Audible「転生したらスライムだった件」 PR

「転生したらスライムだった件」岡咲美保インタビュー|小説の全内容を1人で朗読 ガゼル王もガビル様も!みーんなCV:岡咲美保

伏瀬のライトノベル作品「転生したらスライムだった件」が、本を耳で楽しむオーディオブック・Audibleに登場。TVアニメ版で主人公・リムル役を演じていた岡咲美保がナレーターを務め、地の文からキャラクターのセリフまで小説の内容をすべて1人で朗読している。

コミックナタリーではAudible版の配信開始を記念して、岡咲にインタビューを実施。アニメ版でほかの声優が担当していたキャラクターを自身が演じる面白さや、Audible版ならではの「転スラ」の魅力などを語ってもらった。

取材・文 / 丸本大輔 撮影 / 武田真由子

すごい量の台本が届いて「これはどういうことなんだろう?」って

──今回のAudible版「転生したらスライムだった件」では、岡咲さんが1人で小説の全内容を朗読しています。まず朗読をするということが決まったときの率直な感想からお聞かせいただけますか。

Audible版「転生したらスライムだった件」1巻

最初にお話を聞いたときは、(アニメでも演じた)リムル役だけをやらせていただけるのだと思っていたんです。でも、資料としてドサッとすごい量の台本(小説を見開きごとに印刷したもの)が届いて……「これはどういうことなんだろう?」と。どうやら私がすべてをやるらしいということを知りました。私は、それまでリムル目線でしか「転スラ」という物語を見たことがなくて。ほかのキャラクターはそれぞれのキャストさんがやっていらっしゃる中、自分はリムルというピースと、ナレーションというピースだけをやらせて頂いている感覚だったので、正直、「楽しみ」と「不安」のどちらかで言えば、「不安」の方が大きかったかなと思います。どうやって、私1人で作品の世界観を作っていけばいいのかなと考えました。

──過去に朗読のお仕事をしたり、養成所などで朗読について学んだりといった経験はあったのですか?

高校の時は放送部に入っていて、朗読の全国大会に出たこともあるんです。もちろん、部活レベルのものではあるのですが、基本的な読み方などはそこで鍛えられていたので、朗読自体に対する緊張感みたいなものはあまりなかったかもしれません。

──では、声優としてデビューした後も、朗読の仕事をやってみたい気持ちは強かったのでしょうか?

すごくやってみたかったです! 放送部のときに出ていた大会では、審査員の方はアナウンサーの方が多くて、なるべく原稿に忠実に読むことが正しいとされていました。だから自分の場合、声を作っていたわけではないのですが、アニメ声で読んでいると思われてしまったり、「表現をもう少し抑えた方が心地いいですよ」と言われたりすることが多かったんです。でも「声優の岡咲美保」としての朗読であれば、また違った表現が出来ると思っていたので朗読をさせてもらえる機会はすごく欲していたというか。やってみたいなと思っていました。

──部活の時は、声質のせいで「声を作ってるんじゃない?」と思われることがよくあったわけですね。

岡咲美保

はい。「むしろ、声を低くしているのになあ……」なんて思っていました(笑)。

──アニメの収録と朗読に関して、大勢のキャラクターを演じること以外にも、心構えなどで異なることがあれば教えてください。

アニメの場合は皆さん「楽しみたい」といった気持ちで観てくださっているものだと思うので、臨場感や熱量などを大切にしているんですけれど、朗読は「落ち着きたい」ときにも聞くものだと思うんです。リムルの声も、私自身の声も、割とハキハキしている印象だと言っていただくことが多いのですが、Audibleは長時間聴いていただくものなので、聴いている方が疲れないような感じで読めたらいいなと思っていました。変な話、ちょっと眠いくらいのときでも聴けるようなテンポ感や声質にしたいと考えながらやらせて頂きました。

自分も同時に物語を読み進めていくようなテンポで読んだ

──Audible版「転スラ」第1巻の収録は、全部で30時間くらいかかったそうですが。最初の収録の際には、どのような準備をして、どのような気持ちで臨まれたのか教えてください。

1回の収録は3時間くらいずつだったのですが、あれだけの分量の原稿を読むという収録自体が初めての経験だったんです。だから、当然原稿のチェックはしていましたが、あまりチェックしすぎないようにしようとも思っていました。自分の中でイメージを固めすぎてしまうと、現場で監督さんたちから「こうしたほうがいいよ」というディレクションをいただいたとき、柔軟に対応しようと心で思っていても、私はどうしても固まっちゃって変えられない部分が出てきてしまうんです。それを避けるために、ほかのキャラクターのことなどについては、あえてふわっとさせていたというか、未知の部分を大きくして収録に臨みました。現場での声を大事にしたかったんです。

──「どちらかと言えば『不安』の方が大きかった」と先ほどはおっしゃっていましたが、収録当日もその気持ちに変化はなかったのですか?

1巻の最初の語りが三上悟から始まるんですよね……。

サラリーマン・三上悟と、後輩・田村の彼女である沢渡美穂の会話シーン。

──冒頭で37歳のサラリーマン三上悟が異世界に転生し、スライムのリムルになりますね。

リムルって、心情的には三上悟とほとんど変わらないんです。でも、自分で三上悟を演じるとなると、どうしても(アニメで三上を演じた)寺島(拓篤)さんのお声と比べてしまう。聞いてくださる方も絶対にそういう面はあるだろうと思ったので、やはりドキドキしました。もちろん、「やってやるぞ!」という気持ちでしたが「できるかな……」みたいな気持ちも正直ありました(笑)。

──実際に、1巻の収録を終えての感想も教えてください。

いつも自分が台本や小説を読む時は、脳内で(すべての)キャラクターの声を再生しているんですね。だから「こういう雰囲気かな」と思いながらスタジオへ行ったのですが、実際にすべての文字を言葉に出して読むと、やっぱり難しいなとすごく思いました。言い回しが難しい言葉も多いので、気持ちをうまく伝えたいのだけど、硬くなり過ぎたりするところがどうしても出てきてしまうんです。さらに、自分がAudibleで初めて役をやらせてもらうキャラクターが、三上悟をはじめとして何十キャラもいたので……。自分の中の正解を探すのに、けっこう時間をかけました。

──難しさとは逆に、朗読ならではの楽しさもありましたか?

岡咲美保

ゲームやアニメだとセリフの尺が決まっていて、それに合わせていくことになるのですが、朗読は自分のペースをベースに、物語に合わせて読むスピードを調節できるので、それがとても心地よかったです。自分も同時に、その物語を読み進めていくようなテンポで読ませていただきました。お客様に聴いていただくものとして世には出るのですが、ある意味、自分の趣味みたいな感覚もあったというか……。声優を目指していたとき、試しに本の朗読をしていたので、そういう時間を思い出して、その頃の自分とちょっと重なったこともうれしかったです。ほかではできない経験というか、感覚だったと思います。

──学生の頃、声優に憧れて1人で朗読をしていた女の子が、自分のアニメ初主演作の小説の朗読をするというのも、素敵な話ですね。

本当にそうなんですよね。時の流れというか、今の状況のありがたさみたいなものに、ジーンとしながら、心地よい気持ちで読ませていただきました。

「ガ、ガゼル王ですか……よ、よーし」みたいな感じ(笑)

──アニメでも岡咲さんが声を担当していたリムルに関しては、アニメと同じ感覚で演じたのですか? それとも朗読ということで、アニメとは違う意識もあったのでしょうか?

岡咲美保

朗読なので、最初はコミカルな感じを少し抑えるというか、アニメよりも少しだけシリアスな面を多くしようと思っていました。言葉で表現するのは難しいのですが、(異世界での生活が)「楽しい!」という感覚よりは、「楽しもうとしている俺」みたいな感じにフォーカスして読んだんです。でも監督さんから「リムルが楽しそうだったり、悲しそうだったり、という感情の幅が出ている方が聞いていても楽しいので。小説の朗読ですが、そこは大事にしていきたい」というアドバイスをいただきまして。そこからは意識を切り替えて、アニメ同様にすごく弾けた感じでやらせていただけましたし、収録を進めながら、改めてAudibleはこういうものなんだなと理解することができました。学生の頃に聞いていた朗読CDよりも柔らかくて、そこが今回のようにライトノベルを音にする良さなのかなとすごく思いましたし、それを大事に読みたいと思いました。

──アニメで「転スラ」に興味を持った人も、より聴きやすい朗読になっているわけですね。

そうだと嬉しいです。小説とアニメの中間というか。小説への導入編としても、入りやすい存在になればいいなと思います。

──ほかのキャラクターを演じる際は、アニメでの共演者の方々の芝居はどの程度意識しましたか?

自分が1人で朗読する中、ほかのキャストの皆さんが作りあげてくださった世界観やキャラクターにどれだけ近づけるのか、ということを考えていました。なので、皆さんのお芝居を自分の理想として持っていながらも、「私がやるなら、こういうクセを付けた方がキャラクターらしさが出るんじゃないかな」と考えながらやらせていただきました。自分の声帯でやるとなると、どうしても(声の)響きは変わるので。それは、すごく楽しかったのですが……難しかったところでもあります(笑)。

──美少女キャラがいっぱいで、キャストの大半が女性声優さんのような作品であれば難易度ももう少し下がったと思うのですが、「転スラ」は男性キャラも多いですからね。

そうなんですよ。女性と男性の声帯の違いってありますし……。

──しかも、年配の男性キャラも多い作品なので、かなり難しかったと思います。

自分がリムル役でアニメに出演させていただけることになったとき、「こんなにもいろいろな先輩方とご一緒できるんだ。すごい!」と思ったのですが。まさか、そのキャラクターたち1人ひとりを私がやることになるなんて。「ガ、ガゼル王ですか……よ、よーし」みたいな感じでした(笑)。

ドワーフの王・ガゼル王と、かつてガゼル王に仕えていたカイジンの会話シーン。

小説「転生したらスライムだった件」より、画像左下の人物がガゼル王。

──アニメでは、大ベテランの土師孝也さんが演じられたドワーフの王ですね。朗読以外では、女性声優さんが演じる機会は99%ないタイプのキャラクターだと思います(笑)。

なかなかないことですよね(笑)。あと、ゴブタの収録をするときには、アニメで演じられている泊(明日菜)さんに、「どういうふうに演じているんですか?」と聞いたりもしたんです。アニメでは、リムルという自分の与えられたキャラクターに向き合うことばかりやってきたので、すごく新鮮な感覚でした。

伏瀬「転生したらスライムだった件①」
配信中
ボイスブック版「転生したらスライムだった件①」

Audible版 3500円

Amazon.co.jp

朗読:岡咲美保

再生時間:9時間47分

解説

なんということもない人生を送っていた三上悟は、通り魔に刺され37年の人生に幕を閉じた……はずだった。ふと気がつくと、目も見えなければ、耳も聞こえない……。そんな状況の中、自分があの“スライム”に転生してしまったことに気づく。最弱と名高いモンスターであることに不満を感じつつも、お気楽スライムライフを満喫する三上悟だったが、天災級のモンスター“暴風竜ヴェルドラ”と出会ったことで運命は大きく動き出す。
アニメで主役・リムル役を演じた岡咲美保が、小説の内容を1人で全て朗読する「転スラ」ボイスブック版!

岡咲美保(オカサキミホ)
岡咲美保
11月22日生まれ。2017年に声優デビュー。2018年にTVアニメ「転生したらスライムだった件」にて初主演を務める。