音楽ナタリー Power Push - LiSA

ベストDVD / Blu-rayから考える“今のLiSA”と“あの頃のLiSA”

LiSAのDVD / Blu-ray「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」が6月29日にリリースされる。

このDVD / Blu-rayはタイトルの通り、LiSAのミュージックビデオ集。デビューミニアルバム「Letters to U」収録の「Believe in myself」「妄想コントローラー」から9thシングル曲「Empty MERMAiD」まで、2011~2015年に彼女が発表した全MVが収められた“ベスト盤”的1作だ。またDVD、Blu-ray共に2015年12月に千葉・幕張メッセで開催されたライブ「LiVE is Smile Always ~メガスピーカー~」の模様が収められたボーナスディスクが付属する。

今回音楽ナタリーではこのMV集のリリースを記念して、LiSAのロングインタビューと、各曲発表当時の音楽ナタリーや音楽誌・アニメ誌での言葉を振り返る年表を併載する。5年のうちに生み出した数々の楽曲に対する彼女の今の思いと過去の思いの一端に触れてみてほしい。

取材/ 成松哲 文 / 臼杵成晃(P1~4)・成松哲(P5) 撮影 / 上山陽介

ちゃんと悩んできたからこそ今がある

──今作は映像によるベスト盤と言える作品ですが、こうやって映像で5年間を振り返ると、恐ろしく順風満帆に見えるというか、「この人の5年間は間違ってねえな」と思うんですよ。でもそれぞれの曲ができた当時のインタビューを今振り返ると、LiSAさんご本人はそのときどきで悔しい思いを抱えていたりして。

はい。

──自己評価と他人の評価にズレがあるのは当然として、こうして5年間の足跡が映像で羅列されたものを観たとき、2016年現在のLiSAさんはどういうお気持ちなのかなと。

LiSA

ライブのMCでもよく言ってますけど、悩みながら作った曲たちも、全部間違ってなかったなって思うんです。あと、よかったなって思います。その都度ちゃんと悩んできたからこそ今があると思うので。

──なるほど。では映像自体はいかがでした? たった5年とはいえ、されど5年で、やっぱり当時の流行りのデザインとか色味みたいなものもあるし、あと失礼ながらやっぱり新人さんだからか、LiSAさんの衣装が今とは印象が違うというか……(笑)。

はいはいはい。いや、自分でも初々しいなって思います(笑)。でも「Believe in myself」(2011年4月発売のデビューミニアルバム「Letters to U」リード曲)のMVも、その当時なりに「120%自分が好きなものを」と思って作りましたし、今も歌い続けている曲なので、古いものだという感じは全然ないです。

──先日のツアー初日(参照:LiSA、Hi! FiVEツアー好発進!「忘れられない5周年の第一歩になりました」)でも1曲目に「Believe in myself」を持ってきましたよね。今のLiSAさんは、5年前のこの曲をどういう思いで歌ってるんですか?

「Believe in myself」はデビュー当時、「自分は何を歌わなくちゃいけないんだろう」って悩んだ結果、自分に向けて素直に作った曲なんです(同曲はLiSAの作詞・作曲)。自分からのメッセージというか、未来の自分に希望を持ちたくて作った曲で。時を経た今は、自分自身のために歌っているというよりも、今同じ気持ちを持っている誰かに向けて歌っていますね。

学生時代の友達に似た信頼関係

──まさに自分で自分を信じようとした“私”の歌を作った結果、自分を信じたいと思っている“誰か”の歌になっていると。歌の主体が入れ替わるって、けっこう大きな変化ですよね。何があったからそうなったんでしょう?

やっぱり、この5年間は信頼できる仲間と作品を作ってきた実感があるし、自分が行きたいと思っていた未来の先に今はいるとはっきり言えるけど、その未来を作ってくれたみんながいる。1人じゃない。それが大きいですね。

──なりたい自分になれたとはっきりと言える?

LiSA

言えます。だって、今が一番楽しいもん。今がずっと続いたらいいなと思ってるし、ずっとみんなと遊んでいけたら最高だなと思います。

──そう言い切れるってすごいことですよね。

でもそう思えるようになったのは本当にごく最近で、それまではずっと半信半疑でした。もっとできるはず、まだやれるはず……と思っていたけど、今はただただ楽しいんです。

──その心境の変化は何があったからなんでしょう。昔より歌えるようになったから楽しい、という単純なことではないでしょうし。

みんなとの信頼関係ができたからだと思います。

──去年までのLiSAさんとLiSAッ子(LiSAファンの総称)だって十分に疑いようのない信頼関係ができていたと思いますけど。

いえ、疑っていたわけじゃないんですけど、前までは「離れていっても仕方がないし、それはそれだわ」って思っていたんです。でも今は、一緒に大人になっていきたい。なんだろう、大人になってから学生時代の友達と会う感覚にもちょっと似ていて。毎日一緒にいるわけじゃないけど、お互いのことを大切に思っていて、心配事があればいつだって話を聞くし、地元に帰ったときは一緒に遊ぶような。そういう信頼関係を今とても強く感じていて、それはきっと5周年という節目だから余計にそう感じているんだと思います。

DVD / Blu-ray「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」2016年6月29日発売 / アニプレックス
「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」
Blu-ray2枚組 5940円 / ANSX-10044~5
DVD2枚組 4860円 / ANSB-10044~5
DISC 1

LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015

  1. Believe in myself
  2. 妄想コントローラー
  3. oath sign
  4. crossing field
  5. best day, best way
  6. I'm a Rock star
  7. träumerei
  8. Rising Hope
  9. BRiGHT FLiGHT / L.Miranic
  10. シルシ
  11. No More Time Machine
  12. Rally Go Round
  13. Empty MERMAiD
DISC 2

BONUS DiSC「LiVE is Smile Always ~メガスピーカー~in幕張メッセ国際展示場」

  1. ID
  2. rapid life シンドローム
  3. crossing field
  4. 妄想コントローラー
  5. say my nameの片想い
  6. アコガレ望遠鏡
  7. ギフトギフト
  8. リスキー
  9. DOCTOR
  10. L.Miranic
  11. Empty MERMAiD
  12. Rally Go Round
  13. エレクトリリカル
  14. WiLD CANDY
  15. Bad Sweet Trap
  16. EGOiSTiC SHOOTER
  17. コズミックジェットコースター
  18. ROCK-mode
  19. Rising Hope
  20. シルシ
  21. Mr.Launcher
  22. BRiGHT FLiGHT
  23. ジェットロケット
LiSA「LiVE is Smile Always~NEVER ENDiNG GLORY~」
the Sun

2016年11月26日(土)神奈川県 横浜アリーナ

the Moon

2016年11月27日(日)神奈川県 横浜アリーナ

LiSA(リサ)
LiSA

6月24日、岐阜県生まれのボーカリスト。2010年春、テレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。2011年4月にLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビュー後はアニメ「Fate/Zero」のオープニングテーマ「oath sign」、「ソードアート・オンライン」のオープニングテーマ「crossing field」などスマッシュヒットを連発。2013年にはシングル「best day, best way」がノンタイアップながらオリコン週間シングルランキング6位を記録し、また10月に発表したアルバム「LANDSPACE」がオリコン週間アルバムランキング2位をマークし、アニソンシーン内外で高い人気を誇る存在となる。2014年末には「COUNTDOWN JAPAN 14/15」に、2015年夏には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」や「氣志團万博」にも出演するなどさらに活動の幅を広げている。デビュー5周年となる2016年4月にはミニアルバム「LUCKY Hi FiVE!」をリリース。さらに6月にはこの5年間で発表してきたミュージックビデオをまとめたDVD / Blu-ray「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」を発表する。また11月にはキャリア最大キャパシティとなる神奈川・横浜アリーナで2DAYSライブ「LiVE is Smile Always~NEVER ENDiNG GLORY~」を開催する。