「15年後のラブソング」特集|ニック・ホーンビィが贈る不器用な大人の恋 / 「ハイ・フィデリティ」ファンの堀込泰行レビュー&イーサン・ホーク図鑑も

出演作50本超え!イーサン・ホークの(ほぼ)全キャラ図鑑

1970年11月6日に米テキサス州オースティンで生まれたイーサン。2020年で50歳になる彼はデビュー以降、優れた作品にコンスタントに出演しどんなジャンルもこなせる俳優となった。

ここでは彼が今まで出演した作品と役柄を一挙紹介! その数なんと50本以上。子役時代のかわイーサン、若かりし頃のまぶしイーサン、いい具合にしわが刻まれてきた近年の渋イーサン……いつの時代も輝く彼に映画を通じて会ってみては。ファン上級者は顔写真だけで出演作を当ててみよう!

なお「15年後のラブソング」の劇中では、タッカー・クロウのポスターなどにホーク本人の昔の写真が使われている。お気に入りの映画の写真も出てくるかも?

※()内は製作年

※日本未公開作など一部の作品は割愛

※参照:IMDb

この作品は?

デビュー作で宇宙へ

「エクスプロラーズ」ベン(1985)

ガラクタを集めて作った宇宙船で飛び立ち、異星人と交流する宇宙大好き少年。リバー・フェニックスも出演した。

イーサン・ホーク(中央)、リバー・フェニックス(左)、ボビー・フェイト(右)。(写真提供:Paramount / Photofest / ゼータ イメージ)

「いまを生きる」トッド(1989)

型破りな教師に心を開いていくエリート高校生。

「晩秋」ビリー(1989)

祖父・父親の不器用な関係を孫(息子)として見守る。

この作品は?

オオカミ犬と絆深める

「ホワイト・ファング」ジャック(1991)

アラスカの大自然の中、犬とオオカミの血を引く“ホワイト・ファング”と心通わせていく。

(写真提供:Buena Vista Pictures / Photofest / ゼータ イメージ)

「ミステリー・デイト」トム(1991)

近所の美女に一目惚れするも声を掛けられないシャイボーイ。

「真夜中の戦場―クリスマスを贈ります―」ウィル(1992)

第2次世界大戦時、ヨーロッパ最前線で戦った若き兵士。

「秘密」マシュー(1992)

過去の苦悩を背負う歴史教師の教え子で、反抗的な態度を見せる。

「リッチ・イン・ラブ」ウェイン(1992)

主人公に気がある口八丁な高校生。

「生きてこそ」ナンド(1993)

雪山で飛行機の墜落事故に遭い、極限状態の中で“ある決断”を下す。

「カッティング・エッジ」ジミー(1994)

薬漬けの青年。兄に更生施設へ入れられそうになる。

「リアリティ・バイツ」トロイ(1994)

売れそうにないバンドマン。意識は高いが家でゴロゴロしている。

「クイズ・ショウ」(1994)

ノンクレジットで端役として登場。目を凝らして探してほしい。

この作品は?

代表作のシリーズ第1弾

「恋人までの距離(ディスタンス)」ジェシー(1995)

ウィーン行き列車の中で偶然出会ったフランス人女性セリーヌと一晩限定でともに過ごすことに。

(写真提供:Castle Rock Entertainment / Photofest / ゼータ イメージ)

「ガタカ」ヴィンセント(1997)

遺伝子で人間の優劣が決まる近未来で“不適性者“に生まれるも宇宙飛行士への夢を捨てきれない。

「大いなる遺産」フィン(1998)

画家志望の素朴な青年。初恋の相手である令嬢に翻弄される。

「ニュートン・ボーイズ」ジェス(1998)

強盗犯罪を繰り返す、実在した4兄弟の陽気な三男。

「グッバイ・ジョー」レン(1999)

暴力的な父親に育てられた問題児の少年を正しい道へ導こうと尽力するスクールカウンセラー。

「ヒマラヤ杉に降る雪」イシュマエル(1999)

殺人容疑で夫が逮捕された元恋人の裁判を見守る新聞記者。元恋人ハツエを工藤夕貴が演じた。

「ハムレット」ハムレット(2000)

大企業の社長だった父の死の真相解明に執着し、正気を失っていく。

「ウェイキング・ライフ」ベッドの中の男 / ジェシー(2001)

声の出演。「恋人までの距離」のジェシーとセリーヌをほうふつとさせるキャラが登場。

「テープ」ヴィンセント(2001)

麻薬密売人。10年ぶりに再会した高校の同級生と過去の“ある出来事”を巡ってもめる。

「トレーニング デイ」ジェイク(2001)

ベテラン捜査官に不信感を募らせる新人警官。やがて2人の関係は決裂していく。

「チェルシーホテル」サム(2001年)

初監督作品。NYに実在するホテルを舞台にした群像劇で、声のみ出演もした。

この作品は?

あれから9年後…

「ビフォア・サンセット」ジェシー(2004)

「恋人までの距離(ディスタンス)」の続編。作家となり、新作PRのため訪れたパリでセリーヌと運命的な再会を果たす。

(写真提供:Warner Independent / Photofest / ゼータ イメージ)

「テイキング・ライブス」ジェームズ(2004)

連続殺人事件の目撃者。被害者になりすまして生きる犯人の次なるターゲットと思われたが……。

「アサルト13/要塞警察」ジェイク(2005)

自身のミスで仲間が命を落とした過去を悔やみ、薬と酒に溺れる警察官。

「ロード・オブ・ウォー」ジャック(2005)

まっすぐな正義と異常なまでの執念で武器商人を追う捜査官。

「ファーストフード・ネイション」ピート(2006)

ファストフード店で働く少女の叔父。10代の姪に人生の助言をする。

「痛いほどきみが好きなのに」ヴィンス(2006)

若手俳優である主人公と確執のある父親。半自伝的小説をイーサンが自ら映画化した。

この作品は?

なぜか強盗役が増えていく

「その土曜日、7時58分」ハンク(2007)

無計画な強盗に手を染め破滅の一途をたどる。フィリップ・シーモア・ホフマンが兄アンディを演じた。

(写真提供:ThinkFilm / Photofest / ゼータ イメージ)

「ニューヨーク,アイラブユー」作家(2008)

相手を娼婦と知らず、美女を必死に口説き落とそうとするナンパ男。

「クロッシング・デイ」ポーリー(2008)

スラムで生まれ育った。人生を賭けた危険な強奪計画を相棒に持ちかける。

「クロッシング」サル(2009)

病床の妻のためギャングから金を盗もうとする麻薬捜査官。

「ニューヨーク、狼たちの野望」サリー(2009)

清掃員。遺伝子操作で優秀な子供を作るべく、費用を調達するため強盗を働く。

この作品は?

初のヴァンパイア役

「デイブレイカー」エドワード(2009)

人類の大半がヴァンパイア化した世界で、自らもヴァンパイアでありながら人間との共存を模索する血液研究者。

(写真提供:Lions Gate / Photofest / ゼータ イメージ)

「イリュージョン」トム(2011)

別れた妻子に会うためパリを訪れた作家。謎の美女に出会い、人生が好転していくかと思えたが……。

「フッテージ」エリソン(2012)

ノンフィクション作家としていわくつきの屋敷に一家で引っ越し、怪現象に見舞われる。

この作品は?

ついに結婚

「ビフォア・ミッドナイト」ジェシー(2013)

「恋人までの距離(ディスタンス)」「ビフォア・サンセット」に続くシリーズ3作目。前作からさらに9年経ち、セリーヌと結婚して子供たちと穏やかに暮らしている。

イーサン・ホーク(右)とジュリー・デルピー(左)。(写真提供:Sony Pictures Classics / Photofest / ゼータ イメージ)

「パージ」ジェームズ(2013)

1年に一度すべての犯罪が合法になる夜、ある男を助けたことで危険にさらされた家族を全力で守ろうとする。

「ゲッタウェイ スーパースネーク」ブレント(2013)

妻を誘拐された元プロレーサー。犯人からの脅迫電話に従うまま、1人の少女を助手席に乗せて街を爆走する。

「6才のボクが、大人になるまで。」父(2014)

離婚してアラスカに旅立つが、数年後に戻って来て子供たちと再会する。自由に生きる男。
本作では同じキャストが約12年にわたり同じ役を演じた。

「プリデスティネーション」バーテンダー(2014)

実は未来からやって来た時空警察官。バーの客にある提案を持ちかけ、過去にタイムスリップする。

「アナーキー」ヤーキモー(2014)

麻薬王に追放された男に賭けをふっかけ、ボスの娘を誘惑してみせる。

この作品は?

戦場へ行かない軍人

「ドローン・オブ・ウォー」トミー(2014)

ドローンの遠隔操作でミッションを遂行する空軍少佐。実感の伴わない殺人に日々消耗していく。

(写真提供:IFC Films / Photofest / ゼータ イメージ)

「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ」ジョン(2015)

不倫の末に離婚・再婚した子供のような男。
結局うまくいかなくなり、再婚相手が旦那を返そうと元妻に提案する。

「ブルーに生まれついて」チェット・ベイカー(2015)

熱狂的な人気を得るが、薬物に依存し転落していった実在のジャズトランペッター。

「リグレッション」ブルース(2015)

父からの虐待を告発した少女の事件を捜査するうちに、悪魔崇拝の儀式の関与に気付く刑事。

「バレー・オブ・バイオレンス」ポール(2016)

悪徳保安官補佐に愛犬を殺されたガンマンが復讐に身を投じる。

「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」エベレット(2016)

頑固で無骨な魚商。住み込みの家政婦として雇った画家と心を通わせ結婚する。

この作品は?

引き金を引けない狙撃手

「マグニフィセント・セブン」グッドナイト・ロビショー(2016)

悪漢への復讐のため雇われたアウトロー集団の1人。戦争のトラウマで銃を撃てなくなった狙撃手。

(写真提供:MGM / Columbia Pictures / Photofest / ゼータ イメージ)

「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」ジョリー(2017)

派手でうさんくさい客引き。主人公ヴァレリアンたちをショーパブに連れ込む。

「魂のゆくえ」エルンスト(2017)

戦争で息子を失った牧師。教会の真実を知り、信仰と怒りのはざまで苦悩する。

「リミット・オブ・アサシン」トラヴィス(2017)

家族を殺され、自身も命を落とした暗殺者。
蘇生実験により“24時間”という制限付きの命を与えられ復讐を果たす。

「真実」ハンク(2019)

フランスの大女優の娘婿。自伝本の出版祝いで一家そろってアメリカから渡仏する。

このたび公開される「15年後のラブソング」(2018)では伝説のミュージシャン役。そのほか近年は実在の銀行強盗犯(「Stockholm(原題)」)、ゴミ捨て場で拾った赤ん坊を育てる前科者(「ハイウェイの彼方に」)、天才科学者ニコラ・テスラ(「Tesla(原題)」)など幅広く演じており、さらなる活躍を期待させる。