映画ナタリー Power Push - 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
福士蒼汰×小松菜奈×東出昌大インタビュー
京都で経験した“30日間の恋”
七月隆文の同名小説を実写映画化した「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」が12月17日に公開される。本作は京都の美術大学に通う20歳の学生・南山高寿と、ある秘密を抱えた女性・福寿愛美の30日間の恋を描くラブストーリー。「アオハライド」「くちびるに歌を」「青空エール」の三木孝浩がメガホンを取った。
映画ナタリーでは、高寿役の福士蒼汰と愛美役の小松菜奈、そして高寿の恋を手助けする上山役の東出昌大にインタビューを実施。撮影現場でのエピソードやロケ地である京都のオススメスポット、好きな映画などについて語ってもらった。
取材・文 / 秋葉萌実 撮影 / 佐藤友昭
愛美との出会いは高寿にとって大きな出来事(福士)
──ストーリーがすごく練られていて、不思議な印象の残る作品でした。ラブストーリーがベースですが、ファンタジーやミステリーの要素もありますよね。どのように役を作っていきましたか?
福士蒼汰 この作品には高寿の成長ストーリーという側面もあると思ったんです。なので監督と「見た目と内面の変化をグラデーションで描けたらいいね」と話し合って、それを意識しながら撮っていきました。
──確かに、高寿は物語が進むに連れて、どんどん洗練されていきますよね。
福士 最初は挙動不審で気弱、カッコつけることを知らない男ですけど、愛美ちゃんと付き合い始めてから徐々に身だしなみを整えていくようになっていくんです。物語の終わりに近付いてきた頃の高寿の顔は、最初とは別人のように変わっていてもいいのかなと思って演じました。それくらい、愛美ちゃんとの出会いや30日間の恋という経験は高寿にとって大きな出来事だったから。
悲しいときに笑っているほうが切ない(小松)
──小松さんは物語の鍵となる秘密を抱えた女性の役ということで、役作りには苦労されたのではないでしょうか。
小松菜奈 ファンタジーなので自分が経験していないことがたくさんあって、迷ったりもしました。あとは泣くシーンをどう演じ分けたらいいのかなという思いがありました。号泣したりそっと泣いたり、うるっときたりとバリエーションがあったんです。
──愛美のささいな表情の変化が切なくて印象に残りました。
小松 悲しいときに「悲しい」と言うよりも、笑っているほうが切ないじゃないですか。そういうのは大事にしていけたらいいなと思っていました。愛美ちゃんは真面目で、ミステリアスに見えるけど高寿のことを一途に思って自分の決められた運命をたどっていく女の子なんだというのはぶれずにいたいなという気持ちがあって。
──福士さんはそれをどのような気持ちで見ていたんでしょうか。
福士 彼女は現場ですごく悩んでいたんです。隣で見ている僕としては、役柄にすごくぴったりでしたし、そんなに悩まなくてもいいのにと思うくらい素敵だったんです。そこに存在しているだけでこんなに魅力があるのはすごいなと思っていました。
──現場では、そういった励ましの言葉はかけていたんですか?
小松 そういう話はそんなにしませんでしたね?
福士 あんまりしてないですね。同じ立場の人間に励まされるのもどうなのかなと思って……。
自然に「いい彼女じゃん」と言えた(東出)
──東出さんは「アオハライド」以来の三木組ですが、どのような気持ちで現場に入ったのでしょうか?
東出昌大 三木孝浩監督やプロデューサー陣に恩返ししたいという気持ちでした。この作品はお二人の映画なので、その中で微力ながら力添えできればと思って参加しましたね。
──今回は、高寿と愛美の恋をそっと後押しする上山役ですね。演じるにあたって意識したことはありますか。
東出 僕は能天気でした(笑)。高寿を応援するシーンは、福士くんがお芝居の中で素直に頼ってくれたので「行ってこい!」という気持ちで送り出せましたし、愛美ちゃんに会う場面では、彼女は魅力的な女の子で高寿のことが大好きなんだという姿が見られたので、自然に「いい彼女じゃん」「しっくりきてる」と言えましたね。素敵な役者さん2人がこの作品を背負っているんだから、これは絶対成功するだろうなと思っていました。
福士 おおー!
小松 真面目!
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「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
ストーリー
20歳の学生・南山高寿は、通学電車の中で出会った同い年の女性・福寿愛美に一目惚れ。勇気を出して彼女に声をかけ、初めてのデートで告白をして2人の交際が始まる。手をつなぐ、名前を呼び合うなど、初めての経験をするたびに涙をこぼす愛美。高寿はそんな愛美のことを少し不思議に思いながらも、デートを重ねるごとに彼女への愛情を深めていく。しかし2人が初めてキスをした日、高寿は愛美から大きな秘密を打ち明けられて……。
スタッフ / キャスト
監督:三木孝浩
原作:七月隆文「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
主題歌:back number「ハッピーエンド」
出演:福士蒼汰、小松菜奈、山田裕貴、清原果耶、東出昌大、大鷹明良、宮崎美子
©2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会
福士蒼汰(フクシソウタ)
1993年5月30日生まれ。東京都出身。2011年にドラマ「仮面ライダーフォーゼ」で初主演を務めて注目を集める。その後はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」や「図書館戦争」シリーズ、「好きっていいなよ。」「ストロボ・エッジ」など話題作に立て続けに出演。公開待機作に「無限の住人」「ちょっと今から仕事やめてくる」「BLEACH」「曇天に笑う」がある。
小松菜奈(コマツナナ)
1996年2月16日生まれ。東京都出身。ファッションモデルとして活躍し、2014年に「渇き。」で映画デビュー。2016年には出演作「黒崎くんの言いなりになんてならない」「ディストラクション・ベイビーズ」「溺れるナイフ」などが公開された。ハリウッドデビュー作となる「沈黙-サイレンス-」が2017年1月21日に公開を控える。
東出昌大(ヒガシデマサヒロ)
1988年2月1日生まれ。埼玉県出身。モデルとして活動後、2012年に「桐島、部活やめるってよ」で俳優デビュー。2016年は「ヒーローマニア-生活-」「クリーピー 偽りの隣人」「デスノート Light up the NEW world」「聖の青春」が公開。