音楽ナタリー Power Push - LiSA

総理、地蔵、ポップアイコンが教える 正しい夢の追いかけ方

LiSAのニューシングル「Brave Freak Out」が8月24日にリリースされた。

「Brave Freak Out」はLiSA通算10枚目のシングル。その表題曲とカップリング曲「AxxxiS」はいずれも「神様、ねえ僕を助けないで この確信に美しさはいらないよ」「世界が 脅したって この願望にブレはない」と、神なるものや世界なるものを向こうに回してもなお自身の確信や願望を貫くことを歌うヘヴィロックナンバーだ。今夏、全国のファンの祝福の中、デビュー5周年記念ツアーを終え、11月には神奈川・横浜アリーナ2DAYS公演が待つ、順風満帆の今、改めて自らのアティチュードを表明する理由とは? その思いを探るべく彼女を直撃したところ、話は予想外の方向に展開。楽曲の制作秘話はもちろん、「夢を追うこと」「叶えること」の本当の意味まで、その話題は幅広いものとなった。

取材・文 / 成松哲 撮影 / 上山陽介 ヘアメイク / 田端千夏

ガラは悪いがエゴは薄い

──LiSAさんは前回のインタビューのとき「今が一番楽しい」「今がずっと続いたらいいなと思ってる」とおっしゃっていました(参照:LiSA「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」特集)。

はい。ホントに毎日楽しいですもん。

──で、その“楽しいLiSAさん”の新曲「Brave Freak Out」はというと、メロディもアレンジも、そしてLiSAさんの歌いっぷりも攻撃的というか凶暴というか。言ってしまうと、まあガラが悪い(笑)。

LiSA

あはははは(笑)。

──ところがその“ガラの悪いLiSAさん”の声色は、楽しげな空気をまとってる気もしたんです。それもバッドに振る舞う自分を楽しむ露悪趣味的なものではなくて、もっと純粋に楽しげな空気を。

うんうんうん。なんか「Brave~」の私の声ってエゴが籠もりすぎてないんですよ。

──「彼の正義なんてもう I don't know!」「常識も正論も、関係なし」。要は社会的な規範やムードに唯々諾々と従ったりはせずに、自ら得た「確信」のもと「信念」を貫くんだ、というエゴイスティックな歌詞だけど、歌うLiSAさんのエゴは薄い?

確かに歌詞はエモいし、私がこの5年間ずっと繰り返してきたこと……自分の信念を貫くことの意味を歌ってはいるんだけど、その言葉の届け方が、これまでの私とは変わってる感じはします。以前の私は(声のトーンを上げて)「もうメッチャ好きなんですっ!」「チョー好きなんですっ!」っていう一心で夜中に書いた、とってもエモいラブレターの中身をとってもエモく歌っていたような感じでしたから。

──確か数年前にMay'nさんと初めて会ったときもそういう調子だったんですよね? 友達になりたい一心でシッポをぶんぶん振りながら「仲良くなりたいワン!」って近付いていったら、若干引かれたという(笑)(参照:LiSA「LiVE is Smile Always ~今日もいい日だっ~ in 日本武道館」インタビュー)。

そうそうそう。「あれは究極的に押し付けがましかったな」って反省しています(笑)。当時の私が歌声に込めていたエモさって、あのときMay'nちゃんに向けたエモさと何も変わってなかった気がしますね。

「エゴ」と「エモ」を制御して生まれた「楽しさ」

──でも今は言葉に込める愛情の総量こそ変わらないけど、歌声に乗せるエモーションを制御できている?

LiSA

余裕カマしてるわけじゃないけど、楽しみながら伝えられるようになってきてます。だから聴いている方にも楽しげに感じられるのかもしれない。

──なんで楽しみながら愛を伝えられるようになったんだと思います?

大人になったから?(笑)

──5年のキャリアは伊達じゃない、と。

「5年という時間を重ねてきたから歌えるようになった」っていうのは事実で。自分のことと応援してくれるみんなのことを信じてるし、そのみんなと楽しい今を作りたいっていう思いは昔から変わらないんだけど、以前は「信じなきゃ」って思っていた面もあって。でも最近は身軽になったというか。この人たちと一緒の今がこんなに楽しいんだから、この先にはもっともっと楽しいことが待ってるんじゃないか。そういう可能性しか感じてないんです。

──「今が一番楽しい」「今がずっと続いたらいいな」という思いがより強固なものになっている感じ?

うん。だから最近は必死ではなくて、ただただ楽しいんですよね。

ニューシングル「Brave Freak Out」 / 2016年8月24日発売 / アニプレックス
初回限定盤 [CD+DVD] 1728円 / SVWC-70181~2
期間生産限定盤 [CD+DVD] 1728円 / SVWC-70183~4
通常盤 [CD] 1296円 / SVWC-70185
初回限定盤・通常盤CD収録曲
  1. Brave Freak Out
  2. AxxxiS
  3. ツヨガリ・ファンファーレ
  4. Brave Freak Out -Instrumental-
期間生産限定盤CD収録曲
  1. Brave Freak Out
  2. AxxxiS
  3. シャッフル
  4. Brave Freak Out -TV ver.-
初回限定盤DVD収録内容
  • 「Brave Freak Out」ミュージッククリップ
期間生産限定盤DVD収録内容
  • TVアニメ「クオリディア・コード」ノンクレジットオープニング映像
LiSA「LiVE is Smile Always~NEVER ENDiNG GLORY~」
the Sun

2016年11月26日(土)神奈川県 横浜アリーナ
OPEN 16:00 / START 17:00

the Moon

2016年11月27日(日)神奈川県 横浜アリーナ
OPEN 15:00 / START 16:00

LiSA(リサ)
LiSA

6月24日、岐阜県生まれのボーカリスト。2010年春、テレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。2011年4月にLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビュー後はアニメ「Fate/Zero」のオープニングテーマ「oath sign」、「ソードアート・オンライン」のオープニングテーマ「crossing field」などスマッシュヒットを連発。2013年にはシングル「best day, best way」がノンタイアップながらオリコン週間シングルランキング6位を記録し、また10月に発表したアルバム「LANDSPACE」がオリコン週間アルバムランキング2位をマークし、アニソンシーン内外で高い人気を誇る存在となる。2014年末には「COUNTDOWN JAPAN 14/15」に、2015年夏には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」や「氣志團万博」にも出演するなどさらに活動の幅を広げている。デビュー5周年となる2016年4月にはミニアルバム「LUCKY Hi FiVE!」をリリース。さらに6月にはこの5年間で発表してきたミュージックビデオをまとめたDVD / Blu-ray「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」を発表した。そして8月には6年目の幕開けを飾るシングル「Brave Freak Out」を発表し、また11月にはキャリア最大キャパシティとなる神奈川・横浜アリーナで2DAYSライブ「LiVE is Smile Always~NEVER ENDiNG GLORY~」を開催する。