コミックナタリー PowerPush - アニメ「信長協奏曲」

プロジェクト「信長協奏曲」第1弾はTVアニメ!監督が明かす「なぜ今、ロトスコープなのか」

ゲッサン(小学館)にて連載中の、石井あゆみによる戦国ドラマ「信長協奏曲」。それを原作としたTVアニメが、7月11日よりフジテレビにて放映をスタートする。フジテレビ開局55周年を記念し、TVアニメ化、連続ドラマ化および実写映画化が同時発表された一大プロジェクトの第1弾だ。

アニメで監督を務めるのは、ドキュメンタリー番組「オデッサの階段」の総合演出や、映画「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」のタイトルバックなどを手がけてきた映像クリエイター・冨士川祐輔。その世界を表現するにあたっては、実写映像をトレースする技法・ロトスコープが用いられている。コミックナタリーでは冨士川にインタビューを敢行し、「信長協奏曲」の企画の立ち上がりからたっぷりと語ってもらった。

取材・文・撮影/安井遼太郎、唐木元

 
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冨士川祐輔監督インタビュー

「やってみる?」と言われたので「やってみます」と

──まずドキュメンタリー番組やドラマなど、実写作品に長年携わってこられた冨士川監督が、アニメ「信長協奏曲」を監督することになった経緯を伺ってもよろしいでしょうか。

冨士川祐輔監督

そこ、気になりますよね。実は僕も、あんまりよく知らないんですよ(笑)。

──(笑)。

まずおととしぐらいに、フジテレビの開局55周年企画として「信長協奏曲」が、アニメとドラマと映画の3つを連動させたプロジェクトとして浮上したんですが。

──あ、最初からアニメ化と実写化はセットだったんですね。

ええ。記念企画としてスケール感を出していこうということで……それで大きな企画だし、通常のアニメのように制作会社に外注っていうような形ではなく、フジテレビの内製でやれないかと。一方で僕は、自分が手がけてきた実写作品のノウハウを生かして、TVアニメを作ってみたいとは前々から言っていたんですよ。それを企画のコアメンバーの方が覚えてくださっていたみたいで、呼び出されて。

──そこで打診を受けたと。

そうですね。「こういうのあるんだけど、やってみる?」って言われたので、「はい、やってみます」と。

──すごいですね。

詳しいことはその後に聞きましたけどね(笑)。でもとにかく「アニメ作っていいんですよね? じゃあやります」って。それくらいやりたかったんですよ。

「こんな絵、ジブリじゃないと無理」と言われた

──なぜ以前からアニメを作りたいと思われていたんですか?

そうですね。アニメって、やっぱりすごく魅力的な表現方法なんです。映像クリエイターの端くれとして、一度はやってみたいなと。実写周りだと大概のものは経験があるんですが、アニメを作る経験って、頼んだり頼まれたりしない限りは絶対できないので。もちろん簡単にできるなんて思ってないんですけど。

──実際それまでにアニメに携わったことは?

ないわけではなかったんですよ。最初は「西洋骨董洋菓子店 ~アンティーク~」という作品です。

──よしながふみさん原作で、ノイタミナの最初のころの作品ですね。

あのアニメで、1話だけ演出と絵コンテをやらせてもらったんです。そうしたらシリーズ監督から、絵コンテにものすごいリテイクをくらって(笑)。カット割りが悪いというより、アングルが難しすぎると言われたんですね。

──描くのが難しいと。

そうです。「こんなアングルで歩きながら会話されたら、スタジオジブリぐらいのスキルがないと無理」って(笑)。あと最初に絵コンテを描いたとき「200カット以内で」って言われて、僕は50カットぐらいはみ出ても大丈夫かなと思って、250カットぐらい描いたんですよ。そしたら「ありえない!」って怒られましたもの。

──ははは(笑)。50カットの重みが実写とは違うんですね。

アニメ「信長協奏曲」より。(c)石井あゆみ・小学館/フジテレビジョン

そういう試行錯誤の中で、自分で「なるほど」と思った部分と、自分のこれまでの実写での経験から得たノウハウから「これってこうやったらもっとよくなるんじゃないか」「これだともっとアニメの表現を広げられるんじゃないか」っていう部分が見えてきたんです。

──なるほど。

実写ならではのアングルだとかカット割りっていうのをうまく演出に使いつつ、でもアニメの想像する余地とか、入り込みやすさも捨てたくないという。そういう、双方のいいところをうまく融合できないかなっていうのが、今回ロトスコープを使おうと思った1つのきっかけですね。

アニメ「信長協奏曲」

アニメ「信長協奏曲」

ごくごく普通の今どき高校生サブロー。そんなサブローがひょんなことから飛ばされたのは、なんと戦国時代! そう、彼はタイムスリップしてしまったのである。自分の人生に日本の歴史なんてこれっぽっちも関係ないと思っていたサブロー。そんな彼がこの時代で出会ったのは、あの織田信長であった。歴史上とは似ても似つかないほど病弱な信長に、更に驚くべき頼み事をされる。それは、信長とサブローが入れ替わることであった……。
乱世で生きることとなってしまった平成育ち信長の、奔放奮闘記!!

7月11日より毎週金曜25:50~
フジテレビにて放送スタート
(初回のみ26:10~)
そのほかの放送局・時間については公式サイトへ

キャスト
  • サブロー:宮野真守
  • 織田信長:梶裕貴
  • 帰蝶:水樹奈々
  • 木下藤吉郎:中村悠一
  • お市:悠木碧
  • 池田恒興:興津和幸
  • 柴田勝家:小山力也
  • 前田利家:浅沼晋太郎
  • 佐々成政:三宅健太
  • 丹羽長秀:高橋伸也
  • 沢彦:緒方賢一
  • 徳川家康:福山潤
  • 竹中半兵衛:櫻井孝宏
  • 浅井長政:木村良平
  • 森可成:杉崎亮
  • 森長可:吉野裕行
  • 森蘭丸:村瀬歩
  • 足利義昭:杉田智和
  • 松永久秀:黒田崇矢
  • 織田信行:内山昂輝
  • 平手政秀:清川元夢
  • 斉藤道三:秋元羊介
  • ナレーション:小栗旬
スタッフ
  • 原作:石井あゆみ「信長協奏曲」(小学館「ゲッサン」連載中)
  • 監督:冨士川祐輔
  • 脚本:高橋ナツコ
  • 音楽:横山克
  • プロデュース:尾崎紀子
  • 主題歌:MY FIRST STORY「不可逆リプレイス」
  • 制作著作:フジテレビ
冨士川祐輔(フジカワユウスケ)

1995年フジテレビ入社。コンテンツデザイン部に所属。「オデッサの階段」などドラマ、ドキュメンタリー番組の演出を担当してきたほか、映画「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」をはじめとする映画、ドラマなどのタイトルバックを多数手がけた。またVFXディレクターとしても、ドラマ「不毛地帯」などさまざまな作品の本編合成をディレクションしている。

石井あゆみ「信長協奏曲」10巻 / 発売中 / 小学館 / 494円

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