RIZE|JESSEが語る“RIZE IS BACK”という道しるべ

RIZEが7年ぶり8枚目となるニューアルバム「THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~」を9月6日にリリースする。

本作に収録されている楽曲のほとんどは近年のツアーで演奏を重ね、最良の状態で仕上げられたものだ。さらにJESSE(Vo, G)はThe BONEZとしても活動し、金子ノブアキ(Dr)はソロアルバムのリリースをはじめ楽曲提供や俳優業をこなし、KenKen(B)もDragon AshやLIFE IS GROOVEへの参加にテレビやラジオ番組への出演と、各々の活躍を見せてきた。そうした活動からの収穫がソングライティング、アレンジ、プレイヤビリティのすべてにおいて効果的に作用することで、RIZE史上最大級のケミストリーと爆発力を持ったこの1枚へと結実した。

音楽ナタリーではJESSEにインタビューを実施。20周年を迎えたバンドの活動初期からJESSEの個人史、さらに現在のバンドのモードまでを語ってもらった。

取材・文 / 内田正樹 撮影 / 後藤倫人

RIZEはフロントマンが一番世の中に顔を出していないバンド

──このアルバムの大半の曲は、すでにここ最近のライブで演奏されています。だからアルバムについて語っていただく前に、まずは最近のRIZEのライブについてお話を伺いたいんです。と言うのも、20周年を迎えた最近のRIZEのライブはとにかくヤバいと思っていて。演奏のクオリティもさることながら、バンドとお客さんの双方がものすごい熱量を相乗効果で放出し合っていますね(参照:RIZE IS BACK!RIZE全国ツアー最終公演でZepp DC大熱狂 / RIZE、熱狂のツアー17本目「いろんな曲を書かかせくれてありがとう」)。

ありがとうございます。あっくん(金子ノブアキ)もKenKenも同じだけど、俺も毎回ライブに命賭けてますから。RIZEは本当に運よくデビュー当時からお客さんがパンパンに入って、それこそ「SUMMER SONIC」のスタジアムでライブしたり、どこに行ってもメインステージでやれていた。ただその頃は、そのありがたさをまったく理解していなかったんです。とにかく渡された場所でがむしゃらなライブを繰り返していただけだった。でも今の俺は毎回のライブを噛み締めながらやっていますから。

  • JESSE(Vo, G)
  • JESSE(Vo, G)

──そこについてはJESSEの中でいつ何が変わったのでしょうか?

別のバンドの話になっちゃうけど、The BONEZのおかげです。この2、3年、アンプを積んだハイエースに乗って、日本中を年間何千kmも移動してきた。自分らで検品して物販も出して、楽器の弦を替えて、搬入して、ホテルも押さえてツアーを回っていた。そこで得た経験が大きかった。また一からバンドをやって、しかもそれが心から楽しかった。RIZEはあっくんとTOKIE(RIZEの初代ベーシスト。2001年に脱退)と俺の3人で始まったバンドで、それこそ昔は写真映りにもこだわってね。撮影といえばトンネル付近で撮ったり金網越しだったりして(笑)。

──ありましたねえ(笑)。

でも今の俺はメディアに出る暇があるならツアーを回りたい。それぐらいThe BONEZで自分が変わった。しかも素晴らしいことに今はあっくんとKenKenが活躍しているから、俺がわざわざメディアに出ていく必要もない。RIZEってフロントマンが一番世の中に顔を出していないバンドですからね(笑)。ストリートにもずっとこだわり続けてきたけれど、最近はもうストリートって言葉自体がカリスマ美容師と同じくらい俺の中ではダサくなっちゃって(笑)。今はすべてがRIZEとThe BONEZのライブのためだけに向いている。今回のアルバムも、俺のパートはともかくライブで演ることだけをイメージして録ったぐらいで。

The BONEZを始めるまで“RIZEのJESSE”でしかなかった

──そもそも以前のJESSEにとって、RIZEとして活動するモチベーションの根幹とはなんだったのでしょうか?

JESSE(Vo, G)

もちろん歌いたい思いも音楽への自負もあったけど、やっぱり一番は親父(Char)と違う表現で親父を超えたいという気持ちだったんじゃないかと思う。親父は若くして天才ギタリストと呼ばれて、やれ新人賞受賞だのフリーコンサート開催だのとまあいろんなことをやってきた人なので、俺の目にはグラミー賞とノーベル賞以外はほとんど経験してきたように映っていた。でもこの間、親父がこう言ったんです。「俺はバンドマンでいたかった。カッコいいボーカルとドラムとベースの横でずっとギターを弾いていたかった。だから今バンドマンをやれているJESSEを見ていると『クソッ』って思うよ」って。

──ああ……。

ハッとさせられた。親父を超えたいと思っていた16の頃から今日まで、俺はずっとバンドマンだったんです。だから俺は自分をアーティストだなんて思っていない。バンドマンだと思っている。日本一のバンドマンと呼ばれたい、その一心でライブをしています。

──なるほど。さっきも金子ブラザーズの話になりましたけど、この7年振りの新作には、プレイのスキル、メンバーの存在感、アレンジやレコーディング技術のすべてにおいて3人の成長を感じます。もっと言えば3人各々が誰1人として遅れを取ることなく成長できたからこそ、この黄金比のバランスに到達したと言うか。

その通りですね。あっくんはソロをやって、KenKenもソロワークスやDragon Ashで間違いなく成長した。俺はThe BONEZを始めるまで、やっぱ“RIZEのJESSE”でしかなかったんですね。JESSE単体でスゴいわけじゃなくて、ぶっちゃけRIZEという旗があったから様になっていただけで。まあThe BONEZ以外にもGICODEとかE.D.O.とかヒップホップのサイドでも活動していましたけど、常にRIZEがゴールにあって、RIZE以外のものでRIZEを一度も超えられなかった。だから「JESSEとはなんぞや?」という自問自答とチャレンジの積み重ねが、自分にとってのこの7年だったんだと思います。

  • JESSE(Vo, G)
  • JESSE(Vo, G)
RIZE「THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~」
2017年9月6日発売 / EPICレコードジャパン
RIZE「THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~」初回限定盤

初回限定盤 [CD+Blu-ray]
5000円 / ESCL-4890~1

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RIZE「THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~」通常盤

通常盤 [CD]
3000円 / ESCL-4892

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RIZE「THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~」アナログ盤

アナログ盤 [アナログ2枚組]
3600円 / ESJL-3091~2

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収録曲
  1. ~PROJECT FROM THE EAST TOKYO~
  2. 帰ってきたサンダーボルト
  3. ALL DOGS
  4. Good Day
  5. うしろの少年
  6. ~What time is it~
  7. ONE SHOT(EP edition)
  8. JUSTICE
  9. NOTORIOUS(ALBUM ver.)
  10. LOVEHATE(ALBUM ver.)
  11. In or out
  12. TKC
  13. COLOURS
  14. PARTY HOUSE(ALBUM MIX)
  15. Where I belong
  16. ~PROGRESS~FIRE BALL
  17. SILVER
初回限定盤Blu-ray収録内容
  • "RIZE IS BACK 2016" TOUR FINAL at Zepp DiverCity TOKYO 2016.11.27
  • BACKSTAGE

ツアー情報

RIZE TOUR 2017 "RIZE IS BACK" [秋季爆雷]
  • 2017年9月23日(土・祝)新潟県 新潟LOTS
  • 2017年9月24日(日)石川県 金沢EIGHT HALL
  • 2017年9月26日(火)富山県 MAIRO
  • 2017年9月28日(木)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
  • 2017年9月30日(土)群馬県 高崎club FLEEZ
  • 2017年10月5日(木)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
  • 2017年10月7日(土)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN
  • 2017年10月9日(月・祝)秋田県 Club SWINDLE
  • 2017年10月11日(水)青森県 青森Quarter
  • 2017年10月12日(木)岩手県 Club Change WAVE
  • 2017年10月14日(土)宮城県 Rensa
  • 2017年10月29日(日)愛知県 DIAMOND HALL
  • 2017年10月31日(火)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
  • 2017年11月2日(木)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2017年11月4日(土)鹿児島県 CAPARVO HALL
  • 2017年11月5日(日)宮崎県 SR BOX
  • 2017年11月7日(火)大分県 DRUM Be-0
  • 2017年11月9日(木)愛媛県 WStudioRED
  • 2017年11月11日(土)高知県 X-pt.
  • 2017年11月15日(水)山梨県 甲府Conviction
  • 2017年11月16日(木)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
  • 2017年11月18日(土)大阪府 なんばHatch
「RIZE IS BACK」RIZE ASIA TOUR 2017
  • 2017年11月24日(金)香港 Music Zone @ E-Max
  • 2017年11月26(日)上海 万代南夢宮上海文化中心
RIZE TOUR 2017 "RIZE IS BACK"
  • 2017年12月20日(水)東京都 日本武道館
RIZE(ライズ)
幼なじみのJESSE(Vo, G)と金子ノブアキ(Dr)を中心に、1997年に結成されたロックバンド。2000年8月にシングル「カミナリ」でメジャーデビュー。楽曲に込められた熱量と圧倒的なライブパフォーマンスが支持を集め、多くのリスナーを獲得した。以降、ライブツアーを繰り返し、全米ツアー、アジアツアーを成功させるなど、ワールドワイドに活躍している。2006年3月に金子の実弟・KenKenがベーシストとして加入。その後もRIZEとしての活動を展開しつつ、JESSEはThe BONEZのボーカル&ギター、金子はソロワークや俳優活動、KenKenは自身のバンドLIFE IS GROOVEやDragon Ashのサポートメンバーとしても活躍する。2016年、結成20周年を前にメジャーデビュー時のレーベルであったEPICレコードジャパンに復帰し、「WOWOW NBAバスケットボール16-17シーズン」のイメージソング「ONE SHOT」を配信リリース。2017年3月にはアニメ「銀魂」シリーズ最新作のエンディングテーマを表題曲としたシングル「SILVER」を発売した。4月からは計40公演におよぶロングランツアー「RIZE TOUR 2017 "RIZE IS BACK"」を開催。9月にはおよそ7年ぶりのオリジナルアルバム「THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~」をリリースし、11月にはアジアツアー、12月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを行う。