福山リョウコ先生が憧れ

──天職に就いているんですね。マンガ家を志したきっかけを教えてください。

小さい頃から絵を描くことが好きで、それを仕事にできればいいなと子供ながらに思っていました。そんなときに、姉の買っていたマンガ雑誌を見てマンガ家という存在を知ったことがきっかけです。

──花ゆめ作品は読んでいましたか？

ええ、コミックス派だったのですが、確か中学生くらいの頃本屋さんで福山リョウコ先生の「悩殺ジャンキー」のコミックスの表紙に一目惚れしてからずっと、福山先生が憧れの先生です。お試しのつもりで2巻まで買って読んで、面白すぎてそのあとすぐ続きを買いに走りました。それから「学園アリス」（樋口橘）や「神様はじめました」（鈴木ジュリエッタ）など花ゆめ作品を読むようになりました。

──花とゆめを投稿先に選んだのは、憧れの先生方がいることも理由の1つでしょうか？

憧れの先生のいる雑誌であることはもちろんなのですが、作品のジャンルの幅が広いことが一番の理由です。投稿作を描いていた頃、なぜか主人公が男キャラのものが描きたい盛りの時期だったので、主人公が男でも受け入れてもらえる雑誌はどこかと考えたときに自分の中では花ゆめが断トツでした。

──確かに、花ゆめは男主人公が多いですね。今年映画化された「パタリロ！」（魔夜峰央）、今夏舞台化される「ここはグリーン・ウッド」（那州雪絵）などもそうですし。soraさんは「花ゆめらしい作品」と聞いたとき、どんな作品を思い浮かべますか？

花とゆめは幅広いジャンルの載っている雑誌だと思っているので、むしろ花ゆめらしくない作品を探すほうが難しい気がします。花ゆめに載ってればそれが花ゆめらしい作品ではないでしょうか。少女マンガでありながらなんでもありなゆえ、恋愛以外にも比重を置いた作品を描けるので、結果自由で個性的な作品が多いのかなとは思っています。

──花とゆめは45周年を迎えました。今後、どんな雑誌になっていってほしいですか？

時代によって変化はしつつも、いろいろなジャンルの作品が読める雑誌であってほしいです。

──そんな花とゆめで作品を描くにあたり、soraさんがご自分に課していること、ルールなどがありましたら教えてください。

攻めた表現やネタは「さすがに描いちゃダメかもな」とセーブしそうになるのですが、花ゆめは割と思ったより許容範囲の幅が広いので、一旦描いて出してみることを心がけています。

──例えば、どんなネタをセーブしそうになりましたか？

そもそも作品自体セーブしそうになったといいますか、ネームを描いた後担当さんに出すかどうか迷いました。でもOKだったのでそれからはどの程度の“死ネタ”までは描いていいのかなというところで毎回迷っています。