コミックナタリー PowerPush - ふじた「ヲタクに恋は難しい」
ヲタクに恋は難しいのか?ヲタップル声優と作者が和気あいあいトーク
いま連載中のエピソード以降は、新媒体で定期連載に(ふじた)
──餌付けされましたね(笑)。現在、pixivで最新エピソードが連載されていますが、pixivで公開する魅力を教えてください。
ふじた レスポンスが早いところは魅力ですね。更新したらその日にブックマークが付いたり、コメントがもらえたりすると純粋にうれしい。読んでもらっているというのは、絵を描く人からしたら一番モチベーションが高まることですから。
──今後もpixivで連載を続けていくご予定ですか?
ふじた 実は11月6日から、一迅社とpixivが組んでPOOLっていう電子マンガ媒体を立ち上げるみたいなんです。そこで定期的に描かせていただけることになりました。いま連載中のエピソード「彼は私の●●の××」以降は、POOLで定期連載になります。
伊達 楽しみです!
ふじた pixivには日々の落描きとかラフなものを上げていこうかと。普通にアップするのはつまらないので、何かしら笑える要素を提供したいです。
伊東 さすが、サービス精神が旺盛ですね。
ふじた 描く人も読む人も気軽に好意を伝えられるpixivはいい場所だなと思いますし、好きなんです。2話目のエピソードを描いたのも、最初のエピソードでヨイショしてくれた読者さんのおかげです。でも、1話目が一番お気に入りですね。本当に描きたいところだけを描いたので。
伊東 1話目の段階ではどこまで決まっていたんですか?
ふじた 本当にこの最初の数ページだけですよ。構想はいろいろしていました。この人格になったのはこういう育ち方をしたからだという、キャラのバックボーンは考えていたんですが、それを入れたら重くなるだろうと思って、極力抜きました。短く短く、とにかくサラッとまとめたので、一番純粋に描きたいことを描ききっていますね。
──一番描きたいことというと……?
ふじた 2人の距離感みたいなもの……ですね。
伊東 1話目で2人がくっついたのでびっくりしました。初めて単行本で読んだときは、付き合うのは当然後半だと思っていたら超序盤にくっついて「早えええ!」って(笑)。
成海の「轢き殺された猿みたいな声」を演じたい(伊達)
ふじた 最終的な着地点は決めていたんですけど、最初に1話全部のネームを切って作画に入ったんじゃなくて、1ページ1ページをアドリブみたいに描いてたんですよ。だからアップして読者の反応を見て、「あ、読んでくれている人はこう思っているのね。じゃあ違うことしよ」と……楽しんで描きました。
伊達 このとき樺倉と花子は……。
ふじた まだ作ってすらいませんでしたね。この2人は、続編を描くにあたってほかのキャラから見た宏嵩と成海を描きたいと思ってできたキャラです。
伊達 なるほど、2人が生まれてよかった……! 宏嵩と成海、樺倉と花子のキャラがそれぞれの立場で生き生きしているコミケ回が、私はめちゃくちゃ好きなんです。樺倉が「俺にどうしろってんだよ」というちょっと引いたポジションだったり、花子のコスプレ姿が初登場したり……最高です!
ふじた ありがとうございます(笑)。
伊達 特に成海が同人誌を買い忘れたと気づいたときに「あ゛―――ッ!!」って絶叫する、単行本56ページ! 作中で「轢き殺された猿みたいな声」って言われるこの声を演じたいなと(笑)。
ふじた さっき、福山雅治さんが結婚したニュース聞いてこんな声出してたじゃないですか(笑)。
伊達 「福山雅治結婚!? ギエエエエエエエエエ!!」ってなりましたね……。まあ、それは置いておいて(笑)。最初に「ヲタ恋」を読んだときに「成海って私の素にめちゃめちゃ近いやないか!演じやすそう!」とは思いました。健人さんも割と宏嵩のまんまですよね。
伊東 そうですか? ありがとうございます。確かに年齢とか背格好とか血液型とか共通点は多いかもしれません。宏嵩のほうが僕よりも全然できた人間だなって思うんですけど。
ふじた え、どんなところで感じました?
伊東 1巻の中でも、宏嵩は成長してる……前に進もうと思ってるんだろうなという場面がたくさんあるんです。だからPVで宏嵩を演じるときも、これはどの時点の宏嵩なんだろうと考えながら声を出しました。
伊達 このPVは2人が付き合う前なのか、付き合った後なのかは考えたりしましたよね。基本的に2人は恋人になってからも同じテンションなんですけど、宏嵩は成海との距離感が変わってきているのかなって。
伊東 そうそう。宏嵩は感情を全然表に出さないですが、ロボットっぽいわけではなく心の中はすごく豊かなキャラなので……その塩梅が難しかったです。
ふじた キャラの心情まで……! 演じる側の意見が聞けてすごく参考になりました。今度から脚本に「付き合って3カ月目」みたいに書こうかな(笑)。
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内容紹介
隠れ腐女子のOL・成海(なるみ)と、ルックス良く有能だが重度のゲーヲタである宏嵩(ひろたか)とのヲタク同士の不器用な恋愛を描いたラブコメディ。 「次にくるマンガ大賞2014 本にして欲しいWebマンガ部門」第1位、pixiv内オリジナルコミックブックマーク数歴代1位の大人気作品が多数の描き下ろしを加えて待望の書籍化。
11月6日オープンのWEBマンガサイト。「ヲタクに恋は難しい」も連載決定!
ふじた
2014年からpixivで「ヲタクに恋は難しい」をアップし始め、ダ・ヴィンチ(KADOKAWA)による「次にくるマンガ大賞2014 本にして欲しいWebマンガ部門」で1位に選ばれた。2015年4月、同作の単行本1巻が一迅社より発売され、半年で50万部を超えるセールスを記録する。
伊達朱里紗(ダテアリサ)
81プロデュース所属。声優。5月10日生まれ、兵庫県出身。主な出演作品に「アイドルマスター シンデレラガールズ」(難波笑美)、「VENUS PROJECT -CLIMAX-」(河藤勇)、「パンチライン」(留美)、「境界のRINNE」(ユミ)、「咲-saki- 全国編」(上重漫)など。
伊東健人(イトウケント)
81プロデュース所属。声優。10月18日生まれ、東京都出身。主な出演作品に「アイドルマスターSideM」(硲道夫)、「教師たちの秘密の放課後」(物部理希也)、「超能力ファミリー サンダーマン」(ギデオン)、「星から来たあなた」(チョン・ユンジェ)など。