「こういうシーンを読めてよかった」少年マンガの“王道”堪能
──お次の作品は「黒牛」です。剣と魔法の世界を舞台にした「武士として正々堂々後ろから暗殺します」とは打って変わって、和風かつダークな世界観です。
「黒牛」は読ませていただいた3作品の中で、絵が一番好きです! キャラクターデザインも凝っていて、カッコいいなと思いました。それにアクションシーンがすんなりとわかりやすかったように感じます。
──縦スクロールのマンガは、スワイプのスピード感でアクションシーンに迫力を持たせやすい点も強みの1つですね。
なるほど、確かに。特に「黒牛」のアクションシーンは疾走感がありますよね。アクションに着目すると第1話で黒牛が現れてからの一連の場面がカッコいいなと思います。主人公の青灯も含めてどういう人物なのかという自己紹介パートにもなっていて、わかりやすい。(マンガを眺めながら)とにかく絵がきれいですね……。
──作家さんも喜ばれると思います! ストーリーの面ではいかがでしたか?
青灯の師匠であり育ての親・水蓮の悲しい展開は「ああ……」と落ち込みました……。でも、その出来事が青灯にとって強くなりたいと思えるきっかけになり、物語にも必要な展開ですから。僕はやっぱり少年マンガの王道のような展開が好きなので、こういうシーンを読めてよかったと思っています。
──最後は「洗浄のダンタリオン」。こちらは周囲には言えない力を持つ少年・デルと火の神であるアグニの共闘を描いたバトルアクションです。
3作品の中では、「洗浄のダンタリオン」のストーリーが一番好きでした! 僕は正直デルのように妖精と話したりできる能力は欲しいとは思わないんですが、人にないものを持っているという点ではうらやましいなと思います。今後の展開はまだわからないですが、きっと小さくなってしまった神のアグニがデルに力を貸して強くなっていくのではないかなと。そういう展開も少年マンガらしくていいですよね。特別な力を活かして、さまざまな人の問題を解決してほしいなと思います。
──3話はとても気になる終わり方をしていたので、続きが気になる方も多いと思います。
そうですね、3話目のいいところで終わっていて、引きの作り方がとてもうまいなと思いました。こういうふうに気になることの積み重ねがあって、いつの間にかハマっていっちゃってるんだと思います。
──先ほど荒牧さんがおっしゃった通り今後の展開はまだわかりませんが、逆にどういう展開を見てみたいですか?
例えば、アグニが主人公に憑依して強くなるけど、力を貸した反動で2人の身体が離れてしまって……というようなシーンを見てみたいです。僕のように少年マンガが好きな読者にすごく突き刺さるんじゃないかな、と思います。でも少年マンガって敵キャラにも魅力がないとダメだなと思っていて。
──なるほど。
「DRAGON BALL」でいうとベジータは敵でもありカッコいいライバルでしたし、「NARUTO-ナルト‐」も大好きなんですが、暁のメンバーに惹かれていました。ああいうふうに、敵だけど魅力的なキャラクターがいることも作品が人気になる要素なんじゃないかなと考えているんです。「洗浄のダンタリオン」にも今後そういう悪役が出てきたらいいな、と思いました。
──これからとてもカッコいい悪役が出てくるかもしれませんね。
そうですね、期待しています!
バンダナコミックで読んでみたいジャンルは?「あったらいいな」を考えてみる
──今回バンダナコミックのオープンに先がけて、第1弾作品を誰よりも早くご覧いただきました。これらの作品はどういう人にオススメしたいですか?
公開よりひと足先に読ませていただき、本当に光栄でした。誰に、と考えると難しいんですが、本当に3作品とも万人受けするストーリーだと思います。まだバンダナコミックのイメージを固定していきたくはないので、皆さんにとりあえず読んでみてほしいですね。
──より多くの方に楽しんでいただきたいですね。ちなみに、荒牧さんが今後「バンダナコミックでこういう作品を読んでみたい」と思うものはありますか?
ギャグマンガがあるとうれしいですね! アクションシーンが豊富な作品は読ませていただきましたし、ギャグマンガのほかにラブストーリーもあれば、バランスがよくなっていろんな方が気になるんじゃないかなと思います。週刊少年ジャンプなどいろんな雑誌を読みますけど、バランスがいいといろんなジャンルの作品を楽しめてうれしいですよね。楽しみにしています!
プロフィール
荒牧慶彦(アラマキヨシヒコ)
1990年2月5日生まれ、東京都出身。2012年、「ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン」(甲斐裕次郎役)で本格的に俳優デビュー。主な出演作に、「舞台『刀剣乱舞』」(山姥切国広役)、「『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage」(白膠木 簓役)など。またプロデューサーとして「演劇ドラフトグランプリ」「荒牧慶彦俳優10周年記念公演『殺陣まつり ~和風三国志~』」などを手がけた。4月5日からは企画・主演を務める剣劇「三國志演技~孫呉」が東京・明治座で上演される。