音楽ナタリー Power Push - LACCO TOWER

「ドラゴンボール」を彩る新曲ができるまで

LACCO TOWERがニューシングル「薄紅」をリリースする。

タイトル曲は、現在放送中のテレビアニメ「ドラゴンボール超」のエンディング主題歌として書き下ろされたもの。メンバーが「今までの楽曲を超える、LACCO TOWERらしい曲になった」と語る本作はいかにして生み出されたのか? メンバー全員に話を聞いた。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 西槇太一

メジャーデビューしてから半年

──メジャーデビューから約半年が経ちましたが、居心地はいかがですか?

LACCO TOWER

塩﨑啓示(B) すごくいいですよ。コロムビアのスタッフさんをはじめ、地方でお会いできるラジオのパーソナリティの方とか、大事だなあと思える人が自分たちの周りにどんどん増えてきてますからね。いい出会いがすごくたくさんあって。

細川大介(G) そうやって僕らに関わってくれる人が増えたので、バンドとしての責任感が増して、意識が高くなっている感じもありますし。

松川ケイスケ(Vo) 今まで僕らのことを知らなかったであろう方がライブに来てくれることもメジャーデビュー以降は増えてます。ありがたいですね。

重田雅俊(Dr) お客さんの層が広がりましたね。中学生くらいの子がいれば、マダムもいるっていう。男の人が増えたのもうれしいっすね。

真一ジェット(Key) メジャーに来て曲作りに対する意識が変わったところがあって。制作のペースが早いから、最初はそれに戸惑いもあったんだけど、今まで以上に責任感を持ってたくさんの曲を作るようになった。それはいい変化ですね。

LACCO TOWERがちゃんと認められた気がしてうれしかった

──ではシングルのお話へ移りましょう。タイトル曲となる「薄紅」はテレビアニメ「ドラゴンボール超」のエンディング主題歌という大型タイアップが付いています。まさにメジャーっぽい展開だなあと。

松川 確かにそうですよね(笑)。メジャーならでは。

──でも楽曲としてはタイアップだからといって「ドラゴンボール」に寄せすぎることなく、これまで築き上げてきたLACCO TOWERの世界観をしっかり貫いていて。それがすごく痛快だったんですよね。

重田 その感想はうれしいわー。ありがとうございます。

松川ケイスケ(Vo)

松川 今回のお話をいただいてから何曲か候補を出したんですけど、先方がこの「薄紅」を選んでくださったことに何か運命的なものを感じていて。いろんなアイデアをこねくり回して新しいことにチャレンジしたような曲ではなく、僕らが昔からやってるようなタイプの曲を、こちらからゴリ押ししたわけでもなく選んでいただけたことでLACCO TOWERがちゃんと認められたような気がしたんですよね。それがホントにうれしかった。

──候補曲はタイアップが決まってから書き下ろしたんですか?

真一 そうですね。お話をいただいてから全部作りました。

塩﨑 最初に「ドラゴンボール」のスタッフさんに6曲くらい提示して、そこから2曲に絞られた感じです。実はそれが「薄紅」と、シングルのカップリングに入っている「奇々怪々」なんですけど。

細川大介(G)

細川 うれしいことに「どっちも使いたい」くらいなことをおっしゃってくださったんで、僕らとしてもすごく自信になりましたね。大きなタイアップということで身構えちゃってたところもあったけど、実際は僕らの音楽をすごくいい形で受け入れてくださったというか。最初の段階でのオーダーもほぼなかったもんね。

真一 うん。テレビ放送で使われる部分が59秒って決まっていたことくらいですね。なので、そのサイズでもしっかり伝わるようにAメロBメロを短めにして、すぐサビにいくような流れを意識して。そういう意味では、「薄紅」はストレートな曲を目指しました。

ニューシングル「薄紅」 / 2016年2月3日発売 / 1296円 / 日本コロムビア / TRIAD / COCA-17099
ニューシングル「薄紅」
収録曲
  1. 薄紅
  2. 奇々怪々
  3. 灯源 (Re-Recording)
  4. 薄紅 -Instrumental-
  5. 奇々怪々 -Instrumental-
  6. 灯源 (Re-Recording) -Instrumental-
LACCO TOWER「独奏演奏会」
2016年2月11日(木・祝)東京都 TSUTAYA O-EAST
2016年2月27日(土)大阪府 Music Club JANUS
I ROCKS 2016 stand by LACCO TOWER
超故郷編
2016年4月30日(土)群馬県 群馬音楽センター
<出演者>
LACCO TOWER / Ivy to Fraudulent Game / only he knows / KAKASHI / 小須田純一(ing) / SECRET SERVICE / DJ岩瀬ガッツ with スベリー・マーキュリー / Drunken' Frenzy / 秀吉 / FOMARE / Mississippi Duck Festival / Moshu / モーモールルギャバン / LILY
盟友編
2016年5月1日(日)群馬県 群馬音楽センター
<出演者>
LACCO TOWER / ircle / アルカラ / 片平里菜 / GOOD ON THE REEL / グッドモーニングアメリカ / SUPER BEAVER / NUBO / Halo at 四畳半 / BRADIO / My Hair is Bad / ラックライフ / Rhythmic Toy World / Lyu:Lyu
LACCO TOWER(ラッコタワー)
LACCO TOWER

2002年の結成以来、都内、群馬を拠点に活動するロックバンド。自ら“狂想演奏家”を名乗り、結成当初より楽曲タイトルはすべて「日本語ひとつの言葉」にこだわり続けている。ロック、パンク、ポップス、歌謡曲など特定のジャンルにカテゴライズされない、ソウルフルかつエモーショナルなサウンドが魅力。その叙情的な世界観とは裏腹に、攻撃的なライブパフォーマンスも人気を集めている。現在のメンバーは松川ケイスケ(Vo)、塩﨑啓示(B)、重田雅俊(Dr)、真一ジェット(Key)、細川大介(G)の5名。2013年にメンバーで「株式会社アイロックス」を設立し、自身主催のフェス「I ROCKS」を2014、2015年に地元・群馬音楽センターにて開催した。インディーズにてアルバム4枚を発表し、2015年6月にフルアルバム「非幸福論」で日本コロムビア内レーベル・TRIADよりメジャーデビュー。2016年2月にフジテレビ系アニメ「ドラゴンボール超」のエンディングテーマ「薄紅」を収めた同名のシングルをリリースする。