ナタリー PowerPush - Quick Japan100号記念企画「歴代表紙を飾ったアノ人と語るQuick Japan」
ももいろクローバーZインタビュー
アイドルグループ「ももいろクローバー」がカルチャー誌「Quick Japan」95号で表紙になり、100ページという大特集を組まれたのは2011年の4月だった。3.11直後、メンバー早見あかりの間近に迫った脱退など、あらゆる意味で明日がどうなるのかわからない日々。結局それから1年、「Quick Japan」はももクロの動向を追い続け、そしてこの4月で創刊100号を迎える。ナタリーではそれを記念して、95号の「あの頃」のことを、ももクロに振り返ってもらった。
取材・文 / さやわか 撮影 / 松村美保
QJの表紙って……遠い昔?
──ちょうど1年ほど前に「Quick Japan」は100ページのももクロ大特集をやって、皆さんに表紙を飾っていただきました。本が出た頃のことって覚えていますか?
玉井詩織 結構、遠い昔だね。
高城れに 何年も前みたいな感じ。
佐々木彩夏 うん、「何年も」って感じするよね。
玉井 それまで表紙になるなんて、ほとんどなかったよね。
百田夏菜子 だから「え? 私たちが表紙?」みたいな。うれしいんだけど「え、うそー、大丈夫かな?」って(笑)。
高城 「本屋さんに並んだらどうなるんだろう」とか、いろいろ想像した。
──当時は皆さん、人気が広がっているという実感は全然なかったんですか?
佐々木 全然ないよね(笑)。
高城 今もない。
──今もですか? でも、この特集の頃と比べても活動の幅は広がっているように見えますよ。
玉井 たしかに憧れていた番組のスタジオにいられたっていうのは本当にうれしかった。
佐々木 でも、やっとスタート地点に立った感じじゃない?
玉井 うん。ていうか、ももクロには何個かスタート地点があった。
──この時期より前のスタート地点というといつになるんですか?
有安杏果 3月3日?
佐々木 2ndデビューシングル?
──なるほど。2010年の3月3日ですね。シングル「未来ヘススメ!」が前の年に出たんだけど、ユニバーサルからまたデビューシングルが出るということを記者会見した日。でもCDデビューという意味ではさらに前に「ももいろパンチ」が出ていましたし、それもまたスタート地点ですよね。
百田 毎回「スタート地点に戻った」みたいな感じですね。
佐々木 あとさ、キングレコードさんに移って結婚式みたいな衣装で記者会見やったときもスタート地点って感じしなかった?
玉井 「ももいろクローバー」から「ももいろクローバーZ」に改名したのもスタート地点だし。
──あ、それはまさにこの「Quick Japan」が発売される頃のことですよね。これはあかりん(早見あかり)が脱退する中野サンプラザのライブ(2011年4月10日)前後の発売だったから、会場でも販売されたんですよ。
玉井 ああ、覚えてる覚えてる、発売日! 私ね、8日にもう本屋さんで売ってるの見た。
有安 中野サンプラザのレッスンのときに本をもらって、みんなで見ました。あかりんから他のメンバーへの直筆メッセージのページがあったんですよ。そんなの知らなかったからびっくりした。
3.11直後の取材、そしてあかりん脱退ライブ
──グラビア撮影とインタビューをした日のことはどうですか? 覚えてますか?
有安 上半身だけの撮影するときに、台に乗って私が身長合わせたのを覚えてます。っていうか、この写真に限らずいつも台は必ず乗るんですけど(笑)。
高城 あとマラソンしたー。
佐々木 マラソンしに行ったね、みんなで。
玉井 ああ、やったやった。
──マラソン? ……って何ですか?
高城 えー? マラソンしたやつ、その前にもっとあったよ。ほしいもんがどうちゃらこうちゃらって。
百田 だからそれがマラソンだよ。
高城 でも寝袋のときじゃないよ。
玉井 でも、買いに行った。
高城 行ったよね!
──……ちょっと話に付いていけないんですけど、何か買い出しに行ったってことですか?
玉井 (聞いてない)私、この写真でシュークリーム食べてるもん。
高城 (聞いてない)ほらー!
──き、聞いてくださーい。皆さんで買い出しに行ったってことですか?
高城 行ってましたよね?
──何となくそんな記憶がありますね。
百田 じゃあ、マラソンじゃない? それが。
──いやだから、マラソンって何なんですか?
百田 その時期に、ライブがなかったんですよ。ちょっと運動不足で体が鈍ってるから、(マネージャーの)川上さんに一緒にジョギングしに行きましょうよって言ったんですよ。私、まだメイクしてなかったので。そしたらみんな「行きたい行きたい!」みたいになって。みんなでナチュラルローソンだっけ? 100均ローソン? ……までジョギングして走って、干し芋とかいろいろ買って帰ってきました。
──この頃は震災の影響でライブがなくなって、体を動かしたかったんですかね。
佐々木 毎日ずっと家にいたよね。
有安 この日、なんか久々の仕事だった気がする。
高城 あんまり体を動かす機会はなかったね。
玉井 自宅待機。
──その頃、どんな心境でしたか? もちろん震災は深刻な出来事なので、すぐに歌ったり踊ったりできないのは当然かもしれないですけど、ももクロには4月10日の中野サンプラザという予定があったわけですよね。
佐々木 舞台装置も、もともとLEDを使う予定だったんですけど、やめにして。
百田 節電でね。
──演出面での変更などは、事前に聞いていたんですか?
百田 「もしやれるとしたら、ここがこう変わる」とは言われてました。でも、やるかどうかはわかんなかった。
高城 でも、この本の撮影の後、レッスンなかった?
玉井 あったー!
高城 夕ごはん、みんなで買いに行ったもんね。だから、ここらへんの時期からレッスンが始まってたってことだよね。
百田 とにかく「やれたら」っていうことでレッスンが始まってましたね。
ももいろクローバーZ
(ももいろくろーばーぜっと)
百田夏菜子、佐々木彩夏、玉井詩織、有安杏果、高城れにの5人からなるアイドルグループ。2008年に「ももいろクローバー」として結成。「週末ヒロイン」「いま、会えるアイドル」というキャッチフレーズのもと全国津々浦々でライブ活動を行い、2009年7月には1stシングル「ももいろパンチ」をリリース。2010年5月にはシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。
2011年4月に行われた中野サンプラザ公演を最後に、メンバーの早見あかりがグループを脱退。このライブ終了直後に「ももいろクローバーZ」へ改名し、5人編成での活動をスタートさせた。
2011年7月にはももいろクローバーZ改名後初のシングル「Z伝説 ~終わりなき革命~」「D'の純情」と1stアルバム「バトル アンド ロマンス」を発表。11月にはメジャー通算6枚目となるニューシングル「労働讃歌」をリリースしている。