音楽ナタリー PowerPush - 乃木坂46

生田絵梨花が見つめるグループの未来

乃木坂46が10thシングル「何度目の青空か?」をリリースする。今作では進学準備のため前作「夏のFree&Easy」に伴う活動を休止した生田絵梨花が、初めてセンターポジションを務める(参照:乃木坂46生田絵梨花、進学準備のため一時休業を発表)。壮大なスケールを持つ新曲を前に、彼女は今何を思うのか。シングルで初めてセンターに立つことに対する思いや、ミュージカルや映画での主演を通じて得たもの、そして10thシングルという節目のタイミングに思うことや乃木坂46がこれから進んでいくべき道など、本音をじっくり語ってもらった。

取材・文 / 西廣智一 撮影 / 笹森健一

休業後最初の仕事が選抜発表収録

──生田さんは10thシングルの選抜発表でセンターとして名前が呼ばれたあと、とてもドギマギしていましたよね(参照:乃木坂46生田絵梨花、次作で初センター就任)。

生田絵梨花

あの選抜発表の収録が復帰して初めてのお仕事で、まず活動再開自体に緊張感があったし、みんなとひさびさに会うっていうところでもドキドキでした。でもまさか自分の名前があそこで呼ばれるとは全然思ってなかったですし、実際に呼ばれたあともうれしい悲しいというよりもまずビックリしちゃったというのが、あのときの状態でしたね。休まずにずっと活動を続けてきてのあの呼ばれ方だったら、きっとまた違った驚き方になったのかな。私は一度お休みしてしまったので、そこでなおさら心が追いついていなかったんだと思います。

──今までのシングルでもフロントに立つ機会は多かったですが、センターに立ってみたいとは思っていた?

初期の頃、よくフロントに立たせていただいていたときは「いつかセンターに立てたらな」という思いも強かったんですけど、活動を重ねていくうちにセンターも生駒(里奈)ちゃんからどんどん変わっていって。その頃には1人ひとりがパワーを持っていて輝き始めていたから、きっと誰がセンターになってもその人がしっかり務められるんじゃないかと思うようになったんです。なので、そこにこだわらずとも自分のやれることをやって、そのポジションで自分が光れたらいいなと思いながら今は活動しています。

──それは以前よりもグループ全体としてどうなりたいとかどう見せたいかとか考えられるようになったから?

そうですね。それは大きいです。

──そして8月30日の明治神宮球場でのライブでセンターとして新曲「何度目の青空か?」を披露しました。実際にセンターに立ってどんなことを感じましたか?(参照:乃木坂46ツアー千秋楽に新センター生田光臨

やっぱり一段と緊張しますよね(笑)。緊張するし、何をするにもプレッシャーもかかるし、なんと言っても私は前作での活動を休んでいたからそのことを少し引きずってもいたし。だけどそこは周りのメンバーが「全然気にしなくていいよ! そのままいくちゃんらしくやってくれれば、それが一番いいと思う」と言ってくれて、それが支えになって変に構えたりとか作ったりとかせずに、自由にできたのかなと思ってます。やっぱり環境が変わっても以前の自分と変わらない軸っていうのはずっと持っていたいので、いい意味で変わらない部分はずっと大切にしていきたいですね。

地方公演の日は家で時計を見ながら心配

──8月に行われた「真夏の全国ツアー2014」では、生田さんが謎の組織に捕らえられ、最終日の神宮で見事脱出してステージに現れるという演出が用意されました。

私は地方公演での演出を一度も観ることができなかったんですけど……最終日の登場まですごい引っ張っちゃったじゃないですか(笑)。みんなのライブにいちいち映像でお邪魔しちゃったのも申し訳なかったし、(神宮で)出て行く前にお客さんも飽きちゃってるんじゃないかなって思ってたんです。でもステージに出て行ったらすごい声援で温かく迎えてくださったので、すごい安心しました。それまでは私の映像が流れてるって聞いただけですごい不安で、地方公演がある日は家で時計を見ながら「今頃、どうなってるのかなあ……」って心配してたんです(笑)。

──反響を直接耳にしてないぶん、不安にもなりますよね。それにしても神宮でのあの登場の仕方は、ちょっと鳥肌モノでしたよ?

本当ですか? いやあ、心臓がバクバクして、必死に歩いてました(笑)。

──しかも、たった1人でステージに出て行ったわけですし。

なかなかできない経験ですよね。しかもメンバーやお客さんはすでに盛り上がっていて、そんなライブの途中に出て行ったので、なおさら緊張しました。

──「何度目の青空か?」を歌い終えたあと、生田さんは自分の気持ちを伝えながら感極まってましたね。

生田絵梨花

自分の思いを伝えようと思って一言一言しゃべっているときに、お客さんが声援をくださって。そういうことにすごく感動してしまって……なかなか言葉にはしにくいんですけど、とにかく温かいものに包まれた気がして。私はああいう場でしゃべるとき、あんまり感情が出るタイプではないんですけど、あの挨拶のとき初めてあそこまで感情的になったと思いますね。

──大勢のお客さんの前に立ったのは、6月15日の「16人のプリンシパル trois(トロワ)」千秋楽以来でしたし(参照:乃木坂46、笑いと貪欲に向き合ったプリンシパル公演終了)。そういう意味では生田さん自身もいろんな思いを抱えて、あのステージに出て行ったんでしょうね。でもその後はいつもどおりの表情でパフォーマンスしていたので、観ている側もすごくホッとしたというか。

それは特に裏にいたメンバーがいつもどおりに接してくれたから、みんなが引っ張っていってくれたという感じはすごくありますね。

ニューシングル「何度目の青空か?」 / 2014年10月8日発売 / Sony Music Labels
Type-A [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8621~2
Type-B [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8623~4
Type-C [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8625~6
通常盤 [CD] / 1050円 / SRCL-8627
Type-A CD収録曲
  1. 何度目の青空か?
  2. 遠回りの愛情
  3. 転がった鐘を鳴らせ!
  4. 何度目の青空か?~off vocal ver.~
  5. 遠回りの愛情~off vocal ver.~
  6. 転がった鐘を鳴らせ!~off vocal ver.~
Type-B CD収録曲
  1. 何度目の青空か?
  2. 遠回りの愛情
  3. 私、起きる。
  4. 何度目の青空か?~off vocal ver.~
  5. 遠回りの愛情~off vocal ver.~
  6. 私、起きる。~off vocal ver.~
Type-C CD収録曲
  1. 何度目の青空か?
  2. 遠回りの愛情
  3. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
  4. 何度目の青空か?~off vocal ver.~
  5. 遠回りの愛情~off vocal ver.~
  6. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた~off vocal ver.~
通常盤 CD収録曲
  1. 何度目の青空か?
  2. 遠回りの愛情
  3. Tender days
  4. 何度目の青空か?~off vocal ver.~
  5. 遠回りの愛情~off vocal ver.~
  6. Tender days~off vocal ver.~
乃木坂46 (ノギザカフォーティシックス)

乃木坂46

2011年8月に「AKB48の公式ライバル」として誕生したアイドルグループ。グループ名の「乃木坂」は最終オーディション会場の「SME乃木坂ビル」、「46」は「AKB48より人数が少なくても負けないという意気込み」に由来する。総合プロデュースはAKB48同様、秋元康が担当。全国規模のオーディションにより、3万8934人の応募の中からスターティングメンバーとして33名が選出された。2012年2月にシングル「ぐるぐるカーテン」で待望のメジャーデビュー。オリコン週間ランキングで初登場2位を記録し、20万枚を超えるセールスを記録した。以降、2ndシングル「おいでシャンプー」から9thシングル「夏のFree&Easy」まですべてのシングルがオリコン週間ランキングで初登場1位を獲得。また2013年10月には国立代々木競技場第一体育館、同年12月には日本武道館、翌2014年2月には横浜アリーナで単独ライブを行い、大成功を収めた。2013年5月には2期生が加入、2014年2月にはSKE48からの交換留学生・松井玲奈も加わり、2014年9月末現在計43名が在籍している。5月30日からは6月15日にかけて、東京・赤坂ACTシアターで劇場公演「16人のプリンシパル trois」を実施。8月には東京・明治神宮球場公演を含む「真夏の全国ツアー2014」を全国5都市で開催し、約10万人を動員した。10月8日に通算10枚目のシングル「何度目の青空か?」をリリースする。