ナタリー PowerPush - 乃木坂46

西野七瀬&秋元真夏「真夏、おかえり」で縮んだ2人の距離

真夏が帰ってきてなかったら自分はどうなってたのかな

──秋元さんが復帰したタイミングにそれまで七福神だった西野さんが外れて、そこに秋元さんが加わります。西野さんはそれに対してどう思ってましたか?

西野七瀬

西野 いやあ、なんか……初めは自分だけが七福神から外れたことに気付いてなくて(笑)、あとで気付いたときはすごい涙が出てきて「もう大阪に帰ります!」と言ってスタジオから逃走しようとしたんです(笑)。スタッフさんに引き戻されたんですけど、けっこう荒れ模様でした。いろいろ考えると……別に真夏が悪いわけじゃないし。

──まあ、そうですよね。

西野 ……っていうことを必死に考えるんですけど、あんまりポジティブな人間ではないんで、ずっと引きずってましたね。

──頭では理解していても、一度そういう感じになってしまったことで余計に接し方がわからなくなってしまった?

西野 それですね、まさに。そこから「どうしたらいいんだろうな……」って思ってましたけど……うーん……ただただ真夏のことをすごいなって思いながらも、自分からは近付いていけない。真夏も自分にしゃべりかけることもたぶん……できないじゃないけど、しづらいんだろうなって思ってましたし。でも「君の名は希望」(2013年3月発売の5thシングル)のときに自分の気持ちが落ち着いてきたんです。「君の名は希望」のタイミングで「別に七福神、八福神にこだわらなくてもいいんだな」と思えたらすごく落ち着いて、もう執着するのはやめようと思えました。

──以前のインタビュー(参照:乃木坂46「ガールズルール」特集 - 西野七瀬が掛川花鳥園で過ごす1日)でも言いましたが、西野さんがあるときから急に目を惹くようなパフォーマンスをするようになったんですよ。それがまさに「制服のマネキン」から「君の名は希望」の時期で。

西野 「制服のマネキン」は乃木坂にとって初めて激しいダンスチューンだったので、自分の抱えてる思いとかモヤモヤをダンスにぶつけてたときもありましたね(笑)。

──結果、そこで一皮むけたと思うんです。

西野 真夏が来たことがすごい刺激になったので。だから真夏が帰ってきてなかったら自分はどうなってたのかなって。なんか冴えないまんまずっといて、「制服のマネキン」も特に何も変わることなく踊ってただろうなって思います。

秋元真夏

秋元 ……正直今までのこういう話が聞けて驚いてます。3枚目のシングル(2012年8月発売の「走れ!Bicycle」)のときになーちゃんが七福神入りしたじゃないですか。そのときに「メガシャキ」のCMにもなーちゃんが出てたのを観て感動して、「よかったね、なーちゃん!」っていちファンみたいな感じでテレビを観てたんですよ(笑)。でも次のシングルで自分が復帰したタイミングで福神を入れ替わって、どうしたらいいんだろうと思ってたんで、こういうことを語る日が来るとは思ってもみなかったです。

西野 うん。

あのときの「制服のマネキン」は今までにない感じ

──ちょっと横浜アリーナでのナレーションの話題に戻ります。ナレーションが流れているときは2人はどこにいたんですか?

西野 センターステージの下のところで。

秋元 同じ場所で待機してました。

西野 私、ナレーションの内容を誰にも言ってなかったんで、すごく緊張してたんですよ。

──ほかのメンバーもみんなその場所で聞いてるわけですよね。

西野七瀬

西野 そうです。で、「真夏、おかえり」って流れたときに真夏が視線の先にいたんですよ。それで……すごい泣いちゃって。

秋元 瞬間的に泣いて(笑)。

西野 まさか泣くとは思ってなくて。そこで一気に壁が崩れた気がして、自分から真夏に抱き付いてました(笑)。

秋元 すっごいビックリしました。そこで「あ、なーちゃんと普通に接していいんだ」ってやっと思えました。それ以前に、ライブ中に「真夏、おかえり」なんて言われるとは思ってなかったし、リハーサルのときもそのパートだけ音声が流れなかったんですよ。でもいざライブのときにあのナレーションを聞いたら、ステージに出る数十秒前なのに涙が止まらなくて。しかも私、ここ(「制服のマネキン」)からその日初めてステージに出るのに、そんなことも忘れるくらい大泣きして、その瞬間になーちゃんが抱き付いてくれたのもあって、ステージに出たら完全に放心状態で「制服のマネキン」を踊ってました(笑)。

西野 私、動揺して振りをめっちゃ間違えました(笑)。でもあのときの「制服のマネキン」は今までにない感じでした、自分的には。

秋元 乃木坂に入ってから一番ビックリしたことかもしれない。最初にああいう形で復帰したのもビックリしたけど、それを上回るくらいビックリして。今思い出しても鳥肌が立つくらいですよ。

──ほかのメンバーから何かリアクションはありましたか?

秋元 私、「制服のマネキン」のあとにすぐステージから捌けて次の出番まで何曲か待ち時間があったんですけど、そこで大泣きしてるからほかのメンバーが心配して集まってきて。「どうしたの?」って聞かれて私も「もうダメーッ! あんなことがあったら泣いちゃう!」って答えてたら、(桜井)玲香が事情を理解したみたいで「よかったね! ホントにこんな日が来るとは思わなかったよ!」みたいに慰めてくれたんです(笑)。みんなこの状況はわかってたと思うんですけど、私が泣いてたことによって祝福モードみたいな感じで「よかったね!」と言ってくれました。

横アリ以降、逆にお互いのことを意識し過ぎちゃって

──お客さんの反応もすごかったですね。

西野 あそこで泣いたっていう人がけっこう多くて、そのあとの握手会で「僕たちも放心状態で、そのあとの『制服のマネキン』で盛り上がれなかったよ。ゴメンね」って言われちゃいました(笑)。

秋元真夏

秋元 アンコールの「人間という楽器」で外周を回ってたときにお客さんからあんまり見えない位置でたまたまなーちゃんと一緒になって、「ゴメンね!」って言って抱き付いてくれたんです。そこで私はまた顔が涙で崩壊しちゃって(笑)。なーちゃんと別れたあともずっと顔を手で覆っていたから、きっとお客さんも「なにこの子?」と思ってたんじゃないかな(笑)。

──全然関係ないタイミングでいきなり泣き始めたと思われますしね(笑)。

秋元 そうなんです。あと、ライブのあとでブログになーちゃんとのツーショット写真をアップしたんですけど、あの写真を撮るタイミングがすごく難しくて。ほかのメンバーがいる前で撮るのは恥ずかしかったんですよ。「うわー、さっそく行ってるよ」みたいに思われるんじゃないかなって(笑)。だからなーちゃんの動きを観察して、廊下に出たタイミングに「今だ!」って携帯を持って出て行って一緒に撮ったんです。

──西野さんはそのとき、どう思いましたか?

西野 うれしかったですよ。ななも撮ろうと思ってたんですけど、ちょうど手元に携帯がなくて。そのあと仕事で一緒になったタイミングに「撮ろう」って何度か言おうと思ったんですけど、確かにほかのメンバーの前で撮ろうって言うのが恥ずかしいんですよね。

秋元 じゃあ取材が終わったら撮ろうよ?

西野 うん、いいよ(笑)。

秋元 横アリで壁は崩れたんですけど、逆にお互いのことを意識し過ぎちゃって、ちょっとどうしたらいいか……っていうところだったんで、今こうしていろいろ話せたことでもっと普通に接することができるようになれたらなと思ってます。

ニューシングル「気づいたら片想い」 / 2014年4月2日発売 / Sony Music Labels
Type-A [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8450~1
Type-B [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8452~3
Type-C [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8454~5
通常盤 [CD] / 1050円 / SRCL-8456
Type-A CD収録曲
  1. 気づいたら片想い
  2. ロマンスのスタート
  3. 吐息のメソッド
  4. 気づいたら片想い ~off vocal ver.~
  5. ロマンスのスタート ~off vocal ver.~
  6. 吐息のメソッド ~off vocal ver.~
Type-B CD収録曲
  1. 気づいたら片想い
  2. ロマンスのスタート
  3. 孤独兄弟
  4. 気づいたら片想い ~off vocal ver.~
  5. ロマンスのスタート ~off vocal ver.~
  6. 孤独兄弟 ~off vocal ver.~
Type-C CD収録曲
  1. 気づいたら片想い
  2. ロマンスのスタート
  3. 生まれたままで
  4. 気づいたら片想い ~off vocal ver.~
  5. ロマンスのスタート ~off vocal ver.~
  6. 生まれたままで ~off vocal ver.~
通常盤 CD収録曲
  1. 気づいたら片想い
  2. ロマンスのスタート
  3. ダンケシェーン
  4. 気づいたら片想い ~off vocal ver.~
  5. ロマンスのスタート ~off vocal ver.~
  6. ダンケシェーン ~off vocal ver.~
乃木坂46 (のぎざかふぉーてぃしっくす)

乃木坂46

2011年8月に「AKB48の公式ライバル」として誕生したアイドルグループ。グループ名の「乃木坂」は最終オーディション会場の「SME乃木坂ビル」、「46」は「AKB48より人数が少なくても負けないという意気込み」に由来する。総合プロデュースはAKB48同様、秋元康が担当。全国規模のオーディションにより、3万8934人の応募の中からスターティングメンバーとして33名が選出された。2012年2月にシングル「ぐるぐるカーテン」で待望のメジャーデビュー。オリコン週間ランキングで初登場2位を記録し、20万枚を超えるセールスを記録した。以降、2ndシングル「おいでシャンプー」から7thシングル「バレッタ」まですべてのシングルがオリコン週間ランキングで初登場1位を獲得。2013年5月には2期生が加入し、2014年3月末現在計42名で活動している。また2013年10月には国立代々木競技場第一体育館、同年12月には日本武道館、翌2014年2月には横浜アリーナで単独ライブを行い、大成功を収めた。同年4月に8thシングル「気づいたら片想い」をリリースする。


2014年4月1日更新