ここ1年ぐらい、読んでいるマンガが全部アニメになっていくんですよね
──「宇宙検閲官」はヒロインの女子高生・マキが、“宇宙検閲官”のロジャーに助けられたことをきっかけに、地球を破壊しようとする“侵略者”たちに狙われていくSFですね。
設定とストーリーがめっちゃ面白いんです! 単行本はまだ3巻しか出ていなくて先が待ち遠しいんですよね……。マキがロジャーに助けてもらったことによって、マキは侵略者たちに狙われるようになるじゃないですか。これから彼女をどういうふうに守っていくのか、そもそも宇宙検閲官とは一体何者なんだろうかといった部分はすごく気になります。
──宇宙検閲官たちが持つ「絶対兵器」という特殊能力も、この作品の特徴かと思います。
「絶対兵器」は宇宙検閲官によっていろんなバージョンがあるので、次はどんなやつが出てくるんだろう?と、見てるとワクワクしてきます。ただ絶対兵器を出して戦うシーンでも、侵略者たちの規模がでかすぎるから「勝てんのかこれ!?」と思いながら読んでました。
──作中にはアクションやバトルシーンも多いと思うのですが、小西さんがここはアツい!と思った箇所ってありますか?
やっぱり絶対兵器を展開するタイミングですね。宇宙にいたりするので、どこでどう展開するのかが面白い。そして宇宙から隕石として飛来してくる侵略者たちを、宇宙検閲官たちが人知れず破壊し続けている部分もカッコいい。“緊急隕石速報”も今っぽくて、この先の未来でもありえそうだなと感じます。アニメにしたら絶対当たる作品だと思うんですよね……。
──どういった部分がアニメと相性がいいと思いますか?
絶対兵器が出てきたときの展開の仕方やアクションシーン、隕石が落ちてきたときの描写はマンガの時点ですごく迫力があるので、アニメで実際に動きがあると見え方も変わってくるかなと。アニメーションだからこそできる表現もあるだろうし、どういうふうに侵略者たちと戦っていくのか、どういうふうにビームを出して隕石を撃墜するのかとか、作画やCGがうまくいけばすごく見栄えのあるアニメーションになるんじゃないかなと思います。そういやここ1年ぐらい、読んでいるマンガが全部アニメになっていくんですよね(笑)。
──さすが、月に300冊以上も購入されているだけあります。続いて「パンプキンナイト」についてお伺いしていきますが……。
「パンプキンナイト」って話して大丈夫なんですか? けっこうグロいので作品選択リストの一番下にこっそり入れておいたんだけど(笑)。
──大丈夫です(笑)。
主人公の女の子がいじめに遭って、硫酸で顔を焼かれて、精神病棟に入れられ、街に出て復讐をしていき、邪魔な人は全員殺していくっていう……。いじめられっ子が復讐するマンガかと思って読んでいるとそれだけじゃないところがあるので面白いですよね。2部からは一気に話が変わっていくので、読むとびっくりすると思います。そもそも原作がスプラッタホラーの大先生・外薗昌也さんですからね。顔をえぐられたり腸が飛び出たり、けっこう過激な描写が多いので、そういうのが大丈夫な人にはオススメです(笑)。あ、あとパンプキンはカッコいいです!
──過激な描写が大丈夫な人向けとおっしゃってましたけど、小西さんはこういった表現は得意なんですか?
マンガとして絵で描かれているからっていうのはあると思いますが、僕はマンガのジャンルに好き嫌いないので平気です。それでも描写はかなり過激だと思うので、興味がある方はっていう感じですかね!
マンガは“みんな違ってみんないい”
──本日ピックアップしていただいた作品はどれもジャンルが異なっていて、幅広く読まれていることを改めて実感しました。ただ、Twitterにあげていらっしゃる作品のラインナップを見ていると異世界転生ものが多い印象です。そこは意識して買っているのですか?
そもそも中学生のときに読んだ水野良先生の小説「ロードス島戦記」(KADOKAWA)がきっかけで、基本的にファンタジーが好きなんですよね。そしてファンタジー作品を1冊買うと同系統の作品をレコメンドされるので、必然的にファンタジー作品がどんどん増えていってる状態です。ただ電子書籍一覧を見て「ファンタジーばっかりだな」と思ったら、違う作品を探して買うようにしています。ちょっと違う毛色が入ってくるので、そこからオススメを辿って広げていって、なるべく多岐に渡るような買い方を意識して。最近はようやく少女マンガにも手を出すようになりました。
──オススメに出てくる作品は膨大な数と思われますが、その中で面白そうだなと思うフックはあるのでしょうか。
表紙とタイトルだけしかわからないので、そこだけを頼りにしています。ただ基本的に面白くないマンガはなくて、趣味嗜好がちょっと違うだけだと思ってて。例えばイチゴが好きなのかスイカが好きなのか、ぶどうが好きなのかっていうだけであって、フルーツは全部美味しいじゃないですか。そんな感じで、マンガも“みんな違ってみんないい”と考えています。
──たしかに、まったく同じ作品って1つたりとも存在しないですもんね。
例えば異世界転生ものみたいに、同じテーマを扱ってても描く人が違うと異なった話になりますよね。特にマンガは読む人によって感じ方、捉え方、焦点の当て方が違うので、同じ1作品にしてもだいぶ見方が変わってくる。それって豊かな文化だと思うんですよ。そういった日本が作ったマンガという文化を大事にしたい、もうちょっと広めていきたいっていう気持ちがあるので、読んだ作品は全部Twitterに出すようにしています。もちろん実際に作品を手にとってみて、面白くない、不快になると感じる人もいるとは思うんですけど、その作品は選ばなければいいかなと。いいマンガはたくさんあるので、側面だけを見て「こういうマンガは面白くない」と思ってもらいたくないなと思います。よく「オススメのマンガはなんですか?」って聞かれるんですけど、「全部オススメです」っていう意見になっちゃうんですよね。今日オススメした6作品もどれもすっごく面白かったので、まずは実際に読んでみてほしいなと思います。
プロフィール
小西克幸(コニシカツユキ)
4月21日生まれ、和歌山県出身。勝田声優学院に11期生として入学後、野村道子に誘われ賢プロダクションに所属。主な出演作として「鬼滅の刃」(宇髄天元役)、「ジョジョの奇妙な物語Part5黄金の風」(ディアボロ役)、「デカダンス」(カブラギ役)など。アニメへの出演のほか、海外映画、海外ドラマの吹き替え、ナレーションなど活躍の場を広げている。2015年に第9回声優アワード助演男優賞を受賞。特技は殺陣。