石黒正数のマンガは“自分の好きなもの”が詰まった世界。いたるところに謎や伏線が張り巡らされた「天国大魔境」を読み解くには、本人のことをよく知ることも重要だ。なので、いろんなことを聞いてみたぞ。「天国大魔境」を生み出した石黒正数とはどのような人物なのか、今ここに明かされる!(かもしれない)
- Q懺悔したいこと、後悔してることは?
- Aずいぶん考えたけど、特にないかな。
- Q好きな食べ物は?
- A焼きそばです! ソース焼きそば。次がハンバーガー。
- Q好きな色は?
- A赤。金田のバイクの色だから。
- QFF派? ドラクエ派?
- Aうーん、ドラクエですかね。主人公に名前が付けれるし、主人公がしゃべんないから自分の目線で没入できる。VIが1番ハマりました。
- Q甘党? 辛党?
- Aどっちも好きです。
お菓子はあまり食べないけど、じゃがビーのしあわせバター味っていう春から夏にかけて限定販売されるアレが最高にうまい。
- Q座右の銘は?
- Aマンガに関してでいいですか?「自分が読みたいものを描く」。
- Q右利き? 左利き?
- A右利きです。これ聞いてどうするんですか。
- Q大きな怪我、病気をしたことは?
- Aないですね。
- Q懸賞に当たったことは?
- A応募したことがほぼない。昔、くじの抽選で扇風機を当てたことがあったかな。運動会で。
- Q好きなテレビ番組は?
- A「相棒」。ほどよいキャラクター性と、ほどよいリアリティ。
- Qお気に入りの場所は?
- A仕事場。趣味を仕事にしてしまったから、ここが嫌いなら地獄じゃないですか。
- 福井
- 楽しいですよ、福井。散歩してると道のコンクリやアスファルトの隙間から草が生えてるし、人がまったく歩いてないし、ゾクゾクします。随分「天国大魔境」の参考になりました。
- 浅草
- 東京は、関係者とか同業者とかがある程度の距離に集まってるので、なんかみんなと同じマンションに住んでるような感じがして心強いっていうか、そういうところが好きです。今住んでいる浅草は、もともとは少しひなびた感じが好きだったんです。観光客だってお年寄りのグループとかしかいなくて、エロ映画館があって、ちょっと熱海みたいな雰囲気だったんですよ。でもスカイツリーが建ったら千倍くらい観光客が増えて、日本有数の観光地になりました。
- おばけ
- 昔からですね。子供の頃から怪談とか好きだったな。能動的におばけを見ようなんてことを思ったのは、「ソレミテ それでも霊が見てみたい」の企画の頃からですね。たぶん小学生の頃から「あなたの知らない世界」とか好きだったし。昔から怪談好きだったんですよ。だから短編の「スイッチ」が「世にも奇妙な物語」の原作になったのはうれしかったですね!「世にも」は、中学生の頃から大好きだったし。
- ジブリ
- 「魔女の宅急便」ですね。あれ、めちゃくちゃ思春期の頃に公開された映画で。キキの気分にすごいムラがあって、トンボに会うたびに機嫌がよかったり悪かったりするんですよ。あの感じが……当時、小学6年生だったんですけど付き合ってた子がいまして。その子が日によって機嫌がよかったり悪かったりするんですけど、その感じにものすごく重なって。なんか「ああ、わかる!」って感じの映画で。最後、トンボが大ピンチのときに、キキが飛んで助けに来るじゃないですか。それがものすごく深く突き刺さりまして。好きすぎて、それから10年くらいは観れなかった。別格に好きですね。
- 癖
- 爪でヒゲを抜く。夏目漱石も同じ癖があったんです。夏目漱石の原稿が発見されたら、ヒゲをこう抜いて、縦に並べた跡が見つかったそうで「同じ癖だ!」ってうれしくなりました。ヒゲがあまり生えてこないから髭剃りを使ってなくて、気になるヒゲが指に触れるとつい抜いてしまうんです。
- コレクション
- CDは集めたくて集めてるんじゃなくて、結果的に集まってきちゃうんですが。まあ音楽を集めてるんでしょうね。あとはフィギュア。置く場所がないから最近買ってないけど、AKIRA、ドラゴンクエスト、ドラゴンボールとか。あとエロいやつ。
- 動物に例えると
- 猫ってよく言われるかな。俺自身は黒豹とかライオンだと思ってるんですけど。大学のとき、構内にいた猫を膝に置いて撮った写真を見せたら、オカンに「あんた猫とそっくりやね」って言われました。
- コンプレックス
- 自分に厳しすぎて面倒くさいので、なんとかしたい。もともとの性格が他人に甘くて自分に厳しいんです。「それ町」の全体の構成の面倒くささを見ればわかるように、勝手に、頼まれてもいないハードルを設置して、勝手に苦しんでいくスタイルです。作風っていうか、もはや縛りに繋がってる感じがしますね。自己啓発セミナーに行って「オチをつけなくていいんだ、オチをつけなくていいんだ」みたいなことしないと。売れなくなるかもしれないけど。
- 人生をやり直せるとしたら
- 小学6年生に戻って、そのとき付き合ってて自然消滅してしまった女の子ともう少しお付き合いしたいかな。今の脳のままなら、もうちょっとうまく付き合えるんじゃないかなと。
- マンガ家になってなかったら
- おそらくニート……と言いたいところなんですけど、これを言うと俺をよく知ってる大概の人が「ニートができる性格じゃない」って言うから、たぶん働いてると思う。で、社畜になってると思う。
- テレフォンショッキングに出たとしたら、次に誰を紹介する?
- ジャンルが違うほうがウケそうだから中村佑介かな。ただリアルにテレフォンショッキングに出る事を考えたら佑介のほうが先に出てると思う。マンガ家だったら大童澄瞳さんとかどうでしょう。実際に会ったことはないけど、TwitterのDMなどで交流があるので出てくれるかも。あと阿部共実さんとか施川ユウキさん、ニャロメロンは頼めば出てくれると思います。
- イタズラ
- 従兄弟とよその家の敷地に忍びこんだのはよく覚えてます。さすがに家の中までは入ってないけど。
- 部活
- 中学生のときは美術部です。もともと絵が好きだったのもあるし、得意だったのもありますけど、マンガの役に立つかなと思って。高校は帰宅部で、なんでかって言うとクラス自体がデザイン科だったから。それもマンガの役に立つかなと思って入ったんですよ。大学は漫研。
- アルバイト
- いろいろやりましたよ。小学校の工作教材の見本の写真あるじゃないですか。あの見本を作るバイトがすげえ楽しくて。楽しみすぎて、面白いものいっぱい作った結果、社長から「社員にならないか」って誘われたくらい大活躍しました。マンガ家志望だったから、なりませんでしたけど。
- 家族
- 覚えてるのは親父とプールに行ったこととか、弟と火事を見にいったこととか、オカンと2人で旅行に行ってバスで吐いたとか。
- 親友
- 子供の頃からの親友もいるし、大人になってからできた親友もいます。小学校のときに一番仲よかった奴と今でも会うし、例の中学校のときのシスコンの奴とも1年に1回くらい会う。お姉ちゃんの話は……俺が聞くってのもあるけど、今でもよくするかな。お姉ちゃん、結構早くに結婚しちゃったんですけど離婚して戻ってきたんですよね。心配ですね。
- 喧嘩
- 中学生のとき親友と殴り合いました。向こうがものすごく不機嫌なことに気付かずに、俺がいじったっていうのが原因ですけど、悪いことしたとは思ってないです。普段は向こうも1.5倍くらい俺のことをいじるので。1年後くらいに仲直りしました。
※記事初出時より、一部テキストに変更がありました。