「転生したらスライムだった件」岡咲美保インタビュー|小説の全内容を1人で朗読 ガゼル王もガビル様も!みーんなCV:岡咲美保

保育園の先生みたいなテンションで読んだ「ゴブタの大冒険」

──この取材時点で1巻の収録はすべて終了していますが、登場するキャラクターの中から、リムル以外で特にお気に入りのキャラクターを教えてください。

岡咲美保

好きなのはゴブタです! これはいろいろなところで言っているのですが、最初にコミックを読んだときから大好きなキャラクターなんです。Audible版1巻の最後には、ゴブタが主人公の外伝「ゴブタの大冒険」も収録されているのでセリフも多かったのですが、ゴブタはすごく楽なんですよね(笑)。気軽にできるという意味の「楽」と言うよりは、気持ちが楽しくなるほうの「楽」なんです。

──脳天気なムードメーカータイプのキャラですからね。

きっと、楽な気持ちで演じたほうがゴブタの破天荒さというか、意識してないのんきな感じがよく出るんだろうなと思ったんです。いつも鼻歌を歌っているようなテンションで、泊さんの「~~ッス」という言い回しもすごく好きだったので、それを自分で演じさせて頂く機会を頂けたことが楽しかったです。

──「ゴブタの大冒険」のナレーションは、本編のナレーションとは異なり、よりやさしく女性的な印象を受けました。どのような狙いがあったのですか?

「ゴブタの大冒険」の冒頭シーン。

小説の本編では、「転スラ」という作品のよりシリアスな部分の重みが出ていたと感じたので、巻末の「ゴブタの大冒険」は、皆さんに力を抜いて気軽に聴いてほしいなと思ったんです。どうやったらそういう空気が出せるのかなと思ったとき、保育園の先生が小さい子に読み聞かせをするようなテンションが一番、童心に戻れる音というか、浸れるテンション感かなと思ったので。ゴブタをちょっと遠くから見ているやさしいお姉さんが、「ゴブタがまたこんなことをしています」みたいなテンションで読むという立ち位置で読ませていただきました。

──では、特に演じるのが難しかったキャラクターや、このキャラのお芝居は特に聴いてほしいなと思うキャラクターもいれば教えてください。

難しかったのは、ヴェルドラさんですね。

主人公リムルと暴風竜ヴェルドラの出会いのシーン。

──異世界に転生したリムルが最初に出会う巨大な竜で、アニメでは前野智昭さんが演じています。

難しいだろうと思って挑んだのですが、実際にセリフを声に出してから録音したものを聞いたとき「やっぱり、前野さんって本当にすごい!」と思いました。かわいらしいところもあるけれど威厳があって、実際に最強のモンスターというオーラを出すことにすごく苦労したんです。リムルとの対比を出したいのですが、ちょっとかわいらしい感じを出そうとすると、どうしてもリムルっぽい響きが出てきてしまう気がして、そこの調整がとくに難しかったです。あと、皆さんにぜひ聞いてほしいなと思うのは、シズさんですね。

アニメ「転生したらスライムだった件」のヴェルドラ。
アニメ「転生したらスライムだった件」のシズ。

──リムルと同じ世界から召喚された女性で、「爆炎の支配者」という異名も持つ元・英雄ですね。アニメでは、花守ゆみりさんが演じていました。

シズさん目線の語りがあったというのが、自分の中では一番新鮮なポイントだったんです。シズさんの過去を振り返るときや、リムルと出会ったときに思ったことを、リムル目線から想像したり見たりするのではなくシズさんの中に入り込んで見るのは、今回が初めてだったので。リムルと同じ世界から召喚されたシズの気持ちを、(アニメで)リムルをやった自分がやっているというのは、客観的に見たとき、面白い構図だなと感じたんです。だから、皆さんにもそういう目線でも聞いて頂けたら面白いかなと思っています。

──個人的には、魔獣の吠える声なども岡咲さんが演じていることが印象的でした。

ブレードタイガーの登場シーン。

魔獣の声もすごく難しかったです! 例えば、「ガオー」みたいに書かれている文字に忠実に音にするのか、その生き物のイメージに忠実にするのか、その塩梅が難しくて。虎のようなモンスター(ブレードタイガー)を演じたときには、YouTubeで「虎 鳴き声 威嚇」と検索をして(笑)。動画を観ながら、どうやって読むかを考えたんです。でも、やっぱり男性にやっていただくほうがタイガー感をうまく出せそうだと思ったので、収録の前にいろいろな方にお手本を見せていただいて。最終的には、監督にやっていただいたものを参考にさせていただきました(笑)。あと、シズがまだ子供のとき、友達と一緒にかわいがっていた(風狐の)ピズも私がやると超音波のようなすごく突き抜けた音になってしまって(笑)。そこも、苦戦しました。

ガビル様のことを考えると、同時に福島さんの顔が出てくる(笑)

──5月24日から「転スラ」1巻の配信が開始されましたが、どのような気持ちで聴いてほしいと思いますか?

岡咲美保

アニメ版の「転スラ」は皆さんの中で大きく印象に残っていると思うんですけれど、リムル役の声優が、リムル目線を取っ払っていろんな役をやってみるとこういう感じになるんだなというところの面白さは、ある意味、自分が声を当てる側だからこそ感じられるものだとは思うんです。でも、お客様にもアニメとはまた違う新鮮な感覚を一緒に味わって聴いて頂けたらすごくうれしいです。

──2巻以降も順次配信予定とのことですが、今後登場するキャラクターの中で特に演じることが楽しみだったり、とくに難しそうだなと思ったりしているキャラクターを教えてください。

アニメ「転生したらスライムだった件」のガビル。

やっぱり……ガビルです(笑)。

──あはは(笑)。妙に自信家なリザードマンの首相の息子ですね。アニメでは、福島潤さんの好演もあって、非常にコミカルでインパクトも強い人気キャラクターになりました。

「転スラ」は、どのキャラクターも個性がすごく強いので、そこを大事にしていきたいんですけれど、その中でもガビル様は……。ガビル様のことを考えると、同時に福島さんの顔が出てきちゃうんですよね(笑)。福島さんが演じられていたキャラクターに対して、どれだけがんばって体当たりしていけるのかは自分との勝負でもあります。皆さんにクスっと笑ってもらえるくらい、自分の殻をやぶったところを見せていけたらいいなと思います。

すべて私の声で読んだものを聴いていただけることは、すごく光栄

──Audibleのユーザーは、歩きながらや電車での移動中、料理をしながらなど、さまざまなスタイルで作品を楽しんでいるようです。岡咲さんは、どのようなスタイルでAudibleを楽しみたいと思いますか?

岡咲美保

自分はどちらかというと1つのことに没頭するのが好きだし、不器用なタイプなので、何かをしながら聞くというよりはどっぷりとその物語にハマれる状況を整えてから楽しみたいです。本を読むときも、その作品世界にガッと入り込んで頭の中でしっかりと朗読しながら読んでいるので、読むのがすごく遅いんですよ。でも、ほかの声優さんが読んでくださっているなら、私でもすごく小説を手に取りやすくなると思いました。それに、役者目線で聞くと「この声優さんは、ここをこんなふうに読むんだ」ということも、すごく勉強になりそうですよね。声優志望の方なら、そういう楽しみ方もできるのかなと思います。

──最後に、「転スラ」を小説から楽しんでいるファンの方と、アニメは観たけれど、まだ小説は読んだことがないファンの方、それぞれに向けてのメッセージをいただきたいのですが。まずは、小説からのファンの方に向けてお願いします。

小説をずっと読んでこられているファンの方に、すべて私の声で読んだものを聞いていただけることは、すごく光栄でもあるし、ドキドキすることでもあります。小説を何回も読んでくださっている方が、改めてAudibleを聞いたとき「おもしろいじゃん」と思ってくれたり、掛け合いでプッと笑ってくださったりしたらいいなと思っていて。そういう皆さんの笑顔を想像しながら、何時間もの間、マイク前でさまざまな役に向き合わせていただいたし、そのことが一番のモチベーションになっていました。だから、私が朗読したバージョンの「転スラ」の世界を、小説からのファンの皆さんにも楽しんでいただけたらうれしいなと思っています。

──ありがとうございます。次に、まだ小説を読んだことがない人にもメッセージを。

岡咲美保

先ほども言ったのですが、自分は小説を読むのがすごく遅いので、どうしてもアニメやマンガを観たり読んだりする機会の方が多いんです。でも今回、小説を改めて声に出して読んでみて、小説にはアニメではやってない話も書かれているし、言葉も多い分「転スラ」という世界をさらに広く楽しめるなと思ったんです。だから、まだアニメしか観ていらっしゃらない方が小説も楽しんでくださったら、新しい発見もたくさんあるはず。しかもAudibleなら、もっと多くの方に気軽に楽しんでいただけるはずですよね。そういうふうに「転スラ」の小説を楽しんでいただく新しいきっかけにもなると思うので、今まであまりラノベを読んだことがない「転スラ」ファンの方にも聞いてもらえたり、Audibleを聞いて「小説も買ってみようかな」と思って頂けたりしたら、すごくうれしいです。よろしくお願いします。

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解説

なんということもない人生を送っていた三上悟は、通り魔に刺され37年の人生に幕を閉じた……はずだった。ふと気がつくと、目も見えなければ、耳も聞こえない……。そんな状況の中、自分があの“スライム”に転生してしまったことに気づく。最弱と名高いモンスターであることに不満を感じつつも、お気楽スライムライフを満喫する三上悟だったが、天災級のモンスター“暴風竜ヴェルドラ”と出会ったことで運命は大きく動き出す。
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平坂読「妹さえいればいい。①」
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朗読:猪股慧士、綾瀬有

再生時間:5時間47分

解説

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渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。①」
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朗読:石井一貴、戸田めぐみ

再生時間:7時間9分

解説

友情も恋愛もくだらないとのたまうひねくれ男・八幡が連れて来られたのは学園一の美少女・雪乃が所属する「奉仕部」。もしかしてこれはラブコメの予感!?……のはずが、待ち構えるのは嘘だらけで間違った青春模様!

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再生時間: 9時間50分

解説

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岡咲美保(オカサキミホ)
岡咲美保
11月22日生まれ。2017年に声優デビュー。2018年にTVアニメ「転生したらスライムだった件」にて初主演を務める。

2019年6月21日更新