劇場版「名探偵コナン 紺青の拳」山口勝平(怪盗キッド役)インタビュー|キッドが出てくるお話は、これくらい派手でOK!“人間離れした”京極、“信頼している”コナンを語る

快斗と新一はいい友人に? ……それはどうでしょう(笑)

──キッド個人としてはどうでしょう? 最初の頃と現在とでは、イメージが変わってきた部分はあるのでしょうか。

今回の劇場版の中でもそんなに“キッドキッド”してしゃべっていないんですよね。コナンくんと一緒にいるときは、かなりニュートラルな状態になっている。黒羽快斗の部分で接していることのほうが多くなってきたのかなとは思います。

──「コナン」に登場し始めた頃のキッドは、もう少しミステリアスな雰囲気がありました。

そうですよね。最近は「レディース&ジェントルメン!」なんて言いませんからね(笑)。

──あはは(笑)。確かにあまり聞かなくなりました。

「名探偵コナン 紺青の拳」より。

以前よりも黒羽快斗という1人の青年の部分が色濃く出るようになった気がします。それも「天空の難破船」のあたりから砕けてきたのかなと。あのヤギを撫でていたあたりから(笑)。

──そういったキッドの姿を見ていると、快斗と新一はいい友人関係になれるんじゃないかなと思ったりもするのですが。

いやあ、どうでしょうねえ? どうなんでしょうかね?(笑) 結局のところは追う立場のものと、追われる立場のものですからね。

──なるほど……。ちなみに、山口さんは「名探偵コナン」で工藤新一と怪盗キッド、似た顔の2人のキャラクターを演じていますが、演じ分けはどういうふうに考えているのでしょうか。

「名探偵コナン 紺青の拳」より。

それはもう感覚的なものですね。声も特別変えているわけではなく、それぞれに“工藤新一エッセンス”と“怪盗キッドエッセンス”みたいなものをちょっとずつ分けるという感じ。キッドが出てきてくれたことによって、意外と新一はクールなキャラクターではなく、熱血タイプなんだなっていうことがわかりました。なのでどちらかというとキッドにクールな部分を残して、新一からはそういう部分を削っていって。新一をアツい性格のキャラクターにしてみたら、意外と「あ、これでいいかも」と思うようになりました。

──確かに新一は物事に真っ直ぐで、キッドのほうが少し飄々としている印象があります。そういった部分も山口さんのお芝居から感じました。

あとは観てくれている皆さんが、そう聴き分けてくれている。僕自身の演じ分けとしては、新一のほうが真っ直ぐ見据えてしゃべっていて、キッドのほうが上から見下ろしているような感じ。そういうイメージを持ちながら演じています。

懐かしくも新しいキッドのコスチューム

──先日、金曜ロードSHOW!で「世紀末の魔術師」が放送された際にはSNSも大きく賑わっていました。中には「キッドが初恋」と語るファンの方もいて。

……やっぱり、あの頃のキッドのほうがみんな好きなんですかね?(笑) 皆さんの反応を見ていて、キザなキッドのほうがお好きなのかなって思ったりしました。

「名探偵コナン 紺青の拳」より。

──ちょっとミステリアスでキザなところがあって、幼心にはいわゆる少女マンガのヒーローっぽいキッドに惹かれるところがあったのかもしれないですね。

でもねえ、小学1年生の女の子の家のベランダに飛び降りて、「飛び続けるのに疲れて、羽を休めていたただの魔法使いですよ」みたいなこと……(笑)。改めて観て、ちょっと「ふふ」って笑っちゃいました。

──そんなキッドがカッコいいと思います(笑)。そんなふうに少女たちの“初恋”でありながら今も愛され続けているキッドですが、山口さんは彼の人気の理由はどこにあると考えていますか?

山口勝平

やっぱり、白いシルクハットにタキシードにマントという、キッドのあのビジュアルからしてカッコいいですよね。(黒羽快斗を主人公に描く)「まじっく快斗」自体が青山先生の中でも初期の作品ですから、怪盗キッドのキャラクターデザインもずいぶん前にされているものだと思うんです。アイコン的にキャラクターの出で立ちを作り込んであったと思うんですが、どこか懐かしい雰囲気のデザインでありながら、かえって今だと新しく感じるというか。今日劇場で観ていても思いましたけど、やっぱりキッドのコスチュームはすごく映えますよね。そういったシルエットからも魅力を感じさせるキャラクターだなと思います。

──キッドの存在は目を引きますし、彼がいると画面が華やぎますよね。

日本で“名探偵”といえば金田一耕助や明智小五郎が挙がると思うんですが、例えば今、街頭インタビューで「名探偵といえば?」と聞いたら、そのあたりを飛び越えて「コナン」と答える人も多いんじゃないかと思うんです。それくらい大きな存在になっていると感じるんですが、キッドも「コナン」に出るようになってから認知される部分は大きくなったと思いますし、同じように「怪盗といえば?」という質問をしたら「怪盗キッド」と答えてくれる人も増えてるんじゃないでしょうか。

劇場版を観て一番気になったのは……

──では改めて、今回の劇場版の見どころを教えてください。

たっくさんありますよ。今回は海外が舞台ということで、圧倒的に映像がきれい。すごく細かく描写されているので、観ていたらシンガポールに行きたくなりました(笑)。そこは本当にスタッフさんたちが熱を持って作ってくださっているんだなと思います。あとは、物語的にはコナンとキッドがずっと一緒の時間を過ごして、共闘する。それが1つの軸としてある中で、もう1つの軸である京極さんと園子の話もうまく組み合わさってくるんです。それに魅力的な敵キャラクターも登場します。なのでどのキャラクターの目線で見るかで、物語の見え方や感じ方も変わるのではないかなと。とは言いつつ、意外と登場人物は少ないので、それが話をわかりやすくしている要因なのかなと思います。見どころとなると……やっぱり今回はアクションなのかなあ。

京極真 鈴木園子

──相当な迫力がありますもんね。

後半は手に汗握る、ドキドキするアクションが楽しめると思います。人間離れした京極さんのアクションが楽しめる一方で(笑)、彼のメンタルも描かれているので、そのあたりも注目かなと。彼の弱さみたいな部分も垣間見えるので、そういったところを見ると「やっぱりまだ高校生なんだな」って安心もしました。あとは……今日試写を観ていて一番気になったのが、エンディングでみんなが飛行機で帰国するシーンがあるんですけど、あのときのコナンくんはまたスーツケースの中に入ってるのかなって気になって(笑)。

キッドにメガネ、腕時計、服などをすべて奪われたコナンは、その正体に気付いていない蘭に名前を聞かれ、咄嗟に「アーサー・ヒライ」と名乗る。 キッドにメガネ、腕時計、服などをすべて奪われたコナンは、その正体に気付いていない蘭に名前を聞かれ、咄嗟に「アーサー・ヒライ」と名乗る。

──確かに……コナンくんの姿は映されてなかったですね(笑)。

……見どころを聞かれて、答えるのはそこじゃないだろうって感じですよね(笑)。

山口勝平
劇場版「名探偵コナン 紺青の拳」
2019年4月12日(金)全国ロードショー
スタッフ / キャスト

原作:青山剛昌「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)

監督:永岡智佳

脚本:大倉崇裕

音楽:大野克夫

声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、山口勝平 ほか

製作:小学館、読売テレビ、日本テレビ、ShoPro、東宝、トムス・エンタテインメント

配給:東宝

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山口勝平(ヤマグチカッペイ)
山口勝平
5月23日生まれ、福岡県出身。声優、俳優として活躍。芸能プロダクション悟空代表。1989年にTVアニメ「らんま1/2」の早乙女乱馬役で主演を務める。そのほかの主な代表作に「名探偵コナン」(工藤新一 / 怪盗キッド役)、「犬夜叉」(犬夜叉役)、「ONE PIECE」(ウソップ役)、「魔女の宅急便」(トンボ役)など。近年は立川志ら乃に師事し、落語家に挑戦している。