アクション監督:宮崎剛
特撮監督:佛田洋
出演:犬飼貴丈、飯島寛騎、渡部秀、福士蒼汰、佐野岳、西銘駿、赤楚衛二、高田夏帆、瀬戸利樹、松本享恭、岩永徹也、松田るか、小野塚勇人、黒崎レイナ、甲斐翔真、土屋シオン、柳喬之、滝裕可里、関智一(声)、三浦涼介、田中卓志(アンガールズ)、水上剣星、前川泰之、大槻ケンヂ

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渡部秀(ワタナベシュウ)
1991年10月26日生まれ、秋田県出身。2008年に第21回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト準グランプリを受賞。2010年に特撮ドラマ「仮面ライダーオーズ / OOO」で初主演を果たす。主な出演作にNHK連続テレビ小説「純と愛」、映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」などがある。2017年には大東駿介とダブル主演を務めたSFアクション「BRAVE STORM ブレイブストーム」が公開された。現在はドラマ「科捜研の女 season17」に橋口呂太役でレギュラー出演中。また2018年には「おみおくり」が3月に、「シュウカツ2」が春に封切られる。
三浦涼介(ミウラリョウスケ)
1987年2月16日生まれ、東京都出身。2002年に映画「おぎゃあ。」でデビューし、2005年に特撮ドラマ「超星艦隊セイザーX」にケイン役でレギュラー出演する。2012年に「夏だよHONEY!!」で歌手デビューも果たした。主な出演映画は「PIECE~記憶の欠片~」「るろうに剣心 京都大火編」など。2017年には舞台「失なわれた藍の色」に主演し、舞台「グランギニョル」にも参加した。2018年1月には主演映画「星くず兄弟の新たな伝説」が公開されるほか、4月に舞台「1789―バスティーユの恋人たち―」が上演される。

衣装協力(三浦涼介) / wjk(wjk base 03-6418-6314)


2017年12月8日更新