ナタリー PowerPush - T.M.Revolution
新曲「FLAGS」掲げ再加速 震災復興プロジェクトへの意欲を語る
「STAND UP! JAPAN」では“西川貴教”を出したくない
──そして起ち上げた「STAND UP! JAPAN中央共同募金会」ですが、このプロジェクトにおける“T.M.Revolution”や“西川貴教”の存在は、かなり控えめですよね。
「西川がやってます」っていうのが嫌だったんです。例えばTwitterでも最初は便宜上「#TMR_j」っていうハッシュタグを使っていましたが、プロジェクトの名前が決まって、専用のアカウントができた段階でそれを一切放棄したいと思いましたし。ホームページにも僕の顔写真は一切出していませんし。きっかけは確かに僕だったかもしれない。でもそうじゃないんですよね。そういう気持ちを持った人たちの1つの集合体だっていうところが一番大事だから。
──その、西川さんを中心にいろんな人が集まって1つのことを成し遂げていく、という形はT.M.Revolutionにすごく似ているような気がするんですが。
そうですよね(笑)。なんかどうやらそういうことみたいです。
──やっぱり(笑)。
今までもそうなんですけど、僕は1人で全部をやるっていうタイプじゃないんですよね。周りとのつながりでひとつのことを進めていく中で、それが大きなものに変わっていく。
──人を巻き込んで流れを作るというか。
なんか巻き添えになった人たちに申し訳ないですけど(笑)、どうやらそういう性質みたいですね。
地域をサポートしていくプロジェクトに
──逆に言うと、西川さんがT.M.Revolutionだからこそ「STAND UP! JAPAN」もこういう形になったのかな、と思うんです。西川さんにT.M.Revolutionとしての15年間の活動がなくて、単なる有名なタレントさんだったとしたら、まったく別の形になってたんじゃないかと。
それはあるかもしれないですね。
──「STAND UP! JAPAN」の将来的なビジョンについてはどう考えていますか?
もちろん今回の震災とか、今後も有事の際にはこの「STAND UP! JAPAN」っていうのが前面に出て、そのきっかけ作りになっていくと思うんですけど、将来的にはそれだけじゃなく、地域の問題みたいなものを一緒に考えていけるような組織にしていけたらいいなと。
──なるほど。
だから募金だけじゃなくて、少しずつですけど「STAND UP! JAPAN」で各地のイベントやいろんなことをサポートしていこうっていう動きも始めてるんです。これからもプロジェクトの形はどんどん変わっていくと思いますね。
T.M.Revolution(てぃーえむれぼりゅーしょん)
1970年滋賀県生まれの西川貴教によるソロプロジェクト。1996年5月にシングル「独裁-monopolize-」でメジャーデビュー。キャッチーな楽曲や完成度の高いステージ、圧倒的なライブパフォーマンスで人気を集め「HIGH PRESSURE」「HOT LIMIT」「WHITE BREATH」「INVOKE」「vestige」などのヒット曲を連発する。故郷・滋賀県から初代「滋賀県ふるさと観光大使」に任命され、2009年からは滋賀県初となる大型野外ロックフェス「イナズマロック フェス」も主催(今年は9月17、18日に開催)。2011年4月には約6年ぶりとなるオリジナルアルバム「CLOUD NINE」を発表し、38会場44公演におよぶ全国ホールツアーも実施する(のちに追加公演あり)。さらに同年5月にはサンリオピューロランドとのコラボイベントを開催するなど、15周年記念プロジェクトを進行中。10月からはロックミュージカル「ROCK OF AGES」で主演を務めることも決定している。