「LIVE IN LIVE」は彼らがこれまでに発表した楽曲をまんべんなく演奏するためにスタートさせたライブシリーズ。2度目となる今回はデビューアルバム「C」および11月に発売された6thアルバム「C2」の再現ライブとして行われた。
ライブは「C」のオープニングナンバー「CRAZY FOR YOUの季節」で開始。ストロボが点滅すると関根史織(B, Cho)と湯浅将平(G)はフロア前方に飛び出し観客を煽った。続く「GIRL FRIEND」でのグルーヴィな演奏に、オーディエンスは心地よさそうに体を揺らす。バンドはそのままダンサブルな「祭りのあと」「ELECTRIC SUMMER」を連投しさらに場内を熱くさせた。小出祐介(Vo, G)は「本日はご来場いただきありがとうございます」と観客に挨拶したのち「キツいっす! 曲順通りにただ演っただけなんですけど、キツいっす! だってこれ大体ライブ終盤の流れじゃないですか」と話す。続けて「やっぱり『C』から10年経ってるんで……マジで今動悸がしてて……救心とかありますか?」と問いかけて観客の笑いを誘った。
そして「スイミングガール」「YOU'RE MY SUNSHINEのすべて」「GIRL OF ARMS」と3曲続けて演奏したあと、小出は「ヤバいな。動悸とかし始めるとおじさんだなあと思う。でも31歳になりたてで動悸が始まったって怖いよね」とさらに疲れた様子を見せる。堀之内大介(Dr, Cho)が「今小出さんだけ言ってるけど、たぶんみんなそうだからね」と話すと、関根と湯浅も頷く様子を見せた。「C2」をリリースするにあたり「C」の曲を練習しながら聴き直したという小出は「当時22になる歳の俺は、曲のキー設定を本当に間違えていた」「『C』の曲はキー設定が高すぎて頭おかしい」と明言。2ndアルバム「十七歳」のリリース前に初めてボイストレーニングに行ったことがきっかけでキーを下げたというエピソードを話題に上げたのち「このあと『C2』の曲やるけど『落ち着いたね』って思うと思います」と観客に話した。そして彼が「とりあえずもう『C』を早く片付けよう」と発言すると、堀之内に「言い方!」と突っ込まれ、客席からは笑いが起こった。
堀之内によるカウントから「DEATH と LOVE」を投下したバンドは、真っ赤なライトに照らされる中エッジィなサウンドを繰り出した。4人はその後も「STAND BY ME」「ラストダンス」をアグレッシブなプレイで届け、堀之内の小気味よいビートに乗せて息ぴったりに「SHE IS BACK」を演奏。最後にメンバーそれぞれが楽器をかき鳴らし、デビューアルバム「C」の全収録曲の演奏を終えた。
一旦ステージから去り、黒い衣装で統一してステージに現れたメンバーは、最新アルバム「C2」の1曲目「『それって、for 誰?』part.1」でライブを再開。小出と関根の美しいコーラスワークが広がる「こぼさないでShadow」、4人がグルーヴィなアンサンブルを奏でた「美しいのさ」で観客を惹きつけた。小出は「引き続き、俺のギターのうまさを観ていってください!」と声を上げ、フロア前方でギターをかき鳴らし大歓声を浴びる。そのまま「曖してる」へとなだれ込むと「関根史織!」という彼の声を合図に関根がステージ前方でアグレッシブにスラップして笑顔を見せる。続けて小出は「ギター、俺」と言い、前のめりでギタープレイを繰り出した。
小出が「今回の『LIVE IN LIVE』なんですけど、僕らの普段のワンマンライブより7曲ぐらい多いんですよ。逆に俺こんなにライブで歌ったことなくて。普段だったらここら辺で『ありがとー!!』ってはけてるんですけど、大丈夫ですか? 逆に」と問いかけると、オーディエンスは大きな拍手を起こす。その後彼らは「カシカ」で観客を再びヒートアップさせ、ギターのフィードバック音を残したまま「ホーリーロンリーマウンテン」へとつなぐ。同曲では一転、ゆったりとした演奏に乗せて関根のアンニュイな歌声が響いた。曲中の堀之内の豪快なドラミングで勢い付いたバンドは、さらに「HUMAN」「不思議な夜」を畳み掛けて終盤へと向かう。
ラスト1曲を残し、小出が2015年について「『C2』っていうアルバムができたことがすごい大きかったと思います。今年も応援してくれてありがとうございました」と思いを語ると、メンバーは観客に一礼。さらに彼は「来年は忙しい1年にします。Base Ball Bearが好きな方にとっても楽しい1年だと思いますし、新しくBase Ball Bearを知る方にも、来年は媚びていこうかなと思います」とユーモアを交えて2016年への意気込みを述べた。そして小出の「最後は、今のBase Ball Bearのテーマソングなんじゃないかなっていう歌で終わります」という言葉から、バンドは「『それって、for 誰?』part.2」を披露。曲が進むにつれて4人の演奏は激しさを増し、ラストは向かい合って一斉に音を鳴らしてファンの喝采を浴びた。
Base Ball Bear「LIVE IN LIVE vol.2~C to C2~」
2015年12月24日 渋谷CLUB QUATTRO セットリスト
01. CRAZY FOR YOUの季節
02. GIRL FRIEND
03. 祭りのあと
04. ELECTRIC SUMMER
05. スイミングガール
06. YOU'RE MY SUNSHINEのすべて
07. GIRL OF ARMS
08. DEATH と LOVE
09. STAND BY ME
10. ラストダンス
11. SHE IS BACK
12. 「それって、for 誰?」part.1
13. こぼさないでShadow
14. 美しいのさ
15. 曖してる
16. 文化祭の夜
17. レインメーカー
18. どうしよう
19. カシカ
20. ホーリーロンリーマウンテン
21. HUMAN
22. 不思議な夜
23. 「それって、for 誰?」part.2
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- Base Ball Bear / ベースボールベアー
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ΕΝΖΟ @esnhzaope
毎年12月24日なると言ってるけれど、C to C2、行っとけばよかったなあ
Base Ball Bear、「C」「C2」再現ライブでヘトヘトに「救心ありますか?」 https://t.co/RQhIJtOqcj